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詩と朗読

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自作の詩をまとめています。 #詩 #現代詩 #自作詩 #朗読
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#詩

空にとんぼ

空にとんぼ

世界中に烙印を押す音が響いている
正しい人でありたいのか
正しい人だと思われたいのか
その闇は深くて
正しい
をふるえながら放り投げてみる

誰も誰かが傷つくのを
見たくないのに
傷つけている人の傷ついたこころは
見えにくいから
オロオロしてる間に
弾丸が飛び交う

優しい人でありたいのか
優しい人だと思われたいのか
誰もが優しさを持っているはずなのに
互いに届けあえずにいる

正しさが激しさを増

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フラミンゴ

フラミンゴ

フラミンゴを見たかった
母が
とても綺麗だと
教えてくれたから

動物園のフラミンゴは
淡いピンク色で
少しオレンジがかっていて
長い華奢な足とダンスに
顔が開いた

動物園に行くたびに
フラミンゴを真っ先に見に行って
ふわふわした

今テレビで
赤い湖に
たくさんのフラミンゴ

ああフラミンゴ
ふっと
もう見とれない
自分に気づいて
宝物を無くしたよう

赤い湖のフラミンゴの群れより
柵の中の数

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空の巣

空の巣

果てしない空に
円盤みたいに浮かぶ巣があったなら
鳥たちは地上に降りずに休めるだろう

けど
水はないし
ミミズはいないし
木や大地にだって足をつけたいだろう

あなたたちの羽根を一本ずつ
私にくれませんか

そしたら
運びましょう
あなたたちに

そう
木の代わりに
私に止まってください

巣の中で
海を見下ろしながら
一緒に酒でも飲みますか
また
空を飛べるようになるまで

空を飛べるなんてい

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交感

交感

さわさわと流れ落ちる陽の中
少年がひとりまたひとりと
青ざめていった

さざ波も立てず
ゆっくりと息をひきとる細胞の
かすかな重みが流れ出す

少女の初潮が陽を浴びて
柔らかく膨らみ
頬がひとつまたひとつと
赤く染められていった

はしばみ色の目がふせられ
うなじの白さが
さらされていく

遮断された光が
屈折することで
たどり着くように
たどたどしく
少女は少年を採集した

細胞を手折る正直な指

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ふうりん

ふうりん

ダンスに浮かれて
青い悲しみを散らそう

輝く風に身をまかせて
凍える心を暖めよう

君が言った「限りなく闇に近い箱」を
見つけた時には
君の汗の匂いと
閉め切ったカーテンだけが残っていた

君が一人で去ってしまったので
僕は窓を開けたよ

君のにおいも 君の寂しさも
吹き飛んでしまうくらい
あっけらかんとした風が
吹き込んできた

窓辺に置かれた糸の切れた風鈴が
君の器用な指先で吊るされる日を待

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ミルクセーキ

ミルクセーキ

ミルクセーキを飲みませんか
かすれた声で
そう言うので
卵を割り
砂糖を入れ
牛乳を注いだ

赤いサクランボはなかったが
お盆にのせて持っていくと
もう事切れていた

ミルクセーキは飲まないの?
ーもう飲めないんだよ

サクランボがなかったから?
ーあぁ あの赤いサクランボ
  君は好きだったね
  僕は見てる方が良かった

夜が引き裂かれながら
明けていく

私はあたたかいタオルで
顔を拭き

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夕餉

夕餉

あいみての
あたしみての
あしもとのいしの
だれでもなさと
あんただけの
顔つき

迷い石のコロコロ
砂味のコンペイトウ
いっそ ほろ苦く響けばいい
冬のコオロギみたいに

あの子が欲しい
この子はいらない

声の反響が
ちっぽけになった

食卓で
生き物を
飲み込む

つぐんだ口に
棒でグイグイ
入れていく

口は徐々に開いていく
歯に 舌に 喉に
生き物が通り過ぎる

あたしだけ だもの
あた

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おかさんと土

おかさんと土

こんこんと眠るおかさんを見て
死んでしまったのじゃないかと
おびえてた頃

雨上がりの工事現場の
大きな穴に
柔らかいチョコレートみたいな
土がたまっているのを見つけて
思わず飛び込んだ

靴下まですっぽりはまって
そのまま裸足になり
夢中で 土の香りと
なめらかな粘りのある
その肌触りを楽しむ
足指の間 ひんやりと
抜け目のない土が
隙間にすべり込んでくる

周りは土の壁
誰か通りかかると思って

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カーネーション

カーネーション

京都の横断歩道で雨に降られていた
人並みに押されて歩き出したとき
一本の赤いカーネーションが落ちているのを見かけた
「かわいそう」とうつむく私に
お姉ちゃんは怒ったように
「仕方がないの。行くわよ」と言った

きっとお姉ちゃんもそう思ってたのに
立ち止まろうとする私を
かばったのだ

私はカーネーションを拾わなかった
すぐにしゃがんで拾えば
お姉ちゃんは怒らずに済んだのに

カーネーションは雨にぬ

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雨のいきさつ(5W1Hのつぶやき)

雨のいきさつ(5W1Hのつぶやき)

冷水を浴びせかけられ
びしょびしょのグー
小指から開くと 小さな傘があった

「何故」と問うには細心の勇気が必要だ
「どうして」に至ってはよく咬んで生殺しにする

「誰」かの「何時」かと重なる事を求めたり
傘をすぼめて首をねじったり

「如何」に生きるか迷走する私の中心で
水を恐れる傘が くるくる回る

賢治が願った人のようにはなれないと
傘をたたむたび
自分に「だれ」っと寄りかかる

雨粒が激し

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始まりの詩

始まりの詩

自己紹介がわりの短い詩です。

おずおずと詩を書いている
おめおめではもうない
頼りなく力足らずで
それでも ただ書いている
息がすぐ切れてしまう
飛ぼうとして着地を失敗してばかりいる
そんな詩を書いている
私らしい詩

朗読はこちら
https://stand.fm/episodes/60f62bd950854f000694cbeb