あとは安らかに眠るだけ。
安らかに眠れたら、どんなに幸せだろう。
懐かしいあの日々に、時々飲まれそうになる。
本当になんにもしなくてよかった。
なにもする必要がなかった。
私は3日ほど眠っていた。
なにもしなくてよかったから、たまに起きてはまた眠った。
このまま安らかに逝くことも選べるような気さえした。
とにかくおだやかだった。
季節は夏だった。
人は死ぬと、一般的には人の手によって葬られることになる。
私はあんまり人の手をわずらわせたくないと思っていたので、まだ起きられるうちに起き、家から外へ出て食べ物を買いに行った。
本当はもう少し、眠っていたかったよね。
向上心とか、色々あるけど。
いい人だったね。と偲ばれるのがゴールなら、もしかしてもう達成できている気がした。
結構これでもいい人をやってこられたんじゃないかなって思う。
自分がこうなりたいという目標には、まだまだ遠く及ばないかもしれないけれど。
だけど、案外、もうゴールには到着しているのかもしれない。
だからあとは、安らかに眠るだけ。
おやすみなさい。
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