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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2023年10月の記事一覧

エビデンスの問題点を指摘した本「客観性の落とし穴」

エビデンスの問題点を指摘した本「客観性の落とし穴」

本(客観性の落とし穴)(長文失礼します)

新聞書評欄の「売れてる本」コーナーで紹介された本です。私も個人的には、客観性のある論理的思考は日頃から大切だと思っているので、買って読んでみました。

筆者の村上靖彦さんは基礎精神病理学・精神分析学が専門の大阪大学大学院教授で、筆者が指摘するのは、エビデンス(証拠・根拠)が流行語になる程の現象は、客観性の根拠が統計学をベースとした数値化であり、その数字を

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世界の食卓からSDGsを考える本「世界の食卓から社会が見える」

世界の食卓からSDGsを考える本「世界の食卓から社会が見える」

本(世界の食卓から社会が見える)

世界中を旅して、各国の家庭に滞在し食卓で家庭料理を味わいながら、その国々の社会情勢を検証した本です。筆者の岡根谷実里さんはクックパッド勤務後に独立した世界を旅する台所探検家で、以前「世界の台所探検」を読んだことがあり、今回も同じ筆者ということで読んでみることにしました。

訪れた国や地域は、アジアがベトナム、インド、中国、ヨルダン、パレスチナ、イスラエル、中南米

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