子供のためのルーブル美術館(85)絶滅したドードー/ポケモンドードーの先祖を世界で最初に描いた人・オランダ絵画
ポケモンドードーの 先祖 不思議の 国のアリスからドラえもんまで
今から400 年前、オランダは 黄金時代とよばれてオランダ絵画も 豊かな 時代をむかえました。
『なんでも 一番のり!』
ルーラント•サーフェリーは、17 世紀オランダ 絵画の世界で
色々なことをだれよりも早く 最初になしとげた 画家でした。
オランダ 絵画はこんな 花の絵で 有名ですが、これもオランダで 一番最初に 描き始めたのがサーフェリー。
それから、それまで 画家は 部屋の中の絵ばかり描いていたけれど 街に出て、 普通の 生活をしている 人達を 描いたのも、サーフェリーが 一番はじめでした。
そして、 絶滅した 伝説のドードーを 世界ではじめて 描いたのも、サーフェリーだったのです。
そんなサーフェリーの 絵って どんな 絵でしょう。
さっそくのぞいてみましょう。
ギリシア 神話に出てくるオルフェウスの 竪琴のおはなしの 絵です。
オルフェウスは 竪琴を 弾くのがとてもじょうず。
ポロンポロン…タリラララ……
細い指で 弦をかき 鳴らすと、それはそれは 透明な、 空気までもが 共鳴してふるえるようないい音がします。
向こうの 森では 動物どうしがエサの 取り合いで、 爪をたて 牙をむきながらけんかをしていました。
ところが、どうしたことでしょう。
その 音色を 聞いた 動物たちは、 争いをやめてみんな 静かにオルフェウスのいる 塔へと向かっていくのです。
ある時は、 森の中で
ポロンポロン…タリラララ……
動物たちは 鳴き声も立てずひっそりと、こちらにやってくる 落ち葉の 足音だけが 聞こえました。
いったいどんな 動物が 集まってきたのでしょう。
ライオン、チーター、ゾウ、サイ、ラクダ、シカ、イノシシにダチョウ…
馬や牛もいます。
数えきれないくらいの 色んな鳥、あ、ヘビもいる。
そして、サーフェリーはここにドードーも 描きました。
この 時代はまだ生きていたのです。
サーフェリーの 描いたドードーはこんな 鳥です↓
上の絵の中でも見つかるかな?
答え
こうして 世界ではじめてのドードーの絵は、 後の私たちの 時代にも 伝えられていったのです。
ドードーは、 不思議の 国のアリスやムーミン、ドラえもんにもアンパンマンにも 出演しているんですね。
そして、 顔はふたつもついてるけど!ポケモンの 仲間にもなりました。(⚠️ポケモンドードー進化系 のドードリオは空を 飛びますが、本物のドードーは 飛べません)
今日は長くなってしまいました。
そんなドードーのお話は、いえ、サーフェリーのお話はこれでおしまい!
Roelant SAVERY
Le héros Orphée charmant les animaux
Huile sur bois, 1626
ルーラント・サーフェリー
音楽で動物たちを魅了するオルフェウス 1626
Roelant Savery,
Orphée charmant les animaux 1627
Mauritshuis, The Hague
ルーラント・サーフェリー
音楽で動物たちを魅了するオルフェウス 1627
ハーグ、マウリッツハイス美術館
Roelant Savery
Edwards' Dodo
Natural History Museum, London late 1620
ルーラント・サーフェリー
エドワーズ ドードー 1620後半
お読みいただきありがとうございました。
ルーブルで、サーフェリーの同僚の作家のことを調べていましたら、思いがけずドードーにたどり着き急遽ルーラント・サーフェリーをお届けしました。
すると偶然にも、マウリッツハイス美術館(あのフェルメールの真珠の耳飾りの絵がある)で先週から「ルーラント・サーフェリーの不思議な世界」の企画展が始まったばかりでした。
オランダ絵画は肖像画や庶民の生活が多いですが、こんなファンタジーを描いた絵はお子様にも楽しいかと思いました。
ミュージアムショップ デルフト焼きのドードー↓