「泡の間に見えるあなた」詩―[炭酸刺繡　盛夏編]企画 応募作品

湘南の　海辺カフェ
あなたと二人で
海の見える席に　すわり
ボンヤリ　店内にながれる
サザンの歌に　耳を癒す
開け放たれた　窓からは
潮騒と海風が　こっそりと
入ってくる

幼馴染みの　ふたりだが
たわいない　喧嘩別れをした
そして　時は　容赦なく流れる
小町通りの　人混みで　
あなたの姿を　目に留めた時
心が震え　言葉を忘れて　
片手をあげるだけだった
ボクの目は　可憐な青い羽根で身を飾る
蝶のような　あなたにくぎ付けになった

カフェの　テーブルの上を
泡粒のような　会話が飛び交い
ジンジャエールの　泡の間から
ボクは　あなたの　細く輝く
顔を　みつめる
泡は　ツンツンと跳ね上がり
空中で　ハイタッチしながら
空へと　消えていく

サザンの歌が　あなたの心から
昔の二人だけの　思い出の景色を　
泡のように　浮かび上がらせる
カモメは　白い羽を　せわしなく
うごかして　自由刺繍で
波の飛沫と　泡を縫い合わせて
その景色を　再現しようとする

「今日は　新しいキャンパスに
二人の　未来図を　刺繡できると
いいわね」

あなたの　うつむきながらの　つぶやきは
ボクの中で　大きなうねり波となり
潮騒の音も　耳に入らない
サザンの夏を　自分も思い切り謳歌する！と
こころの中で　Vサインを繰り返す

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
Keiさんのおすすめで、藤家秋さん企画の　
炭酸刺繡｜盛夏編に参加させていただきました。
Kei　様ありがとうございます。
藤家様どうぞよろしくお願いいたします。

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