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現代人のための読書入門 ~本を読むとはどういうことか

本書は、ウェブメディア「ライフハッカー・ジャパン」で「印南敦史の毎日書評」を担当する印南氏の読書論。
年間700冊以上を読む著者にとって、本を読むとはどういうことか。
タテ軸(共感ポイント)とヨコ軸(発見ポイント)に付箋を貼りながら読み進めました。

現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか

タテ軸〜共感ポイント

得ようとしなくても「得るべきもの」は積み上がる
 では、何が彼らを消極的読者とさせてしまっているのでしょうか。……中略……
 私が思うに、それは反対側にいる積極的読者の声の大きさの影響です。

P57

……少なくとも私の場合は、「もうちょっと知りたい」というよりも「自分はあまりにも知識が少なすぎる」という思いがつねにあり、それが”次の読書”へと繋がっているように思えるのです。でもそれはよいことでもあるとも考えています。

P71

なぜなら私は、このエッセイを読むよりも前からずっと、「読書はワガママでいい」と主張し続けてきたからです。なにしろ、自分が優位に立っているのですから、自分の思いどおりでいいのえす。

p100

最近は、さまざまな読書論があり、それについての書籍も多い。
「読むからには何か役に立てなくてはいけない」「自分は読書したことをいかせているだろうか」と考えすぎると、ついハードルが上がる人も多いかもしれません。

そんな時、「得ようとしなくても得るべきものは積み上がる」という考え方はとてもいい。自分勝手に好きなように、知的好奇心を片手にページをめくればそれでいいのだと安心します。

他にも多くの共感ポイントがありました。箇条書きで挙げてみましょう。

  • 読書にスタイルはない(p101)

  • 自分の読書は自分のもの(p109)

  • 習慣化の決め手は”寸止め読書”(p132)

  • 「好き」と「苦手」があって当然(p153)

  • 読書の時間は、自分にとって特別なひとときである必要があります(p188)

ヨコ軸〜発見ポイント

言い換えれば、読む前から、その本、あるいは読書という行為に価値やベネフィットを求めすぎてしまうから窮屈になるわけです。

P30

極端ないいかたをすれば、「読み方」は自分自身が決めることであり、その方法が自分にとって無理がなく、心地よいものであるならば、それは誰がなんといおうとも自分にとっては「最良の読み方」なのです。

P35

もしなんらかの興味を持ったのであれば、なんでもかんでも読んでみるべきです。その際には、13歳くらいのときに読んで新鮮に感じた本のことを思い出し、その当時の感性を呼び戻してみるといいと思います。

p91

他にも多くの発見がありました。

  • ”読む場所の常識”から少しだけ離れてみると、読書はさらに楽しくなる(P158)

  • 人の頭や心のなかはタイムズ・スクエアと同じ状況(P194)

  • 読書に集中することができれば心が落ち着き、マインドフルネスに近い効果が得られるのではないかということです(p195)

  • だから、楽しいのです。楽しいだけでいいのです。(p206)

確かに読んだのに忘れてしまう。そして自己嫌悪に陥る人もいるかもしれません。
それについても「遅くとも忘れても当たり前」と書かれています。

共感ポイントと発見ポイント。もっと他にもありましたが、この辺で。
とにかくも「楽しいだけでいい」。この一言が読書の全てを語っていると思います。
ついつい頭でっかちになりそうなとき、パッと目についた本を読んで楽しむ。
それだけで、マインドフルネスなひとときに満たされるなら、目の前にあるその本を気ままに手に取ってみようと思えますね。

一冊読み終わった頃には、読書に関する「……ねばならない」の思い込みやこだわりから解放されていることに気づきました。
読書の仕方に悩んでいるとき、真っ先に手にしてほしい本です。

その他、印南氏の読書関連書籍


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