子供のためのオルセー美術館(76)ひかる海の向こう/黄金の島・クロス
波の音だけ、聞こえるでしょう?
ここは南フランス、地中海の浜辺です。
お日様で金色になった砂に、海の水がしみていきます。
タプン、ススス、タプンタプン、ススス。
海の向こうには、イエールの黄金の島がピンク色に見えました。
今日の海はとっても静か。
きらきら輝いているのは、ほんの小さな波です。
すきとおった波から見える金の砂は、あの島まで続いています。
クロスは、地中海に浮かぶイエールの黄金の島の絵を、てんてんだけで描きました。
目の前の砂は大きなてんてんで、そうして、
海の向こうの青や群青色のてんてんはどんどん小さくなって、
しまいには、ピンクに光る島まで届いて見えなくなりました。
あの島まで泳いで行けそう?
夏休みには、こんな海に行ってみたいね。
Henri-Edmond Cross
Les Iles d'Or 1891-92
アンリ-エドモン•クロス
黄金の島 1891-92
お読みいただきありがとうございました。
ただただ穏やかに続く海と輝く島。壮大な地中海の静けさです。
クロスは、丸い筆致の浜辺の点々から水平線の小さな点まで大きさを変化させてその僅かな違いと間隔で遠近感を感じさせています。
新印象派のスーラが考案した点々の技法、色彩は見る者の目の中で溶け合う!は、もしかしたら人それぞれに違った色合いの海が見えているかもしれません。
夏休みには、このてんてんで何か作品が作れそうな気がしてきませんか?
大人も楽しめそう。お子様ともぜひどうぞ。
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