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仕事については書かないことにしたけれど、
note を書くに当たって特段ルールは設けていませんでしたが、唯一、心に決めていたことがありました。
それは、仕事については書かないということです。
追懐程度であれば良いのですが、現在進行形の仕事の話は note の世界に持ち込みたくありませんでした。それは、note を書く理由の一つに「仕事とは無縁の場所を作ること」があったからかもしれません。仕事とも、プライベートとも異なる、自分の内側から具現化される新たな空間を創り出してみたかったのです(かっこつけ)。
それでも仕事について書こうと思った理由は至極単純で、今書いている記事が、思ったよりも時間が掛かりそうだからです。
最近、韓国の近現代美術を代表する画家・張旭鎭(장욱진/チャン・ウクジン)の回顧展に行ったのですが、綴りたいことが多すぎて纏まりません。美術館で購入した本とにらめっこしながら、夜の時間を過ごす日々です。
このままだと、あっという間に1月が過ぎ去っちゃう。
そこで手っ取り早く書けそうな内容が、仕事だったというわけです。
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◆今の仕事を選んだ理由
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人生は続くよ どこかまで
現在、私は翻訳の仕事をしており、日英・英日・韓日の分野で依頼を頂戴しています。何だか自分の職業を発表するって恥ずかしいですね。
――人生の迷路に迷いも迷い込んで久しい数年前のこと。仕事を選ぶにあたり、自分自身に問いました。
一生涯、お金や時間などのあらゆる制限から解放されるとして、何をしながら生きていたい?
その答えが「絵画と言葉とともに生きる」でした。
しかし、絵画と言葉に生きると宣言したところで、現実的にはお金を稼がずに生きるのは難しいわけです。展示会へ行くにも、絵画道具を買うにも、お金は必要です。
そこで、次はこう問い掛けました。
お金がどれだけ稼げるかは置いておき、理想の働き方は?
浮かんだのは「自由に働きたい」でした。
具体的に言うと、コンピュータ1台あれば世界中どこにいてもできる仕事で、休みたいときには休める、別の言い方をすれば、意思に反する仕事については断ることができる環境が理想でした。また、手に職をつけたいという望みもありました。これは、小さい頃から「職人」というやつに憧れを抱いていたからかもしれません。職人さんってかっこいいですよね。
ここから、もう1、2歩、現実に近づいて思考(志向)します。
今までの仕事の中で、理想の生き方と働き方に役立ちそうな経験は?
その中でも(できるだけ客観的な視点で見て)ある程度できるだろうと予測が付くものは?
それが、翻訳でした。
学生時代は海外に留学したため、翻訳は比較的身近でした。アルバイトもしましたし、卒業後は国際関係の仕事に就いたこともあって、翻訳は常に業務の一部でした。つまり、全く新しい分野ではありません。
最も重要なのは、翻訳家になればフリーランスで働くことが可能だということです。
コンピュータ1台あれば、場所は選びません。どう考えても、これ以上に自分の理想を叶え、尚且つ、現実に即した選択肢はありませんでした。
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◆失敗覚悟でとりあえずやってみた
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すべての理想を叶えるかのような仕事・・・。
しかし翻訳の仕事が魅力的だったかというと、決してそうではありませんでした。嫌いなわけではありません。ただ、過去の業務では国際協力・交流プロジェクトの企画・運営、ネットワークづくりの方が断然好きでしたし、苦労や納得いかないことも多々ありましたが、やりがいも感じていました。
うむ、どうしよう・・・。
やはり今までと同じ分野で働こうか・・・(後ろ髪引かれまくりんぐ)。
そもそも、フリーランスでやっていける保証はありません。組織に所属すれば受け取れるだろう保障も一切なく、安定からは程遠いです。
おっそろしいったらありゃしない(躊躇しまくりんぐ)。
それでも、その頃は失うものは何もないという気持ちだったので(現在も似たようなものですが)、とりあえずやってみることにしました。無理だったら、別の道を探せばいいだけのことです。
しかし運良く、翻訳家になると決めて2か月ほどで、ある翻訳会社と契約できることになりました。
学術論文を専門に扱う会社ということで、それまでは気づかなかった翻訳の魅力に惹き込まれ、(だいぶ端折りますが)今に至る次第です。
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