マガジンのカバー画像

■ 姉妹道について

13
サンティアゴ巡礼路と熊野古道のことを紹介している記事です。
運営しているクリエイター

記事一覧

駐日スペイン大使、熊野古道を視察。|姉妹道NEWS

皆さんこんにちは。 ロス・カミーノスです。 ずいぶんお久しぶりの投稿になってしまいました。 本日は、スペインと和歌山関連のニュースをお届けしたいと思います。 10月20日から22日の3日間、フィデル・センダゴルタ駐日スペイン大使が和歌山県を訪問されました。 サンティアゴ巡礼道と熊野古道が1998年に姉妹道提携を結んだことを契機に、交流を続けている和歌山県とスペインのガリシア州。 その関係もあり、歴代の駐日スペイン大使は和歌山を視察に訪れており、今年4月に着任したセン

終わりとはじまり。 |”地の果て” フィステーラ

皆さんこんにちは。 ロス・カミーノスです。 今回はサンティアゴ巡礼の到達地点であるフィステーラ岬に行ってきたので、そのレポートをお届けします。 ■ フィステーラの道 聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂から約90km、大西洋に面したフィステーラ岬。 「地の果て」という名前がついたこの岬で、巡礼者は着ていた衣服や靴を燃やしたそうです。(現在は環境保護、景観保護のため禁止) 多くの巡礼者はサンティアゴ・デ・コンポステーラで巡礼証明書を受け取った後、フィステーラまで

熊野古道特集。|姉妹道NEWS

こんにちは。 ロス・カミーノスです。 このたび、スペインの歴史雑誌『MEDIEVAL』で、熊野古道の特集記事が掲載されましたのでご紹介します。 同誌はカタルーニャ州バルセロナの「Revista Medieval」社が発行する世界中の建築、歴史、そして旅行をテーマにした雑誌で、以前は日本の戦国時代を特集したこともあるそうです。 今回、10ページにわたって熊野古道の歴史や文化が紹介されました。 また同誌のカタルーニャ語版では12ページにわたって記事が掲載され、さらに表紙に

サステナブル・ツーリズム。 | 姉妹道NEWS

皆さんこんにちは。 ロス・カミーノスです。 1月21日、スペイン・マドリードで開催された国際旅行博「FITUR2022」にて、アウトドア雑誌『Aire LIbre』によるサステナブル・ツーリズムに関する表彰式典が行われました。 この賞は、観光と環境に取り組む人々や企業、団体に毎年授与されており、2017年の開始以来、今回で6回目となります。 今回、ガリシア州政府が中心となって取り組む「XACOBEO(聖年)」のキャンペーンと、デスティネーションとしての日本が同時に選出さ

サンティアゴ巡礼の祭典。|FAIRWAY 2021

こんにちは。ロス・カミーノスです。 11月7日から9日までの3日間、ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラで、サンティアゴ巡礼に特化したフォーラム「FAIRWAY」が開催されました。 サンティアゴ巡礼路の姉妹道である熊野古道を紹介するブースも設けられていました。 今回は、そのイベントレポートをお届けしたいと思います! FAIRWAYは、巡礼に関係する団体のブース出展や、業界向けのワークショップ、セミナーなど、様々な観点からサンティアゴ巡礼を学べる複合イベントです

¡Buen camino! |サンティアゴ巡礼の世界を体感しよう

今年はサンティアゴ巡礼を行う人が爆発的に増加する、数年に一度の「聖なる年」。 より多くの人に巡礼を楽しんでもらえるよう、9月24日にGoogle Arts & Calture とガリシア州政府が共同でポータルサイト「¡Buen camino!」をリリースしました! 108のオンラインコンテンツ、4,750を超える写真とビデオ、15の360°バーチャルツアーなどを通じて、サンティアゴ巡礼路の世界に没入することができます。 11言語に対応しているらしく、日本語版も作成されて

ともに、学び合う。|大学間交流について

こんにちは。 ロス・カミーノスです。 1998年に結ばれた熊野古道とサンティアゴ巡礼路の「姉妹道提携」により、交流が始まった和歌山県とスペインのガリシア州。その関係は、やがて色々な形で広がっていきました。 その一つが、和歌山大学とサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学との大学間交流です。 今回の記事では、2つの道が繋いだ大学間の交流についてまとめてみたいと思います。 ■ 大学間交流について 和歌山大学は、和歌山市にある国立大学で、2008年に全国に先駆けて観光学部を設

駐スペイン日本国大使、ガリシア州を訪問。|姉妹道NEWS

皆さんこんにちは。 ロス・カミーノスです。 7月25日の「聖ヤコブの日」に合わせ、駐スペイン特命全権大使の平松大使がガリシア州を訪問したというニュースを見ました。 サンティアゴ巡礼路と熊野古道に関する話も出たそうなので、記録のために関連するニュースをまとめておきたいと思います。 ・駐スペイン日本大使館のホームページ https://www.es.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html ■ ガリシア州首相との会談 7月26日、平松大

姉妹道提携20周年。|記念イベントについて

2018年から2019年にかけて、サンティアゴ巡礼路と熊野古道の「姉妹道」提携20周年を記念して様々なイベントが開催されました。 今回の記事では、ガリシア州と和歌山県との関係がより深まった20周年記念イベントについてまとめたいと思います。 ■ サンティアゴ巡礼路写真展@田辺市 2018年10月19日、田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で、ガリシア出身の写真家、ルイス・オカニャ氏(1959-2010)の写真展が始まりました。 これは田辺市と駐日スペイン大使館が主催したもの

〝偉大な道〟を歩く。| おすすめの映画紹介

6月25日にスペインで公開された映画『El Gran Camino』(英題:The Great Way)。 若い映画製作者の2人が世界中の〝偉大な〟道を辿るドキュメンタリー映画で、すでにスペイン国内外で数々の賞を受賞しています。 バックパックにカメラを入れて、数千キロの冒険に出る2人。 早速映画館に観に行ってきたので、その感想をご紹介したいと思います。 ■ 4つの「偉大な道」 彼らが歩くのは、スペインのサンティアゴ巡礼路、和歌山の熊野古道、ペルーのマチュピチュを目指

〝2つの道〟を描く。 | おすすめの本紹介

スペイン出身のイラストレーター、カタリーナ・ロドリゲスさんが熊野古道とサンティアゴ巡礼路の風景を描いた本が出版されました。 タイトルは『Dous Camiños  Kumano/ Santiago』。 ガリシア語で「二つの道」という意味です。 彼女が歩いたのは、熊野古道中辺路と、ポンフェラーダを起点とするサンティアゴ巡礼路の「冬の道」。 そこで見た風景を描いた約100枚の水彩画の中から、選りすぐりの作品が収録されています。 上記のイラストは全て出版社のHPで紹介され

〝二つの道の巡礼者〟って? |共通巡礼について

皆さんこんにちは。 今回はスペインのサンティアゴ巡礼路と、和歌山県の熊野古道との交流を深めるため、2015年に始まった共通巡礼制度についてご紹介しようと思います。 ■ 共通巡礼制度 サンティアゴ巡礼路と熊野古道の両方を歩き、それぞれの達成要件を満たした人を登録する仕組みで、達成者は「二つの道の巡礼者」(デュアル・ピルグリム)と呼ばれます。 サンティアゴ巡礼路を歩いた人が熊野古道を歩く、そしてその逆も、という風に巡礼者の流れを作ることを目的に、2015年に作られました。

サンティアゴ巡礼路と熊野古道。|姉妹道について

スペインのサンティアゴ巡礼路と、和歌山の熊野古道。 今回の記事では、1998年に姉妹道提携を結んだ2つの巡礼道をあらためて比較してみたいと思います。 ■ 1:巡礼道の概要 サンティアゴ巡礼の目的地、サンティアゴ・デ・コンポステーラはスペイン・ガリシア州にありますが、巡礼路はフランスやポルトガルにもあります。 一方、熊野古道の目的地、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)は和歌山県にありますが、京都・大阪を通る道や、伊勢神宮と繋がる三重県を通る道、奈良県の