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双極性障害の不安と不穏

るりの自傷行為の告白の後、私は動揺の日々が続きましたが、医師からは「自傷行為は簡単にやめられるものではない」「カッターを隠しても買ってくるから意味がない」と言われました。「自傷を認めろ」と明言はされないものの、暗に見過ごせというようなニュアンスでした。

ただ、るりが自傷の告白をしてくれたことはありがたいことだったと思っています。それをきっかけにるりは少しずつ、以前よりも自分の気持ちを話してくれるようになりました。

不安と不穏があって、それは違う。」とるりは言っていました。
不安な時は、死ぬのがこわくてたまらない。こわくてこわくて、ブルブルおふとんの中で震えているだけで、動けないし何もできない。そういう時は自傷もしない。」
不穏は、もうどうにでもなれというヤケクソな気分。悪い考えに襲われて自傷しちゃう。何するかわからない。」

今、冷静に考えてみると、この「不安」は基本的に双極性障害の鬱状態で、「不穏」は躁状態だったのかなと思います。知識がなかったので、躁はハッピーでご機嫌でハイテンションな状態を指すのかと思っていたのですが、実は「不機嫌な躁状態」というのがあるのですね。過敏になり、イライラして怒りやすくなり、じっとしていられなくなるという躁の症状もあることを当時はわかっていませんでした。本人にはコントロール不可能な衝動的な気持ちになってしまうようです。

この二つを我が家では「ファンフォン」と少しかわいい名前で呼んで、「ファンフォン、去れー、去れー、二度と戻ってくるな!」などと言っていたのですが、その二つは全く違うものだし、そんなに生やさしいものではなかった。特に不穏は、死神のようにるりに付き纏い、るりの心身を傷つけ、私を恐れさせました。

るりは自身のnoteの中で「油断したら私が勝手に私を死なせてしまう」と綴っています。

双極性障害は、鬱よりも躁状態が怖いんだということを今は実感していますが、当時はわからず、単純に気分が上がってくればいいなと思っていました。

(写真:るりが入院中にベッドの上で作った折り紙)


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