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ミルクセーキ

ミルクセーキを飲みませんか
かすれた声で
そう言うので
卵を割り
砂糖を入れ
牛乳を注いだ

赤いサクランボはなかったが
お盆にのせて持っていくと
もう事切れていた

ミルクセーキは飲まないの?
ーもう飲めないんだよ

サクランボがなかったから?
ーあぁ あの赤いサクランボ
  君は好きだったね
  僕は見てる方が良かった

夜が引き裂かれながら
明けていく

私はあたたかいタオルで
顔を拭き腕を拭き
ゆっくりと
あなたの形をたどっていった

床にタオルを置いて
足の親指をつかむ

渇いていくの?
ー砂になるからね
  太陽が近いんだ
   
どの辺り?
ーさっき金星を通り過ぎた

随分早いじゃないの
ー太陽からの光は8分で地球に着くんだよ

その瞬間
太陽が顔を出す
私は顔を火照らせながら
ミルクセーキを
つーんと飲み干した

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