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「指先のひとりごと」-詩―

わたしの 指先
あなたの つややかで
熟れた 桃のような 
唇の感触を ハッキリ 覚えている

わたしの 指先
ブランコの影が 長く伸びた
夕暮れの 公園で
あなたと 結んだ
指切りを 忘れない
目と目を みつめての
固い 約束だった


わたしの 指先
冷たく 細かく降る 雨の中
落とした涙を 拭った
あなたの 木綿のハンカチの
ほのかな ぬくもりを 
忘れない

わたしの 指先
あなたの手紙の 文字を 
幾度も なぞる
夕焼けのような 陰りのある文字は
音符のように 「さよなら」を
歌っている


(2022年作品のリライトです)
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立山 剣
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