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400字ショートショート

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いつしか積み重なった泡のような。色違いの飴玉のような。ちょうど400文字の小さな世界です。(前書きと改行はカウントしていません)
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記事一覧

400字ショートショート「助けを待ち続ける人々について」

ロングスカートが揺れる。刺繍されているのは原色のブーケ。振り向いた見知らぬ顔に 「こんな…

須田真梅
3か月前
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400字ショートショート「夏の飴玉は」

ソーダの味がするらしい。何かって夏の飴玉のこと。実を言うとうちにもあるんだ。去年、茹であ…

須田真梅
6か月前
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400字ショートショート「月のフルーツパーラー」

下弦の月は角度によっては器になる。久しぶりの宇宙旅行で降り立った星には、その器を利用した…

須田真梅
6か月前
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400字ショートショート「芽吹き弾く人」

まえがき たらはかに(田原にか)さんが毎週ショートショートの投稿イベントを開催されていま…

須田真梅
7か月前
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400字ショートショート「夕焼け当番」

前書き 「我ら朝を撃つ」のアナザーストーリーです。この話だけ読んでも大丈夫かと思います。…

須田真梅
7か月前
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400字ショートショート「金曜夜のオレンジバウム」

週末に行くカフェがある。きっちりとベストを着込んだ男の人がやっているお店だ。 コーヒーは…

須田真梅
7か月前
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400字ショートショート「オリオンに恋した乙女」

宇宙には網が吊るしてあるのをご存知ですか。細い細い銀の糸で編んだものゆえ、そちらからは見えないでしょう。私はその網にもたれかかって、昼夜問わず竪琴を弾いています。 詳しくは思い出せないのですが、前世では不幸せだったらしいのです。それを憐れんだ神様が私のなきがらを掲げて星座に変えてくれたんですって。通りすがりの彗星さんから聞きました。数百年も前にね。 「あの子、やっぱり美人。クレーターの配置がいいわ」 ここは退屈です。楽しませてくれるのは、決まった軌道を回ってくる衛星さんくらい

400字ショートショート「我ら朝を撃つ」

夜通し起きておく。そうして午前七時頃、太陽が細い光を放ったらすかさず撃つんだ。煉瓦の街へ…

須田真梅
7か月前

400字ショートショート「泡の一生」

前書き ずっと行きたかった喫茶店で念願のゼリーポンチを食べることができました。 写真をあ…

須田真梅
7か月前
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400字ショートショート「十年後のハマナス」

noteさん10周年おめでとうございます! 感謝を込めてショートショートを書きました。 noteは私…

須田真梅
7か月前
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400字ショートショート「天気の目次」

二階には私専用の本棚がある。リスのブックエンドに挟まれた、大好きな恋愛小説を入れておく場…

須田真梅
7か月前
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400字ショートショート「人魚のコレクション」

いつからかハンカチを集めている。人間が海に落としていったもの。 手に入れても使うことはな…

須田真梅
7か月前
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