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サザンビーチカフェは曇りにて
茅ヶ崎の海岸沿いに、海外の別荘のような外観のカフェがある。
サザンビーチカフェは、私が初めて訪れた2010年当時から有名なカフェだった。
薄い潮のにおいと波の音。風がよく通る店内は広く、開放的な雰囲気がした。よく日焼けした店員はTシャツとデニムのラフな姿で、毛先の赤く縮れたポニーテールを揺らしている。
海側にとった大きな窓からはビーチと、そこを歩く人々が見えた。サーフィンボードを担ぐ上裸の若者や
5年前と5年後の中間地点
誕生日の1週間前、免許更新をするために江東運転免許試験場に向かった。
東京メトロ東陽町駅から徒歩5分。免許の更新は二度目だったが、江東試験場に行くのは初めてだった。
駅を降りてグーグルマップに従って歩いていると、「運転試験場近道 徒歩2分」と書かれた看板が目に入った。印字された文字がはげかけていて、どこか手製という感じがした。近道ということばに誘われ矢印の指す道に入ると、住宅街の裏道のような細い
靖国通りの『アヤカフェ』
歌舞伎町にほど近い靖国通りの区役所前に、24時間開いているカフェがある。
電源、Wi-Fi完備でおまけにいつも空いているので、サークルのたまり場となっていた。「cafe aya」という名前だったと思うが、みな愛を込めて「アヤカフェ」と呼んでいた。
良いところがあれば、もちろん悪いところもある。アヤカフェは基本的に少し汚れていたし、料理も決して美味ではなかった。歌舞伎町に近いということもあってか、
タイムマシンがあったって
タイムマシンがあれば、と時々考える。未来に行くか過去に戻るなら、私は断然過去に戻る派である。過去に遡ってあの時のあの過ちを避けたり、過去の自分に助言したりする。
そう考えると一つの疑念が湧く。「どんなことをしたって過去の自分の結果を変えることなどできないのではないか?」
あるプロジェクトに参加するため、東南アジア行きを控えた夏の話だ。搭乗の日が近づくにつれ、気持ちは重くなった。その頃の私は誰に強