出かけてきたよ④(美しき山間の国🌄)
トンネルを越える度、山々は黄金色に染まりだした。
そして、真っ赤に燃え始めた。
その様は、まるで私の心の高揚ぶりを、表しているかのよう。
私はこれから、この先の山間の街に暮らす方に、会いに行く。
街に、降り立った。
穏やかな朱に染まった木々と、その方が出迎えてくれた。
その方とは、とても不思議な巡り合わせで知り合った。
ある日、北米の自宅で何気なく、
あることを調べるために、Googleにたずねてみた。
ヒットしたのが、母国に暮らすその方のnote。
その方のnoteは、とても読みやすかった。読後、とても爽快。
書き手の方の、あたたかく力強いエネルギーを、好ましく感じた。
ふと下方に、「このクリエイターの人気記事」なるコーナーを発見。
その中の一つを再び、何気なくクリック。
出会った、その方のご家族に関するnoteに非常に感銘を受けた。
何と素晴らしい方だろう。この方のnoteに、スキしたい。
それじゃ、このnoteの会員にならないといけないな。
ならなくても、スキはできるのに。なぜか、そう思ってしまう。
SNS利用は、リアルで交流がある方同士・鍵垢でのみ、利用していた。
noteに登録すると、不特定多数の方に自分の存在が知れる。
いいのかな、いいんだよ。
この素晴らしい方が利用されているサイトだもの、大丈夫だ。
こういう時の私は、実にオトコらしい。
全く迷いなく、サクサクと会員手続きを済ませる。
そして真っ先に、その方のnoteに戻る。
このnoteに仲間入りして一番最初の、
スキ・コメント・フォローをした。一瞬で。
その方と実際にお会いするのは、初めてだった。
でも、混雑の中でもその瞳を見たら、すぐにその方だと分かった。
これも、何とも不思議なことだった。
私は降り立った場所から、人々が待ち合う屋内に移動していた。
自分の居場所をお知らせしないといけないな、と思った瞬間。
その方は既に、私の目の前に立たれていたのだから。
その方と私は、一緒に来るよう招かれていた場所に、早速うかがった。
山に、道に、光が満ちていく。有難いことだ、とても歓迎していただいた。
ありがとうございました。
お預かりしたもの。たしかに、この世の隅々まで届けます。
お山から下りたところに、てんとう虫。
お使い様、お見送りありがとう。
山間の美しい街。
その方は、その街のような方だと感じた。
澄んでいて。積み重ねがたくさんあって。
あたたかで。涼やかで。
しっかりとした芯があって。柔らかで。
軽やかで、厳かで。
これは、錯覚ではないのだろう。
共に語り合いながら、奥ゆかしい街中を歩くのは、久しぶりのこと。
そして次々、一緒にするのは初めてのことを経験した。楽しかった。
そんな機会に恵まれることは、嬉しい奇跡。
その方と、お別れの時がきた。
「またね」と告げ、ハグした。
見送らせてもらった。その方の姿は再び、「見えなく」なる。
さびしく、ない。
そうだ、その方と別れたことは、実はこれまで無かったんだ。
そう、思い出す。
これまで、ずっと一緒だった。そして、これからも。
次の日、早速その方を通じて招かれていたところに、うかがう。
ご挨拶するため、目を伏せた先に、
白い封筒に入ったものが積まれているのに気付いた。
「おひとつずつ、手に取ってください」との貼り紙。
中には、世の安息を願う、可愛らしい大きさの御幣が入っていた。
かしこまりました、確と、お預かりしました。
必ずや、届けるべきところに隈なく、届けます。
それから、この街を歩く。
道なりに進むと、招いていただいていたところが目の前に。
次々、ご挨拶した。
神様にはもちろん、仏様にも、愛されているこの街。
人々も愛している、この街。
Emikoさん。
あなたが愛し愛されている、あの山間の街で。
あなたと過ごせたことを、とても嬉しく思います。