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ヒトと理性と人と
九條です。
昨夜、夢を見ました。
学生時代に受けた講義の夢。その夢の中では何の講義なのかは、はっきりしませんでした。先生の姿もぼやけていて何の先生だったのかもわかりません。ただ、大教室だったので一般教養課程(俗に言う「パンキョー」)の夢だったのではないかなと思います。
今朝、目覚めて、コーヒーを飲んでいて、かつてその大教室で受けた「哲学」の講義のことを想い出しました。
理性とは、人の感情の暴走を防ぎ、これを止め、何事に対しても冷静に論理的に物事を判断し、他人の心を深く思いやることのできる、おそらく人にしか備わっていない知的な能力だと思います。
理性を失った人は、感情が暴走し、思うままに人を憎み、思うままに暴言を吐き、他人の心情を慮ることなく行動します。それはもはや「人間としての人」ではなくて「動物としてのヒト」でしかありません。
理性というものは、ほんらい人にしか与えられていない天賦のものではあるけれども、それはさまざまな人生の経験によって磨かれ、鍛えられるものです。
若くても理性的な人もいれば、年寄りでも理性が働かない人もいることは確かで、やはりそれは年齢よりも経験が大事だと思います。
諸君は理性的であってください。理性を失うことなく生きてください。高度な理性を獲得してください。
人との付き合いでは、楽しいことも嫌なこともたくさんあると思います。それに一喜一憂することなく、それらはみな理性を磨くための修行だと思って、いろいろな経験をたくさん積んでください。
人としての心の豊かさや温かさ、それに伴う信頼、友情、愛情、そして人とのつながりは、みな理性から生まれてくるものなのです。
これは、いまから35年ほど前の「哲学」の講義のときに教授が言っておられた言葉です。
あれから35年…
昨今、理性を持った「人」が少なくなり、「ヒト」が増殖しているなと感じているのは私だけでしょうか?
©2023 九條正博(Masahiro Kujoh)
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