アンケートから途中離脱させない調査票設計ポリシー/従業員リサーチナレッジ
アンケートでは、意外に途中離脱が多いことをご存知でしょうか?
みなさんも経験があるかもしれませんが、アンケートを進めていくと、回答しづらい、設問数が多いなど回答途中でやめてしまう人(途中離脱者)がいます。アンケートの主催者側としては、1サンプルでも多く回収したいですよね。今回の記事では「途中離脱」についてナレッジを共有いたします。
1.途中離脱はどれくらい発生?設問数が多いほど増える結果に
マクロミルで実施された企業様の従業員リサーチ全体の約80%で、実際に途中離脱が発生していました。離脱人数から離脱率を算出すると全従業員の数%ではあるものの、せっかく回答しようとした方が途中で離脱してしまうのはもったいないですよね。下のグラフは、マクロミルで実施いただいた従業員リサーチの事例から、調査の設問ボリューム別に途中離脱が発生した比率を表したものです。
設問ボリューム別の途中離脱発生率(従業員リサーチ)
(期間:2020年7月~2021年6月末)
また参考までに、マクロミルで実施した離脱率に関する検証調査の結果もご紹介します。
設問数別のアンケート脱落率(調査対象:マクロミルモニタ)
いずれのデータからも、設問数が途中離脱に与える影響は大きいことがわかりました。当然ですが、設問数が多いほど回答者への負荷は上がってしまうので、離脱率も同じように上がってしまいますよね。設問数のほかにも、途中離脱を発生させる要因はないでしょうか?
2.途中離脱がおきた要因はどこにある?
では、どのようなアンケートで途中離脱が発生しているのか、設問数の多さ以外の要因を探ってみます。
設問数だけでなく、回答負荷があがってしまうような回答形式、そして、性別や勤続年数といった属性を回答して「さて、ここから本題!」というタイミングで離脱してしまうような質問順が、途中離脱のポイントになることがわかりました。ポイントを踏まえて調査設計することで離脱を防止したいですよね。
また、マトリクス設問と離脱率の関係については、マクロミルで実施した検証調査の結果からも言えると思います。
マトリクスサイズと脱落率(調査対象:マクロミルモニタ)
3.途中離脱させない調査票設計ポリシー
最後に、上記の内容も踏まえて、マクロミルで推奨している調査設計ポリシーをご紹介いたします。今後、調査票設計の際には、ぜひ下記のポイントについて参考にしていただけたらと思います。
今回は「アンケートの途中離脱」についてお話ししました。
最後まで回答してもらうためには、できるだけ回答負荷をさげる設計が重要です。1人でも多くの方から回答を得られるように、いろいろと工夫できそうですね。みなさまの従業員リサーチでも、ぜひご活用ください。
筆者
企業様の従業員リサーチなどをご支援するリサーチプラットフォームグループ(左から、平岩、竹内、川村、徳田)