05.14
美味しいもの談義
「よくわからんけどとりあえずすっごい美味しいもん食べたいなぁ。」
仕事の帰り道でぼくの隣を歩くいつもの上司が笑いながらぼくにこう語りかけてきた。
「そうですね。
とりあえずすっごい美味しいもの食べたいですね。」
そうぼくも笑いながら上司へと言葉を返す。
そうやってぼくと上司のいますっごい食べたいもの談義が突然幕を開けた。
まずはじめにあがった美味しいものは「回転寿司のサイドメニュー」だった。というのも仕事の休憩時間にぼくがInstagramで回転寿司のサイドメニューのラーメンに関する投稿を見て、それからこころの奥底で機会があればぼくも食べたいなぁと思っていたものだったからだ。
「回転寿司のサイドメニューとか結構魅力的なものありますよね。」
「そうそう。おちびとかがよくフライドポテトとかから揚げとか頼んじゃうことが多くて、いやもうそれ寿司食べにきてるんじゃないやんといつも思ってるよ。」
「なるほど。じゃあ上司さんはサイドメニューは頼まないんですか?ぼくはあんまり頼まないですけど。」
「いや、頼むよ。茶碗蒸しとか赤だしとか。あとビールね。」
「回転寿司でビールですか!贅沢!」
サイドメニューに関してはひとまずここまで。
そして鉄板のお寿司ネタへ会話が移る。
「回転寿司に行ったらもう食べちゃうもの決まってしまってません?」
「そうだね。ぼくくんは何食べるの?」
「そうですね。まぐろは絶対に食べますしー、あとはサーモン、えんがわ、たまごといったところでしょうか。」
うんうん、ぼくのなかでいつも食べているものだと書いていてすごく納得した。
「ハマチは!?」
「食べます!」
「だよね。ぼくも似たような感じのラインナップだよ。」
ここでぼくのあるお寿司に対する疑問がとびだす。
「あ、ご存知かどうかわかりませんが、どこかの回転寿司でみたことあるんですけど、おっきな卵焼きの上にシャリがちょんって一粒大のってるお寿司あるじゃないですか?あれどう思います?」
「えっ、そんなのみたことないなぁ。
それはお寿司なの?」
うんうん、全く同じ意見だ。
「そうなんですよ。あれは果たしてお寿司なのかと見るたびに考えちゃうんですよね。いままで頼んだことはないですが。」
是非ともこのお寿司をみたことあるかたはどう思っているのか教えていただきたいと心の底からそう思う。
ここで「回転寿司」に関する話題は一区切り。
そのときぼくと上司はファミリーレストランのガストの横にいて2人揃ってなかの家族連れが何を食べているのか観察をしてしまった。
ぼくが確認できたのはテーブルの上にあいた空ジョッキだけだったからごはん前のビールで一服というのは絶対に最高だろうなぁとうっとり心を奪われそうになる。
つづいて飛び出した話題は「ファーストフード」だ。おそらくガストのハンバーグと書かれたのぼりに影響されてとびでたんだろうなぁということは容易に想像できる。
「ファーストフードって最近食べられました?」
「いや、最近はまったく食べないなぁ。ぼくくんは?」
「ぼくも最近まったく食べてないですね。
ただ、めちゃくちゃファーストフードが食べたいってときが突然やってくることないですか??」
「あるある!たまーにすっごく食べたくなるよね。」
「ですよね!じゃあ上司さんはなにがファーストフードで一番好きなんですか?」
「ぼくはね。チキンタツタ。あれすっごく美味しい。」
「チキンタツタはー、食べたことないですね…」
「すっごく美味しいよ。ただひとつ厄介なところがあってパンいや、バンズがね。結構しっかりしてて一口でかぶりつけないんだよね。」
「ハードなバンズも最近出てきてるんですね。チキンタツタ恐るべしですね。」
「まぁ、結局"てりやき"にはどのハンバーガーも勝てないんだけどね。」
「あ、それすっごくわかります。日本人好みの味付けとかそんなこと考えるまでもなくシンプルに美味しいですもんね。てりやき。」
「そうそう、てりやきに勝るハンバーガーはこの世にないと思ってるよ。」
「あ、てりやきには及ばないだろうと思ったんですが、フィレオフィッシュ!ぼく大好きです!」
「フィレオフィッシュ!確かに人気だよね。
人生でたぶん一回しか食べたことないけど。笑」
人生で一度きりのフィレオフィッシュは一体どんな味だったのか聞いておけばよかったと少し後悔する。
そして先輩のチーズバーガー談義がはじまる。
「チーズバーガーでさ、ダブルチーズバーガーってあるじゃん?あれすっごく美味しいよね。」
「じ、実は食べたことないんですよ…」
「えっ!そうなの!もったいない!」
「ダブルチーズバーガーを食べちゃう人っていうのはあのチーズバーガーに満足できなかった人だと思ってるんですけど、その通りなんですか?」
「ま、まぁ確かにそうともいえるかも。だってあのチーズバーガーってさ、すっごいシンプルなんだよね。あのハンバーガーにほんとにチーズ一枚挟んでみました!っていうシンプルさでありながら、ほんとにそんな味がするんだよね。それで物足りないなぁって思うことはあるかもしれないね。」
「つまり、すっごい贅沢なチーズバーガーってことなんですね!」
「そうそう、すっごい贅沢な味がするんだよ!」
正直すっごくダブルチーズバーガーにかぶりつきたくなったけれど、いまは衝動を抑えよう。
そして帰り道の終点である最寄り駅付近にやってきたとき、ふと香辛料の香りがふわっと香る。
「あれ!この香り!なんだろう!」
「スパイス的な、香辛料的な香りですね。」
「そうそう。でもこの香り知ってるんだけど思い出せないなぁ。なんだっけ。」
「あ!山椒!」
「そうそれ!笑」
ここから辛いものが食べたいねという話がはじまるけれど改札を抜けるまでほんの一瞬の会話だったのでここでは割愛。当然2人とも辛い香辛料のきいた料理が食べたくなった。
終わりに
いろいろすっごく食べたいもの談義をしてきたけれど、果たして今日の夜ごはんには一体何が並ぶんだろうか。とふと考える。
個人的にはから揚げが食べたいけれど、正直回転寿司、回転寿司のサイドメニューにすっごく惹かれてしまっているから回転寿司にも行きたい。
けれど、今日は帰宅したらほかほかの白米のごはんが待ち侘びているに違いない。
納豆をかけて食べようか、おかずとバランスよく食べようか、白米をどう美味しく食べるかをひとりで考えていたら、「回転寿司はまた今度。」とじぶんのなかで思えることができるようになっていた。
だから、いつか回転寿司に行ったときは思いっきり贅沢してサイドメニューのラーメンとか頼んじゃおう。とりあえずいまは回転寿司に対してはそう思うことにした。
ぼくの「いただきます」ではじまり「ごちそうさま」でおわる夜ごはんはもう少しあとの話だ。
バスの中でnoteを書いているたったいま、ご飯が楽しみでならない。