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43.あの人より仕事ができるのに、時給が同じなのは納得いきません。

記事を読んでいただきありがとうございます。
前回は、「ディズニーリゾート並みの価値を利用者様に届ける」話を、お伝えしました。

ある社長から、このような質問をいただきました。 「うちのスタッフから、『私はあの人より仕事ができるのに、時給が同じなのは納得いきません。』と言われました。 このような場合、どうすれば良いのでしょうか?」

人にはそれぞれ能力の違いがあります。
年齢、学歴、性格、仕事への向き不向きなど、その要因はさまざまです。
職場では能力の違う人が集まっているために、どうしても人は自分と他人を比較しがちです。
「私の方ができるのに、なぜ給料が同じなのか?」と考えるのは自然な流れのため、冒頭のような質問が生まれるのです。

では、このような不満をどのように解決すれば良いのでしょうか?
それは 会社がスタッフを適切に評価すること にあります。

会社がスタッフの評価したほうが良い理由

会社がスタッフを適切に評価すると、以下の3つのメリットがあります。
自分に都合の良い評価をしなくなる
多くの人は、自分より仕事ができる人と比較するのではなく、自分より仕事ができないと感じる人と比較しがちです。 その結果、「自分の方が仕事ができるのに評価されていない」と感じ、不満を抱くことになります。 しかし、会社が適切に評価を行えば、客観的な基準が明確になり、不公平感がなくなります。
できる人が会社に残る
仕事ができる人ほど、キャリアアップを目指します。 適正な評価を行うことで、そのような人の努力や成果を正当に認め、承認欲求を満たすことができます。 結果として、優秀な人材が会社に定着しやすくなります。
会社が求める人材になりやすい
評価を通じてスタッフ自身の強みと弱みを明確にすることができます。 強みをさらに伸ばし、弱みを改善することで、スタッフを会社にとってかけがえのない「人財」へと成長させることができます。

何を評価する?

「評価すると言われても、何を評価すればいいのかわからない」という施設長も多いでしょう。
本来、会社に 「経営計画書」 があれば、それを基に評価項目を作るのが理想です。
しかし、経営計画書がない場合は、自分たちで作っていく必要があります。
とはいえ、難しく考えすぎる必要はありません。
むしろ、評価項目が複雑すぎると、運用が難しくなり、結局評価されなくなってしまいます。
まずは 「あいさつ」 など、社会人として基本的な項目から始めましょう。
次に、介護職員であれば 技術的なスキル を追加するのも良いでしょう。
さらに余裕があれば、施設長として 「こんな部下になってほしい」 という視点で評価項目を考えるのもおすすめです。
例えば、「主体性を持った行動をとる」などが考えられます。

どうやって評価する?

評価項目が決まったら、次は 評価基準 を作ります。
基準がなければ、評価することができないからです。
例えば、「あいさつ」の評価基準を作ってみましょう。
当社では 4段階評価 を採用しています。
5段階評価にすると、評価する人が無難な真ん中の3を選びがちになるためです。

【あいさつの評価基準】

  • 4(見本) … あいさつに一言付け加えられる

  • 3(高) … 笑顔でできる

  • 2(中) … 自分からできる。目を合わせる

  • 1(低) … 自分から挨拶できない。目線が合っていない

「こんな簡単でいいの?」と思うかもしれませんが、まずはこれで十分です。
大切なのは、評価を行うこと自体に大きな意味があるからです。
評価がないと、年功序列や入社順で給与が決まり、不平不満が生まれます。 だからこそ、まずはシンプルな評価から始め、少しずつ精度を高めていけば良いのです。


まとめ 評価基準表を作ってみる