for you
ネットの海に流れる私を拾い上げてくれてありがとう。
どうかこれを読んでクスッと笑ってもらえれば、今の私にとってそれ以上のことはありません。
退職~今までの話
少し暗い過去から始まります。後半明るくなります。
今までちゃんと書いてなかったと思うんですけど、私2社目を退職したんです。
6月の中頃のことだったからもうあれから3か月経っています。
怖くて言えなかったんです。
復職に際して嬉しいコメントを残してくださった方を、静かに見守ってくれているフォロワーさんや気の置けない友人たちを裏切る形になってしまったのではないかと思って。
だから何でもないようなふりをしつつ、でも少しだけ心が弱っているサインを文中にちりばめて察してもらおうとしていたんです。
今思えばあなたたちを信頼しきれていませんと言っているみたいで自分のことながらひどいやつですよね。すみません。
でも二社目をやめた直後はもうおしまいだと思ってたんです。なにもかも。
仮におしまいじゃなかったとしても、もう疲れたなって。
自分のことが分からなくなっていたので(今もそうかもしれません)、敵味方の区別なんか当然わからなくて。
味方だと思っていたら実は敵でしたパターンを極度に恐れていました。
世の中には好き嫌いを超越した、相容れない存在がいるんです。んでもってそいつは見た目じゃ区別がつかないんです。
だから突然目の前で正体を現したりするんです。
「うつ病?俺はあんなのないと思ってるっすよ」
唐突に放たれた言葉だったので、正直一言一句を正確には覚えていないけれど、あいつが放った一言が私の心をくしゃくしゃにしたことだけは確かに覚えています。
知らない、わからないことを「存在しない」と定義してしまうような軽薄な存在を私は傍に置いておけませんでした。
まさか覚悟を決めて身を預けた二社目の企業に、しかもよりによって上層部にそんな吐き気を催すほどの邪悪が潜んでいるとは知りませんでした。
これもすべて私のリサーチ不足だったり、運が悪かっただけだったりするのはわかってるんですけど、わかってるんですけど。
もう全部うるせえなと思ってたんです。
世の中甘くないとか、それは入社前に確認できたことだとか、いくら苦しくても一年くらいは頑張るべきだとか。
傷口に汚い手で触ってくんなよ、化膿したらどうすんだよと思っていました。
でも思っていただけなんです。臆病だから言えはしないんです。
本音を隠したり、言わなかったりするから回復が遅いのかもしれません。
変に屈折しているところがあるので、弱っているときほど自分の力で何とかするべきだと意固地になったりするんです。
ただそれでも時間の経過によって少しずつ元気を取り戻して、そうして哲学や心理学の本を読むようになったんです。
また少しして読書の幅がちょっと広がって、エッセイだったり、短編小説を読めるようになってきた今日この頃です。
環境に恵まれた部分ももちろんあります。
私立高校・大学に通わせてもらったにもかかわらず、1年ちょっとで抑うつになり、ようやく復活したと思ったら3か月で再度ニートになってしまった私を見守り続けてくれる両親。
ニートにも笑える動画や好きな音楽を共有してくれる友人。ニートでも構わず当日に飲みや遊びに誘ってくれる友人。ニートなのに全然LINE返せなくても私が返したらすぐ返事をくれる友人。
本当に周りに恵まれています。
素敵なブログとの出会い
そしてそんな周囲に恵まれている私は先日素敵なブログに出会いました。
どれくらい素敵かというと
「読んだ私が嬉しくなったのなら、○○さん(著者)も嬉しくなってほしいと思いました。」
と心から思って伝えてしまうほど。そのことをもnoteにしてしまうほど。
危うくコメントの範疇には収まらないほどの文量を書いてしまいそうになるほど。
信頼と信用の違いは「そこに前提となる条件があるか否か」と最近読んだ本にありました。
そのブログの執筆者は会ったことはおろか、存在を認知してすらいないはずの私を過去から今にかけてずっと無条件に信頼してくれていたんです。
というか私がそう感じたんです。
素敵すぎて物語を書いてしまいました。
私は絶海の孤島に流れ着きました。
なのでとりあえずボトルメッセージを流しています。紙とペンは豊富な島でした。ボトルも砂浜に生える木にたくさん実っていました、良かった。
絶海の孤島とはいえ、多少の往来はあります。
私のボトルメッセージが届いてから定期的に遊びにきてくれる人、たまたま漂着した人、私がダイレクトボトルメッセージを送った友人、とかです。
彼らの存在はとても貴重で嬉しいものです。
ただすぐにみんな帰ってしまうし、たまにしか来れない時期もあるので寂しい日や孤独な夜もあります。
先日流したボトルが島に戻ってきました。
しかしよく見ると私が流したものではありません。形や色が似ているような気がしたので私のだと思ったんですけど。
「横見て!横!」
中の手紙にはそう書いてありました。
横ってなんだ?と思いつつも、手紙の通りに地平線をすーっと辿って横を見ていくと近くに島が見えました。
あれ、ここ絶海の孤島じゃなかったの?
どうやら向こうにもボトルに手紙を詰めて流し続けている人がいるみたいです。
顔も名前もわからないけど、ずっとそこにいたみたいです。
寂しい日も孤独な夜も、ずっとそこにいたみたいです。
嬉しくなった私はボトルメッセージをそっちの方向へぶん投げました。
絶海の孤島なんてはじめからありませんでした。
これくらい素敵なブログです。
素敵な書き込みとの出会い
そして今日は新しく本を二冊買いました。
これも素敵な出会いでした。
古賀史健『さみしい夜にはペンを持て』
太宰治『太宰治全集 1 』
太宰治全集 1 はブックオフで買ったのですが、本を選ぶ際に私はなんとなくページをパラパラと捲るんです。
捲っていると目次に書き込みがありました。
目次
晩年
葉
思い出
魚服記
列車
…
と左に続いていく目次の下の方に。
全然なんのこっちゃわかりません。が、恐らく魚服記に関する問いなんでしょう。ご丁寧に魚服記に丸までついてましたから。
そしてこれらの問いに答えたいと思いました。答えなくてはならないとすら思いました。
書き込みのない綺麗な中古の本もありましたが、私はもうこの本じゃないとだめになっていました。
鉛筆で書かれた文字は少し角ばっていて、筆圧はやや強めで。ひらがなは漢字よりも少し小さくて丸っこくて、男性なら真面目で寡黙な性格、女性ならちょっと強気で責任感ある性格って感じ。
この書き込みとの出会いを他のだれにも渡したくないと思い、別に誰も奪おうと思ってるわけでもないのに大事そうに抱えてレジに持っていきました。
最後に
ブログとの出会いも、太宰治全集1の書き込みとの出会いも、運命の出会いのように書きましたけど、別に運命じゃなくたっていいんです。
出会ったときの私が嬉しくて、それを書いてる私が嬉しくて、明日を生きる意味が二つ増えたことが嬉しくて。
なんか無性に嬉しいから普段家で飲まないのにビールまで飲んじゃった。
このビール、いつ買ったのかなって製造年月見たら2024.6だって。
それってちょうど二社目を辞めた頃だからきっと今日が飲み頃だったんだろうなって思ったらまた嬉しくなって。
そんな嬉しくなった私の一部始終を見て、少しでもクスッとしてくれたら幸いです。
ぶん投げたボトルメッセージ
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