【白血病】 極上イタリア🇮🇹絶品ピザ😋 (リンパ芽球性リンパ腫・白血病)(9)
遠い遠い異国でのお話。これが実話かフィクションかは、読者の判断に委ねます。(お決まりのシリーズ冒頭決め台詞🤣)
周辺に一つしかない、伝統のホテルの隣にひっそり佇むピザ屋さん。
ふらっと入ると、中は所狭しとめっちゃ高い立ち食いテーブルが数個あり、通路ほどの細さの店内を奥に進むと、木板っぽい壁の一部と化した横に多くて4、5人程度が座れるベンチと小さな高い机が2、3個並んでいた。
お相撲さん並みの体格のマスターが、セッセとピザを大釜で焼いている。例の巨大ショベルのような、先は50cm x50cmを超えそうな程大きなヘラのように平らな黒い板状のピザ釜からピザを出し入れする長〜い取手が付いたヘラのようなやつをかなり短く持っている。1mを超える真っ直ぐな丸い棒のように伸びた取手を、ショベルの先(ヘラの先)から30cmあるかないかの短さに見える短さで、ヘラ先に詰めて握っている。懐ろ近くでピザをヘラの上で回転させ、再び大釜に投入。何度も巨大ショベル・ヘラを前後に動かしてピザを取り出して回して入れ直しては、焼き上げる。
クルっと大釜を背に回転し、机ごとまな板に改造したような注文口脇で、どっかのピザショーのように、ピザ生地を手で皿回しのようにクルクルと宙で器用に回してもいる。
なんとも手際よく、皆の好みのオーダーしたピザを続々と焼き上げてはピザを出してくれる。次々と新しいピザを焼いては、注文を取り、それほど待たずに焼き立てのイタリアンピッツァが注文口から客に手渡しされる。
イタリアンピザは生地が薄く、巨体の男性客達は皆揃って、一人一枚を注文している。女性も一枚丸ごと注文。それをペロリと平らげる。
ピザも直ぐに焼けるし、客もすぐ平らげるから、店内はあんなに狭いのに回転がよくて並んだりはしない。(並ぶのは、忙しい時間帯のカウンターの注文口くらいだ。)
誰もが知る、町一番のイタリア人シェフのピザ屋さんは学生向けに厚い生地を板チョコのように5cm x5cm程度に細断された安い作り置きピザも大人気。
このピザ屋さんを知らない者は町にはおらず、誰しもが舌鼓を打つ人気の大繁盛のお店だった。
かく言う私も、友人達と幾度となく立ち寄った思い出多き素敵なお店。
私がICU個室にいる時、フィリピン人の掃除のおばちゃん¹ ²がとても陽気に話しかけてくれた。(病院で個室入院中、こういう会話に花を咲かせる機会は実にありがたい。)(注釈は文末)
この快活で痩せ型の肌ツヤのいい掃除のおばちゃんは第一声で「駅前のイタリアピザ屋知ってるでしょ?」と声をかけてくれた。
私が「え?あのめっちゃ美味しいお店?」と聞き返すと、
おばちゃんは満面の笑みを大きく浮かべる。
そして、おばちゃんは「そうそう。あの皆が知ってるお店、凄く美味しいでしょ?」と続ける。
私も何故、急にICUで初対面の人が嬉しそうかつ自慢げに駅前のピザ屋さんの話をしているのか分からずに、味と風情を思い出して、嬉しさと懐かしさに溢れながら、「めっちゃ美味しいですよね〜」と、相槌を打つ。
すると、「私の夫なの、あの店のマスター」と胸を張って、満面の笑みで目一杯誇らしげかつ自慢げにおばちゃんが言った。
私もびっくり!
「え? 嘘? あそこの?」
いや〜、本当に人ってどこでどう繋がっているか分からない。
それから毎日、私の部屋を彼女が清掃しながら、実に様々な会話に花を咲かせた😁
ちなみに、一時は敗血症になっていた私だが、いつしか回復傾向となり、回復していったとさ😆😉👍
今を大切に生きよう!
注釈
1) この地域では、ICUも無菌室も、必要ならばコロナ対応のような帽子に完全防備の全身ガウン(スーツ)、マスクと手袋でスタッフが入った。その中にウィルスも細菌もカビも殺す薬液をたんまり染み込ませたモップや布で床や壁を清掃してくれる掃除のおばちゃんがいた。
2) ここでのおばちゃんは、親しみやすくて陽気な女性に愛情を込めてその呼び方をしている。凄くお世話になっているのだから。
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