現代人のための読書入門 ~本を読むとはどういうことか
本書は、ウェブメディア「ライフハッカー・ジャパン」で「印南敦史の毎日書評」を担当する印南氏の読書論。
年間700冊以上を読む著者にとって、本を読むとはどういうことか。
タテ軸(共感ポイント)とヨコ軸(発見ポイント)に付箋を貼りながら読み進めました。
タテ軸〜共感ポイント
最近は、さまざまな読書論があり、それについての書籍も多い。
「読むからには何か役に立てなくてはいけない」「自分は読書したことをいかせているだろうか」と考えすぎると、ついハードルが上がる人も多いかもしれません。
そんな時、「得ようとしなくても得るべきものは積み上がる」という考え方はとてもいい。自分勝手に好きなように、知的好奇心を片手にページをめくればそれでいいのだと安心します。
他にも多くの共感ポイントがありました。箇条書きで挙げてみましょう。
読書にスタイルはない(p101)
自分の読書は自分のもの(p109)
習慣化の決め手は”寸止め読書”(p132)
「好き」と「苦手」があって当然(p153)
読書の時間は、自分にとって特別なひとときである必要があります(p188)
ヨコ軸〜発見ポイント
他にも多くの発見がありました。
”読む場所の常識”から少しだけ離れてみると、読書はさらに楽しくなる(P158)
人の頭や心のなかはタイムズ・スクエアと同じ状況(P194)
読書に集中することができれば心が落ち着き、マインドフルネスに近い効果が得られるのではないかということです(p195)
だから、楽しいのです。楽しいだけでいいのです。(p206)
確かに読んだのに忘れてしまう。そして自己嫌悪に陥る人もいるかもしれません。
それについても「遅くとも忘れても当たり前」と書かれています。
共感ポイントと発見ポイント。もっと他にもありましたが、この辺で。
とにかくも「楽しいだけでいい」。この一言が読書の全てを語っていると思います。
ついつい頭でっかちになりそうなとき、パッと目についた本を読んで楽しむ。
それだけで、マインドフルネスなひとときに満たされるなら、目の前にあるその本を気ままに手に取ってみようと思えますね。
一冊読み終わった頃には、読書に関する「……ねばならない」の思い込みやこだわりから解放されていることに気づきました。
読書の仕方に悩んでいるとき、真っ先に手にしてほしい本です。
その他、印南氏の読書関連書籍