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「そりゃあ いかんぞなぁ」―詩―
冬の釣り
冬風が 冷たく飛び交う川岸で
坊やと父さんは 釣り
陽はあたたかいが 風が強い
浮きもすぐに 流される
「ねぇーー まだぁーー」
5分ごとに 坊やはいう
「全然 釣れないね.…
何事も 辛抱 辛抱」と
苦笑いの とうさん
「さかなさぁーーん ここに
おいしい おいしい あるよぉーー」
坊やの高い声は 川面を揺らす
「父さん 場所 変えようか??
あっちの 柳の下 いいかも!」
「もう 3度も場所 変えてるよ
どこで 釣っても同じだよ」
ふと 父さん気づく
「あれ 魚のエサがなくなってる
{お芋の特性手作りエサ}なんだよ・・」
坊やは 少し斜め上の空みていう
「おいしかったから ボク たべちゃた」
そりゃあ いかんぞなぁ。。。
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定年退職日
お父さんは 今日が
定年退職日
長い間の 宮使(みやづかい)も おしまい
思い返すと 山ばかりが
多かったかも・・・
夕方 同じ部の皆が 周りにきて
「長い間 お疲れ様でした」と
慰労の言葉」
誰にも いつかは 来る瞬間だ
「今晩 終わってから
送別会しましょうよ」と
何人かの部下からの 呼びかけ
近くの 小さな飲み屋で
飲めないお酒を のんで
最後の宴会を しみじみ
家に 帰ると
奥さんが 怒った顔でいう
「遅すぎる 何してたの!!
家族皆で {お父さんのご苦労会}するって
ご馳走作って 待ってたのよ!!
もう 待ちくたびれて みんな
寝ちゃったわよ」
そりゃあ いかんぞなぁ。。。
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貧乏で小さな国
ちいさな極東の 国が
広大で 資金力 軍事力のある大国
2ケ国と 戦(いくさ)した
開戦前 自己での 「秘密裡の 机上演習」では
一度も この国が勝てたことは
なかったと いわれている
資源の大半を 輸入に頼っており
その輸入の道を 絶たれたことも
戦端を開いた一因とも いわれている
さかのぼる事 1904年ごろ
この国は 世界最大の強国と
戦争して 国の財政は 破綻寸前をみた
その体験が 色褪せぬうちに
世界の2つの大国と干戈を 交えた
そりゃあ いかんぞなぁ。。。
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