Love the PTA Toshi Inuzuka

最近「本格的に文章修行しようかな」と心得違いなことを思い出した兵庫県神戸市在住の60代の非正規雇用労働者。オス。 主に小説を拝読。親愛コメントを放つ場合あり。音楽好き。基本、作品には音楽動画を載せてます。作品の不出来を名曲でカバーする派。PTAは学校関係なし。自分でも謎。

Love the PTA Toshi Inuzuka

最近「本格的に文章修行しようかな」と心得違いなことを思い出した兵庫県神戸市在住の60代の非正規雇用労働者。オス。 主に小説を拝読。親愛コメントを放つ場合あり。音楽好き。基本、作品には音楽動画を載せてます。作品の不出来を名曲でカバーする派。PTAは学校関係なし。自分でも謎。

マガジン

  • ケケケのトシロー

    うだつのあがらないサラリーマン人生を終え、現在は時給1070円で働くトシロー。家族は妻と娘が二人。収入が減少してますます家庭の中での存在感をなくす一方で彼は小説家を目指すも、才能もなく日の目を見ることはない。正義感はあるけれど気が小さく言いたいことも言えず、腕っぷしは勿論、最弱。自分を、世の中を変えたいと思う彼の前に一人の風変わりな男が現れた。彼によってもたらされた能力はトシローを徐々に変えていくが、その中で自分自身の欲望とも対峙する。一歩間違えれば悪になる。さてケケケのトシローは善か悪か? 週一回程度の公開を予定。ちょいアダルト表現もあり。若干バイオレンスあり。お笑い要素はふんだんに。痛快娯楽作品。タイトルから連想される有名妖怪漫画には一切関係がありません。水木先生の『水木』は兵庫県神戸市兵庫区内水木通からきてるの知ってますか? (関係ないやろ…… 自分で言うとってからに……)

  • 毎週ショートショートnote参加作品まとめ

    たらはかにさん主催の毎週ショートショートnoteに参加させていただいた作品をまとめています。表お題、裏お題共。SS修行のすべてを晒しています。 SS本来の決まり事なんかは無視してる作品もありますが私の文章修行の歴史であります。中にはキラリと光る作品があると信じて。

  • 世界はここにある

    初めての長編小説に挑戦中です。 週1~2回UPしています。 ある日謎の子供の集団に遭遇した高山英人。そこから彼は世界の裏側を知ることになり、そして自分自身が密接に関わっていることを知る。 世界は予想もしない方向へ動き出している。その先にあるものは未来なのか破滅なのか。

  • 花枝さん

    花枝さんは私の職場の最年長パートタイマーだ。 職場内での出来事を通じて知る花枝さんは、仕事には厳しいがどこか天然でそして魅力的な女性だ。これは私が書く花枝さんへのラブレター。

  • 走れ!走れ!オレたち

    連載していた「走れ!走れ!オレたち」をマガジンにまとめました。 30分もあれば全部読めます。 肩の凝らない暇つぶし作品。それでも愛は残ります。

最近の記事

  • 固定された記事

月の繭 

 (本文3994文字 ルビ含まず)  病院のベッドに二日間、俺はいた。    警備員の仕事中に熱中症で倒れ、救急車で運ばれて入院したのだ。幸い、それ以上には悪化することはなく退院の許可が出た。この病院は俺が住む町とは結構離れているが、俺に家族はなく迎えもない。暑いさなかを避け、夕暮れ近くに一人で退院をした。  駅を目指しておぼつかない足取りで歩いていると、見知らぬ公園が現れる。常緑の大きな枝を張った木が存在感を示す間口と、どこへ抜けていくのか分からないような奥行きがあった

    • ケケケのトシロー 18 

      (本文約2500文字)  あれから三日が経つ。マンションの共用廊下から見える不帰橋界隈は黒い雲の傘の下で、町全体がグレーに見える。真由美の知人が何人かあの町にいるらしいが皆、身体の調子がおかしいそうだ。真由美は季節の変わり目だし天気も良くないせいだろうと電話で喋っていたけれど、俺は悪霊が動き出したのではないかと思っていた。TVの天気予報では局地的に雨雲が居座っていると、気象予報士が首を傾げながら話していた。  そのうちキダローやフキさんや瀬戸内海先生がそいつらを退治してく

      • 放課後ランプ 毎週ショートショートnote

        暮れなずむ学舎を僕は見つめていた。 いずれ彼女は現れる。ユニフォームから制服に着替え、髪を纏め直し、友人達と笑顔で出てくる。 僕は彼女の前に進み出る。多分僕を見てはにかむだろう。 側の友人は僕と彼女を交互に見ながらも少しずつ後ずさりする。微笑みながら。 僕は彼女だけを見つめる。深呼吸をひとつ。そして言うんだ。 「僕を信じて」と。 そう願ったんだ。それだけを。 彼女が現れた。仲間と共に。 僕は前に歩み出た。友人達は微笑みながら後ろへ下がる。 彼女は驚いた様子で僕を見る

        • ケケケのトシロー 17 

          (本文約3500文字) 「先生、何があったんですか。ベストセラー作家が急に出家されてしまったのもビックリしましたけど、まさか先生がキダローはんと一緒に悪霊退治やなんて」  瀬戸内海先生は唇を一度かみしめたあと、堂の天井を見上げる。キダローは茶を飲み干し、茶わんをじっとっ見つめていた。沈黙が流れる。そこには苛烈な戦いであったろう過去の映像が蘇っているように感じた。 「私が『悪鬼の舞』を書き上げたときにそれが始まったの……」  先生は著書の最初の頁を読むように話し始める。『悪

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        • ケケケのトシロー
          19本
        • 毎週ショートショートnote参加作品まとめ
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        • 世界はここにある
          56本
        • 花枝さん
          9本
        • 走れ!走れ!オレたち
          11本

        記事

          トラネキサム酸笑顔 毎週ショートショートnote

          「貴様らのような者に我々が対等に接すると思うか!」 「女王様、せめて命だけはお助けを」 男女7人のクルーは宇宙で遭難し未知の惑星に不時着。彷徨い捕まった後、惑星の女王に命乞いをする。 「我々の言葉が理解できることは褒めてやる。しかし貴様らの身なりを見れば所詮下等な生物であることは歴然!せいぜい私の暇つぶしに何か芸でもやってみなさい」 彼らを取り囲むこの星の住人は皆、冷笑をあびせた。 「女王様。ではせめて献上品で命乞いをさせてください」 「何を差し出す」 「こちらを、これは

          トラネキサム酸笑顔 毎週ショートショートnote

          皆さんお元気でしょうか? ちょっと仕事が忙しくなり読みや投稿ができてません。 暫くは夜逃げ状態ですが、また、何食わぬ顔で作品をUPしますので「あのウ〇コジジィ、死んだか?」とかデマを流さないようお願いいたします。 なるべく早めに次の記事UPします。皆さんのも読みに行きますので。

          皆さんお元気でしょうか? ちょっと仕事が忙しくなり読みや投稿ができてません。 暫くは夜逃げ状態ですが、また、何食わぬ顔で作品をUPしますので「あのウ〇コジジィ、死んだか?」とかデマを流さないようお願いいたします。 なるべく早めに次の記事UPします。皆さんのも読みに行きますので。

          オバケレインコート 毎週ショートショートnote (『ケケケのトシロー』スピンオフ作品)

          人間世界に忍び込み恐怖支配を企む悪霊たちは、立ちはだかるケケケのキダローとその弟子トシローにどう戦いを挑むかを考えていた。 「やはりあのケープと錫杖の法力は手ごわい。我らの力では苦戦は必至。あれに対抗する悪魔の兵器が必要だ」 悪魔王は開発を命じた。できたのはケープに対抗してのオバケレインコートだった。 「なんか二番煎じ感が」 悪魔王は難色を示す。 「それはこのコートの悪霊力を確かめてから」 「どんな力がある?」 開発担当は自信を持って語り出した。 「これを着た人間は全て悪に

          オバケレインコート 毎週ショートショートnote (『ケケケのトシロー』スピンオフ作品)

          ケケケのトシロー 16 

          (本文約2740文字)  瀬戸内海小豆先生は言わずとしれた大作家である。数多くの文学賞を総なめにし、女流作家として日本文学界をリードしてきた大作家だ。三年前急に出家してその執筆ペースはぐんと落ちたが、今も出せばベストセラーは間違いない。そう言えば出家されてから新作は出ていないが……  「先生、私、先生のご本はたいてい読ませて頂いてます。一番好きなのはやっぱり『花に聞け』です」 「いや~ん嬉しい~。サイン書きましょか? ケケケ」 「あ、今度、本、持ってきますから頼みます」

          ケケケのトシロー 16 

          ケケケのトシロー 15 

          (本文約2300文字)  キダローはカズを呼び戻したあと、またゴソゴソと長持の中を探り、ほぼ薄茶色に変色している『さらし』を一反取り出した。端部を掴んで部屋の隅からボウリングの球を投げるようにして放ると、それは玄関まで道を作るように伸びた。 「何を始めるんです?」俺の問いにキダローは答えず、持っていたさらしの端を錫杖に結びつけた。 「お前ら、真ん中へ来い」キダローが俺とカズを部屋の中央部に集める。キダローも部屋の中央にくると呪文を唱え始める。 「オンアリキャ…… ソワカ…

          ケケケのトシロー 15 

          深煎り入学式 毎週ショートショートnote (含む福島応援)

          「いや~今年の入学式は素晴らしかったですな~校長」 「感動的だったねぇ~、君の司会進行も良かったよ。教頭」 「卒業生のビデオメッセージが良かったですよね~。特に今、世界で活躍する彼がメッセージをくれるとは思わなかったですし」 「おお、あの事件で「あー終わった」と思ったもんなあ~。けど、まさかのビデオに親も新入生も歓声があがってたよね」 「いや~卒業生に有名人がいると盛り上がりますよね~。けど、忘れちゃいかんのはやはり校長の新入生への言葉ですよ。感動っちゅうのはああいうスピー

          深煎り入学式 毎週ショートショートnote (含む福島応援)

          ケケケのトシロー 14 

          (本文約2560文字) 「さあ、こっちへ来い」  キダローは俺とカズを例の物置の中へ手招きする。カズは初めて来るこの場所に興味津々の様子だ。 「靴は脱がんでええ」土足のまま框をあがったキダローは俺達にもそうするように促した。前回に来た時よりも荷物がかなり減っているように見える。   あの時、俺がケープで長持やらなんやらを部屋中にひっくり返してしまった時は足の踏み場もないほどだったが、今は綺麗に整理されていた。 「ここはキダローの旦那の家ですか」カズが鼻くそをほじりながら

          ケケケのトシロー 14 

          風が運ぶイチゴ #青ブラ文学部

           (本文約3100字)  昭和40年代。これはとある町の、とある子どもたちの話である。 「なあ、大丈夫?」 「今日は工事ない。昨日聞いたから」 「いくか」 「おっしゃ~」  ケイスケ、ヒサシ、トシローの三人は公園を出発する。  春。新学期が始まる前の休み。三人はこの日、以前から準備を重ねていたある重大な計画を実行するために集まったのだ。  この町には小さな川が流れていて、いくつかの橋が架かっている。しかしそのうちの一つは木造の橋で人しか通れない。それも老朽化により付け

          風が運ぶイチゴ #青ブラ文学部

          命乞いする蜘蛛 毎週ショートショートnote

          そんなところで花見をされたら皆に迷惑です。 アパートの敷地の桜が見事な花を咲かせた。道行く人はその姿にしばし表情を綻ばせる。住人である我々も楽しみにする季節だ。 しかし、しかしだ。 向かい側が更地であることをいいことに、花見を始める輩がいた。そこは私有地ですよ。公園とかでもありません。ダメですよ。 「ちょっとくらいいいでしょ。すぐ帰るから」 「ダメでしょ。地主さんの許可も……」 「ここウチの土地で」 「ああ、そうですか……」  文句は言えないか。でも、なんかなあ。

          命乞いする蜘蛛 毎週ショートショートnote

          ケケケのトシロー 13 

          (本文約2500文字) 「権藤会言うたら、大きな反社のとこやろ? カズ君もそこにおるんか?」 「いや、わしはササキの兄貴の使い走りですさかい。ササキの兄貴はサトーの兄貴の盃もうてましたけどね。わしは直接関係ないんですわ」 「ほな、君はヤーさんとちゃうねんな?」 「ちゃいます。わしはカタギです」  ほんまかいな。やってた事は反社そのものやがな。俺をボコボコにしたし、金、取られるし…… あ。 「カズ君、話変わるけどな。この前のスーパーのおかずのお金やけど」 「へ? なんです?

          ケケケのトシロー 13 

          桜回線 ② 毎週ショートショートnote

          「貴方がいてくださるなら、わたくしも必ず」 「私がその約束を違えることはない」 「わたくしも」 「もっと近くにそなたの香りで私を包んでおくれ」 「手を伸ばしわたくしを愛でてくださいませ」 「そなたを手折ってしまいたい」 「それはなりませぬ。わたくしは……」  恋しさに男は八重の花弁が付く一枝を勢い手にしてしまった。 「なぜ、手折ったの? なりませぬと申しました」 「そなたをずっと抱いていたいのだ、このまま連れてゆきたい」 「わたくしはずっと貴方のものだったのに……」  

          桜回線 ② 毎週ショートショートnote

          Moon River   (NN様企画参加作品)

          (本文約5400文字)  月面着陸船MR5は周回軌道の母船より離れ、着陸下降用エンジンをスタートしようとしていた。その時、着陸船に周回軌道上の宇宙ゴミが接触、MR5に重大なアクシデントが発生する。  コクピット内に響き渡るアラーム音。船体は回転をしながらその高度を下げつつあった。 「何があったの!? ジェームズ!? こちらでMR5の制御が不能になっているわ。 ジェームズ! お願い! 応答して!」  司令船のキャシーはMR5のジェームズに緊迫した声で繰り返し呼びかける。

          Moon River   (NN様企画参加作品)