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植物性タンパク質で心臓を守る!30年の研究で証明された効果

「お肉ばかり食べていませんか?」🤔

最近の研究*で、植物性タンパク質の摂取が心臓の健康に大きく影響することが明らかになりました.

*参考文献📖 Glenn AJ, et al. Am J Clin Nutr. 2024;120:1373-1386.

動物性タンパク質中心の食生活を見直し、ナッツや豆類など植物由来の食品を増やすだけで、心疾患リスクが大幅に減少する可能性があるのです.


1. 研究の背景


心血管疾患(CVD)は、日本でも主要な死因の一つです.

食生活の改善がそのリスクを減少させることは広く知られていますが、「どのタンパク質を摂取するか」によってもリスクが変わることが、ハーバード大学の30年にわたる研究で示されました.

2. 研究方法と対象者


この研究は、以下の3つの大規模調査データを用いて行われました.

Nurses' Health Study I (女性7万918人対象)
Nurses' Health Study II (女性8万9,205人対象)
Health Professionals Follow-up Study (男性4万2,740人対象)

研究参加者は30年間追跡され、タンパク質の摂取量と心血管疾患(CVD)の発症率が評価されました.

★タンパク質の摂取量の評価方法
・植物性タンパク質と動物性タンパク質の「エネルギー比率」を4年ごとに計測
・食事摂取頻度調査を基に、全エネルギー摂取量に対する植物性と動物性タンパク質の割合を算出

3. 研究結果:植物性タンパク質の心臓保護効果


30年の追跡調査の結果、以下の驚くべき事実が明らかになりました.

★植物性タンパク質の摂取比率が高い人は、心血管疾患(CVD)リスクが19%低下
★冠動脈性心疾患(CHD)リスクが27%低下
★タンパク質摂取量が多く、植物性の割合が高い人は、CVDリスクが28%、CHDリスクが36%低下

●特に効果的な食品例
 ・豆類(大豆、ひよこ豆、レンズ豆)
 ・ナッツ類(アーモンド、くるみ)
 ・全粒穀物(オートミール、玄米)
 ・種子類(チアシード、フラックスシード)

4. 赤肉・加工肉のリスクと代替食品


研究では、赤肉や加工肉の摂取が高い人では、心疾患リスクが上昇する傾向が確認されました.一方で、赤肉や加工肉を以下の食品に置き換えた場合、リスクが低下することも示されています.

 ・赤肉 → 豆腐納豆などの大豆製品
 ・ベーコンやソーセージ → ナッツ類
 ・牛乳 → オーツミルクアーモンドミルク

5. なぜ植物性タンパク質が良いのか?


研究者によると、植物性タンパク質には次のような健康効果があります.

1. コレステロール低下効果
動物性タンパク質は飽和脂肪酸を多く含み、悪玉コレステロール(LDL)の上昇につながります.

2. 抗酸化作用と抗炎症作用
豆類やナッツに含まれるポリフェノールやビタミンEが炎症を抑えます.

3. 食物繊維の豊富さ
腸内環境を整え、血糖値の急上昇を防ぎます.

6. 注意点と最適な比率


ハーバード大学の研究者は、植物性と動物性タンパク質の最適なエネルギー比率について次のように述べています.

理想的な比率:植物性タンパク質2:動物性タンパク質1
心疾患予防に効果的:植物性タンパク質1:動物性タンパク質1.3

まとめ


この研究から分かるのは、動物性タンパク質から植物性タンパク質への切り替えが、心血管イベントのリスクを大幅に減少させる可能性があるということです.

特にナッツ類や豆類など、自然の食品からタンパク質を摂取することが重要です.

ぜひ、今日から少しずつ食生活に取り入れてみませんか😆?

あとがき


健康的な食生活の選択が、将来の自分や家族の健康を守る一歩になります.

毎日の小さな変化が、心疾患のリスクを減らし、より良い生活の質へとつながります.

まずは「肉の量を少し減らして、豆やナッツを増やす」ことから始めてみましょう😊

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No.28@呼吸器内科医
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