食べ方を変えれば心も体も変わる…食の本⑦
食は本当に深いもの。栄養素を単に取ればいいということでもなく、お腹が満たされれば何でもいいということでもなく、添加物を避けていればいいということでもなく、これも育児同様、正確な答えのない世界だと、学べば学ぶほど、そう思うようになりました。
それだけに、食にまつわる本を読みつつ、実際に「これはどうだろう」「これは違うな」と自身で試行錯誤し、試しながら食と向き合う日々です。私にとってAが良くても、誰かにとってはAよりBが良いということもあるでしょう。だからこそ、自身で試すしかないのかもしれません。
今回紹介する食の本は、栄養素や美味しい作り方、何を食べたらいいといった観点で書かれた本ではなく、食べ方について書かれたもの。精神面と肉体面の両方に働きかける「食べ方」をレクチャーしており、実際に自身で試すことができます。
今までなら、コンビニや外食や添加物満載のものは、あまり取り過ぎないほうがいいといった類いの本をたくさん読んできましたし、実際にその手の本がたくさん世の中に溢れています。でも、小倉朋子・著「私が最近弱っているのは毎日「なんとなく」たべているからかもしれない」(文響社)は、それらとは違う観点で書かれた食の本です。
小倉さんは、幼少期から両親の影響で食に関するあらゆる影響を受けながら食やマナーについて学び、食オタクになったとか。現在は、フードプロデューサーとしてメニュー開発だけでなく、世界各国の正式なテーブルマナーや食文化、生き方を整える「食輝塾」を主宰するほか、ダイエットコンサルタントとしても活躍される、食のスペシャリストです。
そんな小倉さんは〝おいしい食べ方が心を強くする〟といいます。美味しい食べ方とは「忙しくてコンビニでパン一個しか買えないときも、自分が一番食べたいパンを買って、ありがたいと思って食べる。たとえパン一個でも、一食一食「おいしいな」と向き合いながら食べるだけで、確実に元気が出てくるのがわかります」と。
要するに食への敬意を持つことが大切ということですね。さらに、「おいしい」ものを自分に与えているという意識が、自己肯定感を高めてくれる実感も得られるというだけに、食べ方や食べるときの意識の持ち方というのは侮れません。また、食べ方を変えることで、ダイエットもできると断言されており、その具体的な方法も本書では教えてくれています。
「幸せになる食べ方のルール」(Gakken)では、「帰宅が遅く、晩ご飯が不規則になってしまう」「晩酌時に飲み過ぎてしまう」「一人暮らしで野菜不足が心配。どうしたら野菜を毎日たっぷり食べられる?」といった、あらゆる食の悩みに回答した本です。
食輝塾の生徒さんが実際に実践されて、どのように変わったのか…についても載っていますので、食にまつわる悩みがある人の参考になる一冊です。
振り返ってみれば、若い頃は特に、単にお腹を満たすためだけに食べるエサ食いばかりしていた私。今でも時間がもったいなくて、忙しくてながら食いをしてしまうこともあります。
そんなとき、この本が目に入ると「おいしく感謝して食べよう」と、思い直すのです…。実際に、無感情で食べていたときの私は、病気ばかりしていました。そこから食に興味を持ちはじめ、学ぶようになったのですが、ここでまた問題が。
栄養云々ばかり優先して、おいしいとか感謝して食べるといった気持ちが後になってしまっていたのです。おいしく食べられなければ、栄養素の吸収率も下がることは科学的にも証明されいます。知識で食べるのではなく、心で食べることを忘れていたなと反省しました。
ちなみに、食は環境とも関係しているので、勉強していくと環境問題にまで意識が発展し、食と環境についても発信したいな…と考えるようになりました。
今夏も全国的に猛暑になるとのことなので、やはり環境のためにできることを微力ながら発信していきたいなと思っています。食は深い…ですね。
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