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出かけてきたよ⑤(広島)

(この夏の、里帰りの思い出を綴っています)
薩摩に「またね。」を告げ、大好きな新幹線「さくら」に乗る。
「さくら」は、座席がゆったりしていて、車内の色調が優しい。
それに、車窓からの自然豊かな風景を楽しめるから好きだ。

熊本の手前だったかと思う。
美しい山々の間を走り抜けるエリアがあった。
手に持っていた本に、目をやることすら勿体ない。
子供のように窓にはりついたまま、流れゆくお山を拝した。
場所を調べると、「八代」辺りとのこと。
あの美しい山々は、なんというお名前なのだろう。
ご存知の方がいたら、ぜひ教えていただきたい。

広島に到着。
外はこの日も、体温並みの気温だった。
陽が満ち、真っ青な空の下、平和記念公園を歩く。
前回訪れた時と違うことは、周囲から様々な外国語が聞こえること。
変わらぬことは、この地は静かな祈り集まるところであること。

平和記念資料館で、嬉しいことがあった。
館内で、元教え子の家族と偶然、再会したのだ。

78年前、広島に原子爆弾が投下された。
資料館周囲は、火の海となり、
たくさんの人々の尊い命は、一瞬にして失われた。
いつまでも続くと思われる、日常。
いつまでも続くと思われた、人々との交流。
1つの爆弾は、これら全てを一瞬で燃やした。

そんなこの地で、懐かしい人との邂逅に、私は恵まれた。
その方と自分が今、在ること。なんという奇跡なんだろう。
それに、我々が母国から遠い地でも安寧に暮らしているのは、
この地に集まる祈りのお蔭なのだと、あらためて気づく。

私が訪れたふた月ほど前、G7の首脳が初めてこの資料館を訪れたそうだ。
あれから、これだけの年月が経ったからこそ実現したことなのだろう。
各国の首脳は、数々の資料を見て、どのように感じたのか。

今回の広島訪問で、ぜひご挨拶したい場所があった。
「おりづるタワー」
やんさ~ん、ついに私も、おうかがいできました。

この建物が出来た時から、行きたいと思っていた。
建物が出来たコンセプトや過程を知ると、その想いはさらに強くなった。

館内に入ってすぐ、素敵な折り鶴モチーフに誘われて
カフェに早速、寄り道してしまった。
ご当地もの系のメニューを楽しんだ後、階上へ。

屋上展望台”ひろしまの丘”は、柔らかな木でできたスペースだ。
光満ちた広島の街が、一望できる。
その眺めからは、いつまでもいつまでも見ていたくなる、
明るさと静けさを感じた。

同じフロアにある「おりづる広場」のコンテンツも、ぜひおすすめしたい。
一通り、私は夢中になって体験してしまった。
「おりづるの壁」から、私もそっと、折り鶴を送った。

この建物で体験したかったことの仕上げは、スパイラルスロープ「散歩道」にある滑り台、「くるくるくーる」を楽しむこと。
「え・・・ほんとに、やるの??」
と、家族はびっくりしていたが、ワタシは本気だ。

中華系と思われる皆さんも、ちゃんとプロテクター完全着用、
スライドシートを手に、次々子供達の間を滑って行かれていた。

スロープ内は多言語の嬌声が、飛び交っている。
全長70メートルの滑り台を滑りながら、しみじみ思った。
平和って、なんて楽しくて、有難いのだろう。

開放的な気分で、階下に降りた。
この地に再び、たくさんの緑が生え
人々が暮らすようになって、本当に嬉しい。
自分の折り鶴も仲間入りしたビルの壁面を眺めながら、そう感じた。

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magenta-hikari
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