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ストレートネックの改善のために知っておきたいこと
「ストレートネック」という言葉は最近よく聞くようになった。
多くの健康の情報で、肩こりや頭痛など、不調の原因としてストレートネックが言われている。
そのストレートネックの原因として、スマホなどが例に上がり、下を向きすぎることがストレートネックを作っているとされ、スマホ首などともいわれている。
改善法とすると、首周辺を動かして、その中でも上を向かせるような体操が多いことに驚愕する。
下を向きすぎたから上を向かせる。
確かに理にかなっているようであるが、首の動きを少し勘違いしている。
まず、良い姿勢を考えた時、首に関する注意点とするとアゴを引くということが重要である。
骨盤を立てて背すじを伸ばし、その伸びた背骨に頭を上手に乗せるために必要な動きがアゴを引くという動きである。
では、このように良い姿勢をとってアゴを引いた状態で、その背骨の状態を維持したまま首だけ下を向いてみると。
ほとんど顔は下を向かないはずである。
ただ、アゴを引いた時点で、5mほど先の下が見れる程度に少し下を向いている。歩くために転ばないための準備である。
それ以上はほとんど下を向けないのが人間の首である。
それでももっと下を向きたいとき、人間は背中を丸めることで、首のストッパーのような状態を解除して下を向くようにしている。
もっと細かく言うと、背中を丸くして首を前に出して、それから顔が下を向くようにしているのである。
つまり、背骨が丸くなるから下を向くことができるのである。
次に、姿勢を語るとき、首について悪い姿勢の象徴として、「アゴが上がる」というものがある。
アゴを上げる状態を作ってみればわかるが、アゴを上げると、ため息を「ハアー」とつくときのように背骨が丸まる。
丸めなければ首に無駄に力が入った状態を維持しなければならない。
スポーツのときに良いパフォーマンスをしようとしたとき、アゴを引けという指示をするのはアゴが上がってハアーと力の抜けた状態から、無駄な首の力を無くして、きちっとした姿勢を作って運動効率を上げるためである。
そして、ストレートネックのさまざまな改善法を見た時、上を向く動きをさせている。
上を向くということはアゴを上げる典型的な形である。
アゴが上がらなくては絶対に上は向けない。
上を向く場合も、首だけでより上を見ようとするとき、首は前に倒れることで5㎏ほどの重さの頭が後ろに落ちることからバランスをとる。
例えば、体を反らす運動をしている場合でも、頭が後ろに倒れることで、背骨は反りよりも丸くなる動きをしていることがあることを理解しておく必要がある。
運動の中、何かと上を向かせたがるケースがあるが、人間の基本的な重さのバランスをとる反応を理解しながらでないと、イメージと実際の力の加わり方に差が生じる。
こうしたことから考えて、スマホなど下を向いている人がストレートネックになりやすいということは事実であるが、顔が真下に近く下を向くためには、背骨は丸くなっているからこそ下が向けている。
また、ストレートネックの人は普段から背中を丸くして悪い姿勢をしている人が多い。
つまり、背中が丸くなりアゴが上がって首が前に倒れている人がストレートネックになるということである。
体の動きと骨の動きには、ズレがあることを知って欲しいものである。