【人工呼吸器】水を飲める奇跡

何ヶ月人工呼吸器につながっていただろう? けど、コミュニケーション取れるまでに回復していたので、おそらくは数ヶ月。

ぼちぼち元気になって来て、いよいよ飲まず食わずなのが辛くなって来た人工呼吸4〜6ヶ月頃のこと。

父がお見舞いに来てくれていたので、水をねだった。

もちろん、最初は固く断られた。

それでも、あの手この手でねだり続けた。(口パクなので、多分直球で「水飲ませて」を時間差で連発したんだと思う。)

それでも頑なに断られたので、まぁしょうがないかと諦めた後、奇跡は起きた。

「そんなに水飲みたいの?」

多分、本当に目が輝き、全身で感激を現したんじゃないかな?

「うん!」

(うんは口パクでは伝えられないから、別の言葉でYES!!!と伝えた。

「一口だけだよ」

「うん」

「絶対に一口だけだよ。」

「うん。」

コップにチョコっとの水が注がれた。

正直、この時の水は現金一億よりも、金の延棒よりも、どんなダイヤよりも輝いて見えた✨

ほんの少しだけ。

舌を湿らすよりもちょこっとだけ多めに口に含んだ。

美味い!🥺😭🥺

ゴックンっ🎶♬♪♬

感激

感動

涙ナイアガラの滝状態。

実際には、ほぼ泣けない人なので、泣いてはないけれども……
号泣なみに感謝感激😊😭😊

この時以来、水を飲めることがどんなに幸せなことか実感するようになった。

ふとした瞬間、水を飲める状態の自分に、しみじみと「いや〜、本当凄いね〜」と思う時もある。

ふとした瞬間、「水が飲めるって幸せだね〜😊」と嬉しくなる時もある。

そして、この時から一番好きな飲み物は水になった。

今を大切に生きよう😊

追記1:
人工呼吸器が装着されている状態の人間を知っていたら、違和感があるだろう。
人工呼吸器を繋げる管(気管挿管チューブ)は気管切開して首に直接開いた穴から繋がっている状態です。
短期間の挿管で2週間以内しか人工呼吸器につながっていない場合には、口から管を入れるから、もちろん飲食は絶対不可能。
しかし、首に直に開けた穴からカニューレと呼ばれる管を入れると、気管にのみ管が入るので口からの経路が塞がれない。
通常、人工呼吸器が必要なほどの状態というのは、生死を彷徨っているか、呼吸に関わる筋肉が何かしらの原因で異常をきたしていることが多い。ほとんどの場合には麻痺だろう。そうでなくとも、その周囲の組織が関わる重篤な状態。
すると、飲み込み(嚥下)も異常がある場合が多く、ゴックンと物を飲み込めずに、気道内に飲食物が誤って入る(誤嚥)を起こしやすい。
回復して来ていたし、自分の唾を飲み込んでみて、本当に誤嚥しないかを入念に練習して確認していた。
大丈夫だとチェックし、加えて我慢の限界に達しており、主治医とも嚥下練習開始時期を話すタイミングだった。
事実、同日か近日中に主治医が病室を訪れた際に、「そろそろ飲み込む練習してみようか?」と切り出してくれた。
多分、主治医にも再三「水飲みたい」とねだっていたと思う。
追記2:
病院によっては、入院時の問診に「一番好きな飲み物はなんですか?」という質問がある所がある。多くの場合にこれは看護師さんが入院時に取る問診なのだが、その時に満面の笑みで「水❣️」と答えると大体疑われる。「良い子的な答えじゃなくて、本音でいいんだよ。本当は何が一番好きなの?」と聞かれる。
その後、「本当に水です。」
「いや、本当に大丈夫だから、本音では何が好きなの?」
何回かこのやりとりをした後、このエピソードを言って、「だから一番好きな飲み物は水です😊」と答えると、信じてもらえる。
ただ、よっぽど重要じゃない限りは、ただ手術で一回だけ入院という場面でそんなに必死に伝えようとはしないかもしれない。すると、「本当に水なんです。信じてください。」で疑いの眼差しを向けられたまま、あるいはおかしな人に向けそうな眼差しで見られながら、その場は和解っぽい感じで次に進むこともある。

私の本当に一番好きな飲み物は水です。

あなたは何が好き?

2022/11/28

これは2回目か3回目の人工呼吸器装着時のエピソード

3回目だとすると、6から8ヶ月くらい絶飲食か…… 半年も水を一滴も飲まないとか、想像できます? しかも、2回目人工呼吸してたのが6ヶ月、それが外せて、数日?週単位で時間あっただろうか? それで直ぐに3回目の人工呼吸器装着で8ヶ月。いや、本当凄い忍耐力。今の自分なら耐えられないな…… 昔の自分凄かったなぁ😊😆😁

しみじみとほっこりが入り混じる。

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