子供のためのオルセー美術館(135)泳ぎ終わったあとに/ドガ・夏の海
夏の浜辺
ドガはノルマンディの海にやって来ました。
ここはいつも風がすごく強いけれど、今日は静かな海。みんな夏休み最後の海水浴を楽しんでいます。
浜辺には、犬を連れて話しをしてる人、手をつないで泳ぎにいく人もいます。
うううーーー寒いっ!
ノルマンディの海はやっぱり冷たい。おなかすいたよ、急いで帰っておやつにしよう。
海からあがった子たちは、みんな急いで帰っていきます。
おや? あそこのふたりは何をしているんでしょう。
泳いだあとのぬれた髪の毛を、とかしてもらっているところでした。
引っぱって痛くしないでー
もうちょっとのがまん。ぬれてるうちにとかしておくと、あとで楽ちんだから。
女の子は砂浜に転がって、雲がどんどん向こうに動いていくのを見ています。
ついでに水着もかわかして。
白い線がおしゃれな水着、ポケットも外側に出しておくの忘れずに。
ドガは、浜辺の人々のちょっと変わったおもしろい様子を、今にも動き出しそうに、声まで聞こえてきそうに描いたのでした。
さて、今日は最後に、ドガの友達ホイッスラーの海の絵も見てみましょう。
ドガはホイッスラーのような海が描きたいと言っていたのです。
ドガは、薄い墨色の空、海も浜辺も一緒にとけていくようなすき通った色でノルマンディの海を描きました。
そしてこれが、ホイッスラーが描いたノルマンディの海。ね、ドガが好きそうでしょう?
Edgar Degas
Bains de mer. Petite fille peignée par sa bonne 1869-1870
Londres, National Gallery,
エドガー・ドガ
海水浴 メイドに髪を梳かれる少女 1869-1870
ロンドン ナショナル・ギャラリー (オルセー美術館企画展2023)
お読みいただきありがとうございます。
この作品、左側のちょうどタオルにくるまれた子供達の絵の部分のところを新たに継ぎ足して横に長い作品になっているのがご覧になれるでしょうか。
マネが同様にこの横長の同じサイズの浜辺の絵を描きましたが、このバスタオルの子供たちを加えることでドガらしいますます生き生きしたものになっています。
それにしてもノルマンディは当時は夏でも寒い地ですから、これが健康のための無理矢理海水浴だったとは!びっくりですね。
ドガらしいテーマの夏の絵と、ドガが敬愛したホイッスラーの海をご覧いただきました。
ホイッスラー、ピンとこられましたか?この絵を描いた画家です。あのミスタービーンの😆