研修会に参加して得るものとは
今年度は小学校教員として様々な研修会に参加してきました。ここでいう研修会とは、参加必須の仕事の一環としていくものではありません。案内などを見て自ら応募して出向く研修会です。結論から言うと、1年間自分の学びを深めるために研修に参加しましたが、一番に得たものは学び<人脈<モチベーション でした。あくまでも個人的見解になりますが、ひとりごととしてつぶやいていこうと思います。
なぜ研修会に参加しようと思ったのか
私は、ICT活用について勉強中であり、自校で様々な実践を繰り返してきました。自分のクラスでギガ端末の活用方法を模索しては授業に取り入れ、校内の研修会で共有しました。今年度は5回程校内で研修会をしましたが、手ごたえはいまいち。共有した内容は皆さんに上手く伝わっているのか。ICT活用に興味をもってもらえたのか。実践内容はそれなりに自信があり、様々なことにチャレンジしたのですが、先生方の反応を見ると、まだまだかあ…。と自分の未熟さを感じます。この頃から校内だけで1人奮闘する限界を感じ始めます。
そんなある日、私の所属する自治体が協定しているIT会社の人が、学校に取材しにきました。私は日頃のICT活用の内容を企業の人に取材で伝えると、「素晴らしい実践ばかりですね!」ととても褒めていただき、鼻の下を伸ばしに伸ばしていました。今思えば営業なので、私をいい気持ちにさせてくれていたんだろうと思いますが。そして「これだけ実践されているのですから、教育委員会や指導主事などに、何人ほどお知り合いがいらっしゃるんですか?」と問われました。答えは0です。ICT苦手教員が独学で突っ走ってきたので、この種で知り合いなどいるわけがありません。しかし、その言葉を聞いて改めて思ったんです。(校内だけではなく、校外でも活動しなくてはいけないんだ!)と。
何をハズレとするか
学校の外では、どんなICTの研修会があるのだろうか。まずは、定期的に配布される案内を見て、手当たり次第に参加してきました。それはもう、手当たり次第に。時には私学の小学校にも行きましたし、時にはICTを活用した高校の授業参観もしました。県外は当たり前で、現場の先生に「また出張か!」と苦い顔をされながらも行きました。しかし、案外土日の研修も多く、休み返上で参加しました。
どんな内容かというと、実際に授業を参観する研修と、講師の話を聞いたり意見交換する勉強会型研修の2タイプでした。正直な感想としては「これはすごい!勉強になった!!」と心から思える研修会はあまりありませんでした。理由は
・私学だと環境が整いすぎて、公立では実現不可能な点が多い。
・わりと実践発表の内容は誰もがやっている普通の内容。(と思えるまで
自分が成長したのかも!?)
・講師の話が難しすぎて、本来知りたいことを超越しすぎている。(特に
大学教授あるある)
・逆に講師のネタがなく、ファシリテーターとして会場のみなさんに意見
を聞いて回る会に。
・研修案内に「チャットGPTを活用した主体的な学び!」とか書いている
のにいざ参加したら全然違う内容。
もう一度言いますが、これはあくまで個人の見解です…!!が、多くの研修会でよく私が感じることです。考えてみれば、研修には「その手のベテラン」から「初心者さん」まで幅広く参加するわけで、全員が満足のいくニーズに合ったものを提供するのは難しいことなのかもしれません。なので、明日からすぐに取り入れてみよう!そんなものに出会えることはなかなかありません。もしかしたら、すぐに使えるものばかりを求める方が間違っているのでしょうか。いや、ICTが広まりにくいのは、使ってみたいと思われないことが1つの理由。ならば、すぐにマネしたい!と思われた方がいいに決まっています!
しかし、思った研修と違ったなあ~。とか、行かなければよかった。と思うハズレ研修は1回もありませんでした。それは、本来求めていた情報以外に、収穫を得られることがあるからです。
・ここの学校は研修参加者全員にiPadが配布されるのか!
・大人は名札をつける代わりに、胸に名刺をつけるのが最近の主流なの
か…。
・電子黒板じゃなくてプロジェクターを使用しているのか。大画面で良
いな~!
・校舎の案内図がQRコードになって壁に貼られている!
・校内研修もこの司会者のようにマネしてやってみよう!
・IT企業がたくさん来て、知らなかったアプリを紹介してくれる!
・あの先生かわい……。
校外に出るということは、いつもの自分の環境と違う「何か」があるので、それに自分が気付けるか。それを今後の自分のライフスタイルに生かそうと考えられるかがポイントだと感じました。なので、ハズレ研修はないのです。どんなことからでも学ぶのです。
懇親会ってなんだろう
稀に、研修後に懇親会があり、参加希望者を募ることがあります。私は「なんだ?飯でも食えるのか?」くらいの軽い気持ちで参加したことがあります。場所は居酒屋だったり、オフィスビルの一角だったり。参加メンバーは知り合い0。逆に私以外は全員顔見知りということもありました。そう、基本的に研修主催者や関係者たちの打ち上げ的なものです。完全アウェイですが、そういった人たちは基本ウェルカムで迎え入れてくれます。とにかく優しく熱心な方が多いのです。そこでは普段校内の同僚とは決して話すことのないICTの深い話ができるので、とても勉強になります。時に懇親会がメインの研修を超えて充実するときも。そして、なぜウェルカムなのか。それは、新規のメンバーが近年少ないからです。教員は日頃、学校現場で子ども達に教育をする他に、学びを探求する「研究会」に所属して活動することがあります。しかし、近年は働き方改革の影響もあり、研究会に入る人が減り、人材不足とのことです。なので、どこからかやってきた私のようの者はレアキャラなわけです。全然力はないけど、誘ってメンバーに入ってくれれば大きな助けとなる。ドラクエのメタルスライム的な立ち位置です。懇親会では、研修会を開くにあたって「実践発表者」「講師」の2つを探すのがとにかく大変であり、なかなか見つからないことを聞きました。研修1つ開くにも、見えない苦労がたくさんあるようです。感謝。
お土産は名刺
だらだらと研修に参加してきた感想を述べましたが、結局毎回得るものはたくさんの名刺です。他の学校の先生。IT企業。大学教授などなど。校内だけの仕事だと、名刺をいただく機会なんてないので、ちょっと嬉しいです。名刺で繋がっておけば、いざ校内研修で講師が必要なときに、有力な選択肢の1つとなってくれるでしょう。そして、もう1つ得られるものはモチベーションです。研修後は「よし、自分ももっとがんばろう!(明日から)」と思えます。定期的に校外へ研修に行くことで、私のICT熱は安定して高まっているのかも知れません。
思ったような収穫を得られないことが多いのが研修ですが、そこから何かを学び、どこかとの繋がりを作ることも、研修へ行く大きな魅力なのかもしれません。