香澄 海
自作の詩をまとめています。 #詩 #現代詩 #自作詩 #朗読
2023年5月21日の文学フリマ東京36で連れて帰って来た作品の感想など書いています。
詩のことをぼんやり考えて書いたものをまとめています。時々、つぶやきます。
詩作品
世界中に烙印を押す音が響いている 正しい人でありたいのか 正しい人だと思われたいのか その闇は深くて 正しい をふるえながら放り投げてみる 誰も誰かが傷つくのを 見たくないのに 傷つけている人の傷ついたこころは 見えにくいから オロオロしてる間に 弾丸が飛び交う 優しい人でありたいのか 優しい人だと思われたいのか 誰もが優しさを持っているはずなのに 互いに届けあえずにいる 正しさが激しさを増す 遠くの難民キャンプで 少年の腕に印がつけられる 死んだ時わかるように 目の
フラミンゴを見たかった 母が とても綺麗だと 教えてくれたから 動物園のフラミンゴは 淡いピンク色で 少しオレンジがかっていて 長い華奢な足とダンスに 顔が開いた 動物園に行くたびに フラミンゴを真っ先に見に行って ふわふわした 今テレビで 赤い湖に たくさんのフラミンゴ ああフラミンゴ ふっと もう見とれない 自分に気づいて 宝物を無くしたよう 赤い湖のフラミンゴの群れより 柵の中の数羽のフラミンゴに 圧倒され だんだんと 熱が冷めていく私から 消えていったものの
果てしない空に 円盤みたいに浮かぶ巣があったなら 鳥たちは地上に降りずに休めるだろう けど 水はないし ミミズはいないし 木や大地にだって足をつけたいだろう あなたたちの羽根を一本ずつ 私にくれませんか そしたら 運びましょう あなたたちに そう 木の代わりに 私に止まってください 巣の中で 海を見下ろしながら 一緒に酒でも飲みますか また 空を飛べるようになるまで 空を飛べるなんていいなと 人間は言うけど 空は渦巻く風のなかで 一瞬も気を抜けない 羽ばたくのを
この詩集には透明な輪郭線をなぞる不思議な疾走感がある。繰り出される言葉の波の中で私は時々立ち止まったり、気になるフレーズをノートに書き写したりしていた。ノートは10ページになった。 詩集を閉じてから、私はノートを最初から読み返してみた。すると、そこには私が受け取った詩集の核のようなものが現れていたので、おもしろかった。 例えば、冒頭の四つの詩から書き写したものを並べてみるとこうだ。 作者は「絶望していろ、バーカ」と書く。それは強烈な言葉を使った言い回しで、強い意志を感じる
全13篇の詩は、この「ひなの巣」を舞台に綴られている。冬から始まり初夏を経て新しい年まで、季節のうつろいとともに「ひなの巣」に集う人々の何気ない日常の一コマ一コマ。読み進むにつれて、頭の中に「ひなの巣」が徐々に形づくられていく。 印象的なのは、どの詩にも「ひなの巣」の説明があって、それはいつも「ひなの巣」が「ふきよせ」を作る部署だということなのだが、まるで食事をする際の箸置きのように、あるべき場所に置かれていることだった。「ふきよせ」というのは、調べたら色とりどりのお菓子を
多彩な詩やエッセイなどが集められている「抒情詩の惑星」に「詩とわたしー2023.2現在」という文章がUPされました。恥ずかしながら今の等身大の私と詩にまつわることを書きました。 良かったら、読んでみてください。 こちらからどうぞ↓
詩人の峯澤典子さんがツイートで 「私がこれから写したいのは光と翳の境目ではなく。あかりとあかりの間の微かな差。消える前の」 と書いてらしたのを読んで、私は強い光と暗い翳に翻弄されている自分の狭さと浅さを改めて感じた。 SNSに現れる強い主張や荒い言葉づかいに知らぬ間に侵食されてるよなぁと空恐ろしくなっていたこの頃なので、このツイートに感じ入ってしまった。深く観察することの大切さと難しさ、そしてそこから生み出される詩空間。あぁ、私もそういう詩を読みたい、そして書けるようになり
毎朝早く起きて朝食前に、詩を書き写している。詩を味わうための方法の一つとしてやろうと決めた。ただ読むだけでなく、手を動かして書いていくことで、言葉と言葉の連なりが時間差で入ってくる。私は割と上滑りな活字の追い方をしてしまうので、この方法でじっくりと読むことができるようになった。まあ、時間がかかるというデメリットもあるけれど、一つの詩に向き合う時間は充分取りたいと思っている。もちろん、全ての詩をそうやって読む訳ではない。対象は、私がこれまで食わず嫌いだった詩で、時間をかけて読
さわさわと流れ落ちる陽の中 少年がひとりまたひとりと 青ざめていった さざ波も立てず ゆっくりと息をひきとる細胞の かすかな重みが流れ出す 少女の初潮が陽を浴びて 柔らかく膨らみ 頬がひとつまたひとつと 赤く染められていった はしばみ色の目がふせられ うなじの白さが さらされていく 遮断された光が 屈折することで たどり着くように たどたどしく 少女は少年を採集した 細胞を手折る正直な指 その柔らかさに 抗えず 透明な溶液のなかで 少年は年老いていった 何度めかの
Japan UK Poetry Exchange TOKYO 楽しかったぁ〜 UKの詩人が世界を回って詩を朗読されているそうで、今回は日本の詩人とのコラボを始め、10組の朗読パフォーマンスが繰り広げられました。 出演は以下の通り Steven J. Fowler × ふくだぺろ Colin Herd × 吉田恭子 文月悠光 × 橘上 新井高子 × Kendall Heitzman 大崎清香 × 小磯洋光 岡本啓 × RiKey Littleforest 奥間埜乃 × 小野絵
わかる、わからないという分け方は良くなかったな。そうじゃないな。 入ってくる時と、そうじゃない時があるってことを言いたかった。 私に詩が入ってくる速度は、早かったり遅かったりするから。 読んだ途端にするっと来るときもあるし、詩集1冊くらい読まないと入ってこないときもあるのです。
詩を書いている人はどのくらい現在活動されている詩人さんの詩(詩集)を読んでいるのだろうか。 実は、私は今まで、そんなに読んでこなかった。一つにはどの詩集を読めば良いかわからなかったこと、もう一つは詩集を買える余裕がなかったこと、そして読むのが極端に遅いこと。だから、知り合いの詩人さんたちの朗読を聴きに行ったり、詩集をちょこちょこ読んでいたに過ぎない。 けど、心を入れ替えて、できるだけ毎日詩を読もうと思い直した。そのきっかけになったのは、去年の現代詩手帖10月号の峯澤典子さ
わかる詩とは言っても、100%わかってしまうと、逆につまらないわけなので、未知な部分が少しだけあるのが好きだったんけど、最近では、未知だらけの中に、胸にくる1行2行を見つけた時のワクワク感に目覚めつつある。
ダンスに浮かれて 青い悲しみを散らそう 輝く風に身をまかせて 凍える心を暖めよう 君が言った「限りなく闇に近い箱」を 見つけた時には 君の汗の匂いと 閉め切ったカーテンだけが残っていた 君が一人で去ってしまったので 僕は窓を開けたよ 君のにおいも 君の寂しさも 吹き飛んでしまうくらい あっけらかんとした風が 吹き込んできた 窓辺に置かれた糸の切れた風鈴が 君の器用な指先で吊るされる日を待っている ひとりぼっちでどこかを歩いている君 かじかんだ心に 真夏の太陽が照り
今日も詩を読んでいる。ドキッとするフレーズにも出会えた。他にも欲しい詩集があるのだが、ちょい本を買い過ぎたので我慢する。うぅ。