【1万字超の想い】Loohcs中等部から21世紀を生き抜くための本当の学びが始まる
Loohcs株式会社の内野です。
この度、「Loohcs志塾」「Loohcs高等学院」に続き、Loohcsの新たな事業として「Loohcs中等部」が立ち上がります!
というわけで、担当者として意気込んでこのnoteを書いたところ、一万字を超えました。「一万字読むのはちょっと……」という方のために、おすすめピックアップを初めに置いておきます。
★ Loohcs中等部をざっくり知りたい方 → 「Loohcs中等部のコンセプト」「Loohcs中等部のサービス」を流し読みください
★ 教育は理念が大事!と思っている方 →「『Loohcs中等部』とは?」をお読みください
★ 手っ取り早く何をやるところか知りたい!という方→「Loohcs中等部のサービス」をお読みください
★ 教育は想いが大事!パッションを教えてくれ!という方 → 「Loohcs中等部に込められた想い」をお読みください
★もうタイトルだけ見てすぐに問い合わせたい……!そんな方は公式ホームページへ!!!
「Loohcs中等部」とは?
Loohcs中等部のコンセプト
Loohcs中等部は、主に中学生を対象とした「新しい塾」です。
コンセプトは、「勉強しない塾」。
たとえば大人の方でも、こんな経験はありませんか?
「いい歳だし健康に気をつけなきゃ」「とりあえず痩せたい」、そんな気持ちで勢いよくジムに入会したものの、結局続かない……。
理由にはいろいろなことがありうるでしょう。
「目標が曖昧だったからモチベーションが続かなかった」、「忙しくて時間が捻出できない」、「ジムの器具の使い方がわからない」、「少しがんばってみたけれどいまいち効果が感じられない」、などなど。
ジムに通いさえすれば、健康になれる/痩せられるわけなんてありません。ジムはあくまで、「自分が運動する」ことを助けてくれる手段でしかなく、「自分で運動できる」状態をつくれなければ意味がありません。「自分で運動できる」ようになるためには、たとえば自分に適切な運動法を知ったり、モチベーション維持や時間管理を模索したりする必要があります。健康やダイエットが目的なのであれば運動以外に食事管理も視野に入れるべきですし、運動嫌いの人であればそもそも少しでも楽しい・やりたいと思えるようになるところからかもしれません。
例え話が長くなってしまいましたが、同じようなことが、「学習塾」でも起こっているのではないでしょうか?
「とりあえず勉強しなきゃ(勉強させなきゃ)」で学習塾に通い始めたはいいものの、「自分で勉強できる」ようになるわけではない。「自分で勉強できる」ためには、前提としてさまざまな力・知恵が必要です。
だからLoohcs中等部では、人生でずっと使える「型」を教えます。
さらに、そもそも論ですが、目的は「勉強できるようになる」だけでいいのでしょうか? ペーパーテストで点を取るための力だけで人生を生き抜けるほど単純な時代ではなくなってきたのが昨今です。たとえば対人的なスキルも、ITリテラシーも、メンタルコントロールも、いわゆる「教養」も、さまざまなものが求められる時代です。
だからLoohcs中等部では、「勉強」という枠に囚われず、さまざまなジャンルのカリキュラムを用意しており、いわば学びの「オールインワン」と言えるサービス内容となっています。
Loohcs中等部で学ぶ「人生でずっと使える『型』」とは?
ここで言う「型」とは、「普遍的に使えるものの考え方」のことを指しています。わかりやすい例で言えば以下のようなものが挙げられます。
文章の読み方・書き方
勉強のやり方・探究のやり方
自分との向き合い方・他者との向き合い方
プロジェクトの進め方 など
これでもまだちょっと具体的なイメージがつかないかもしれないので、さらに細かく、「文章の書き方」に絞って例を挙げてみましょう。
たとえば、「何かを主張したいような作文を書くときには、『テーマ-主張-根拠-結論』の形で書きましょう」というのは、最もわかりやすく「型」ですね。ですがわたしたちが「型」と呼んでいるものはもっと広い概念です。「文章の書き方」でざっくりと整理すると以下のようにまとめられます。
マインドセット:「最初から完璧な文章は書けない(得意な人でも加筆修正はするもの)」「『いいこと』を書こうとしなくていい」
インプットしておくべきもの:「文章の種類には大きく分けて〜〜がある」「文章には一般に『事実』と『考え』が含まれている」(『テーマ-主張-根拠-結論』の形がある、もここに含む)
大枠としての取り組み方:「いきなり書き始めるのではなくまず文章構成を考える」「読者像を意識する」
具体的なテクニック:「一文は短く切る」「話題の切れ目で段落を切る」
細かく書けばもっとありますし、「文章の書き方」以外の例であればまた内容が変わってくるのですが、なんとなくイメージがついたでしょうか。
なお、これは文章を書くのが得意な人にとってはある種「当たり前」のことかもしれません。ですが、そういう人にとってこういったことを改めて学校の授業で習ったかと問われると、おそらく「自然と身についた」ものなのではないでしょうか(学校で教わったとしたら素敵な先生と巡り会えた幸運な方!)。
こんな風に、「できる・わかる」人にとってはある種当たり前なようなことから、得意な人にとってチャレンジングな取り組みまで、丁寧に見つめ直して、それらを「型」として習得していく、それがLoohcs中等部が提供したい学びです。
(マインドセットとか、本当に基本ですけど全然馬鹿にできませんよ。「『いいこと』を書かなきゃ……!」で感想文が苦手だった方、けっこういるんじゃないですか?)
このような型は、「勉強」の基本的なところを支える力になりますし(そもそも「文章の書き方」がわかっていなければ記述式の問題に答えられない)、勉強以外の面でもいろいろな場面で生かすことができます(大人の方、仕事で文章を書く場面は無限にありますよね)。
これからの時代に求められる力
コンセプトの部分で、「そもそも『勉強ができるようになる』だけでいいのか?」という話をしましたが、そこについても少し細かく書いておきます。
21世紀は「VUCAの時代」、「先行き不透明で将来の予測が困難な時代」と言われています。現にここ数年だけとっても、コロナ禍、ロシア・ウクライナ戦争、ChatGPTの台頭……10年前どころか5年前では考えもつかなかったことがたくさん起こりました。
そんな時代においては、「与えられた問題に答えを出す」、従来のペーパーテスト的な力だけでは対応しきれないことは目に見えています。
近年では、大学受験における総合型選抜入試・推薦入試の割合が大学受験の半分を占めるようになりました。つまり大学受験において、単純な学力だけではなく、将来の志や持っているスキル、人柄などが総合的に求められるようになったということです。
他にも、文部科学省は「21世紀型スキル」として①基礎力(言語スキル・数量スキル・情報スキル)、②思考力(論理的/批判的思考力・問題解決/発見力など)、③実践力(人間関係形成力・社会参画力など)の3つを挙げ、これらを総合して「生きる力」としています。※参考:教育課程の編成に関する基礎的研究(国立教育政策研究所発表資料)
中高生の方にとっては、あまりにも多くのことが求められて目が回りそうだと思います。お子様を持つ保護者の方にとっては、大人として「たしかにどの力も社会を生きていく上で大事だ……!」と頷きつつも、ではどんなことからどのように取り組ませればいいのか、どんな機会を提供してあげればいいのか、途方に暮れてしまうかもしれません。
だからLoohcs中等部は、学びの「オールインワン」を提供します。のちに詳しく解説しますが、変化の激しい21世紀を生き抜くための、あらゆる力を身につけられるカリキュラムを豊富にご用意しています。
なぜLoohcsがやるのか?
Loohcsの歴史は、2010年に始まります。
「個性をいかした入試」であるAO入試(総合型選抜)に大きな可能性を感じた当時18歳の一人の男、つまり後のLoohcs株式会社の創設者となる斎木陽平は、どこにでもあるアパートの一室でAO入試対策専門塾を開きました。優れた合格率と熱意に溢れた若者のコミュニティとなったAO義塾(現、Loohcs志塾)が産声をあげた瞬間です。斎木陽平のもとには、その後多くの分野で活躍することになる若者が集い、志を育むきっかけを得ました。
しかし一方で、AO義塾に集まった志をもった多くの若者は、学校では「問題児」扱いされていることが多くありました。日本の学校教育では、既存の枠に収まり切らない若者たちの居場所を提供できていないのではないか。こうして、「問題児」と言われてしまう若者たちが自分らしく輝ける場所、自分たちで理想の教育のあり方をつくっていける場所として、Loohcs高等学院が誕生しました。2019年のことです。
けれどもLoohcs高等学院を運営する中で、Loohcs社の中でまた新たな問題意識が生まれてきました。「小手先だけの学習経験しかなく、基本的な学ぶ力が不足している子」、「不登校経験などによって人間関係構築力が不足している子」、「志はあり頑張ってもいるけれど、実践力に乏しく行き詰まっている子」、そんな子たちが多くいたのです。「何か一歩踏み出したい」とは思っているけれど、具体的な部分でつまずいてしまう、そんな子たちが、21世紀を生きるためのさまざまな力を養える場があるとよいのではないか?
そのような問題意識から、「『勉強しない』、『型』を学ぶ塾」であるLoohcs中等部が立ち上がりました。
Loohcsには、創業から10年以上にわたって培われてきた指導ノウハウ・独自に作られてきた教材があります。これらを再編集し、もっと基本的なところから応用まで、もっと幅広いジャンルへの対応を、「深く」「広く」総合的にまとめられたのが、Loohcs中等部の提供するサービスです。
次の章では、具体的にカリキュラムの内容や指導の特長について説明していきます。
Loohcs中等部のサービス
「型」を身につけるための4つのカリキュラム
Loohcs中等部では、大きく4種類のカリキュラムを用意しています。
①「学び方」を学ぶ「ベーシックスキル」
②生活の基礎体力をつける「ライフスキル」
③理想を実現する力をつける「チャレンジスキル」
④学びを発展させる力をつける「アカデミックスキル」
ひとつずつ説明していきます。
①「学び方」を学ぶ「ベーシックスキル」
「ベーシック」と名を冠していることからもわかる通り、Loohcs中等部の中でも一番基本的な力を養うカリキュラムです。以下の、全4種・12の力を準備しています。
もうすでに初めて聞く単語がたくさん出てきてお腹いっぱいだと思うので、◯◯力の詳細が知りたい方はホームページをご覧いただいたり無料相談の際に聞いていただければと思います。
ベーシックスキルの特長としては、それぞれの力ごとに5段階の難易度に分けた授業となっています。基本的には3段階目である「中級」までの到達が目標です。たとえば「書く力」においては、本当に作文が苦手な子は1段階目の入門から、ある程度得意だという子は中級から、書く力を特別にもっともっと伸ばしたい!という子には上級以上を、と言ったように、個々人のレベル感に合わせて授業を進めていきます。
以下は教材ワークシート例です。
②生活の基礎体力をつける「ライフスキル」
「ライフスキル」では、「生きていく上で大事なテーマ」について学んでいきます。4領域16テーマありますが、ここでは一部テーマを挙げると、以下のようなものがあります。
このように、「具体的に生きていくにあたって知っておいたほうがいいこと」を扱うのがライフスキルです。テーマごとに、全8回の体系的な内容の授業を行います。
ベーシックスキルとは違って、これはすべてのテーマがあらゆる子どもたちにとって必要ではないかもしれません。ですので、「自分を知る」「社会を知る」営みによって、「いま生活で困っていることの解決を図る」、あるいは「勉強以外の『社会』に目を向ける」きっかけとしてそれぞれのニーズに合わせて「つまみ食い」をしてもらえればと思っています。
③理想を実現する力をつける「チャレンジスキル」
こちらのスキルは、何か対外的に、人と協働するようなこと(イベントなど)をがんばってみたい、あるいは自分1人でも何かやってみたい作り上げてみたい、という子向けのカリキュラムです。
「対人スキル」「編集スキル」「実践スキル」「内省スキル」「創造スキル」の5種類にスキルを分けていますが、これらはきれいに区切れるものでもないため、いずれかのスキルを軸にしつつも、複合的に力を伸ばしていくワークショップ形式の授業を実施する予定です。具体的には以下のようなテーマがあります。
④学びを発展させる力をつける「アカデミックスキル」
こちらのスキルは、自分の好きな・興味のある学問分野がすでにある、あるいは幅広く教養的に複数の学問分野に触れてみたい、という子向けのカリキュラムです。
授業分野は、哲学・心理学・教育学・社会学・経営学・歴史学・物理学・美術史……と、なんと55テーマの専門分野への入門が揃っています。それぞれの分野に対して、全8〜12回の体系的な内容の授業を行います。
非常に長くなりましたが、以上がLoohcs中等部のカリキュラムについてです。
「学びのオールインワン」を自称しましたが、こうやって並べて見るともはや「人生で知っておくとよい・身につけておくとよいことオールインワン」ですね。この広さはさすがに日本中探してもLoohcs中等部だけではないでしょうか。
指導の特長
Loohcs中等部は基本的な授業は完全個別指導で行います(一部特別授業などは集団授業もあります)。ここでは、そんな個別授業での特長を大きく3つに分けてご紹介します。
①個々人の興味関心・レベルに合わせてカリキュラムを組む「テイラーメイドシステム」
あまりのカリキュラムの多さにおののいた方もいらっしゃるかもしれません。人間って選択肢が多すぎるとそれはそれで困ってしまいますよね。そもそも、「何がしたい?」といきなり訊かれても、「したいことは特にない」という中高生の方も多いと思います。
ですので、塾生個々人の特性に合わせて、講師からベストなカリキュラムをご提案します。もちろんそれは一方的に決めたカリキュラムを強いるようなものではなく、塾生と講師で話し合い、合意の上で決定します。
ゼロからつくる「オーダーメイド」でも、事前に決められた既製品を買う「レディメイド」でもなく、あなたに必要なパーツをカスタムしていく「テイラーメイド」。そんな「仕立て」のために、初回授業で1時間かけてじっくりカウンセリング・今後の計画立てを行っています。
②「考えて話す」が授業の中心
授業で一番時間を割いて行うのは「議論」や「対話」です、つまり「考えて話す」ことです。普通の学習塾のように、ひたすら黙々と問題演習を繰り返す、ということはありません。
たとえば「ベーシックスキル」の「数える力」では、数学の基本的な計算問題を扱ったりもしますが、そこでさえ、「計算上で工夫した点はある?」「さっきの問題とこの問題の違いはなんだと思う?」など、とにかく「言語化する」ことを試みます。そうすることで、いままで「なんとなくやっていた」ことが意識にのぼり、自分は何ができて何ができていないのか、次改善するためにはどうすればいいかなど、より具体的に把握することができます。
「考えて話す」ことで、自然と学びに対して主体的になれますし、何よりそっちの方が黙々とやるよりも楽しいですよね。Loohcsは、学びはもちろんですが、「楽しさ」「あそび」といった要素も非常に大事にしています。
③個性豊かな講師陣
講師は、それぞれに志や専門分野、教育への思いを強く持った個性豊かな大学生講師たちです。
大学生講師、と訊くと、「専門のプロの先生の方がよいのでは……」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、先に述べた通り、授業は「一方的に教える」のではなく、「一緒に考えて話す」授業です。ですので、むしろ大学生講師だからこそ、近しい目線で一緒に考えやすい、と言えます。
また、専門的な内容を深めて教えてもらいたい!という場合は、大学でその分野を学んでいる講師をアテンドしますので、そちらもご安心ください。
また、講師にはLoohcs志塾やLoohcs高等学院の卒業生が多く、Loohcsのカリキュラムで実際に培った力を発揮してくれますし、Loohcsで学んだ先に自分がどのようになれるのか、先輩に学ぶことで将来の具体的なロールモデルにもなるでしょう。
以上で、Loohcs中等部に関する「説明」的なパートは終わりです。
最後に、Loohcs中等部の担当者として、一人の教育者として、コンセプトにもホームページにも書かれていない「想い」の部分を語らせてもらえたらと思います。
Loohcs中等部に込められた想い
「自分には勉強はできないんだ」なんてことはない
ここではちょっと個人的な話をします。
わたしは、誰にとっても、「根本的に勉強ができない」なんてことはないと思っています(だからこそ教育に携わっているわけですが)。もちろんものによって向き・不向きがあったり、どうしても好きになれない・興味が向かないことがあったり、習得までの時間に個人差はあると思います。ですが極論を言うと、何年でも受験勉強に時間をかけていいなら誰しも東大に受かりうるとまで信じています。実際問題、人によっては数十年かかるかもしれなくて、それでは生活が立ち行かないし、そもそも数十年を受験勉強に費やして合格する価値/意味があるのかという話はあるわけですが。
では、「根本的に勉強ができないことなんてない」として、「勉強ができない」と人が思っているときに、もっと具体的に何が起こっているのでしょうか。たとえば読解力に問題があるのかもしれません。勉強の方法に問題があるのかもしれないし、モチベーションがないのかもしれないし、「イメージできないこと(抽象的なこと)」が苦手なのかもしれないし、あるいは「できない」と決めつけてしまって(環境によって思い込まされてしまって)、食わず嫌い状態なのかもしれない。それらが絡み合っていることが大半で、だからもちろん一筋縄ではいかないのが現実なのですが、ひとつひとつ、少しずつ「できる」ようになるのは、誰にだってできる。
そしてそれを綺麗事で終わらせるのではなく、授業の中の「対話」を通して、「できない」から「できるかもしれない」へ、「できるかもしれない」から「できる」へ、さらには「できる」から「もっとやりたい」へ、繋げていけるとわたしは思っています。
具体例を挙げましょう。わたしがLoohcs高等学院でとある学生に数学を教えていたときのことです。その学生は文章問題を解いていて、何かを書きつけていましたが、途中で「わからない、無理」と匙を(ペンを)投げました。
わたしは聞きます、「何がわからない?」、学生はしんどそうに言います、「全部」。「全部なわけないよ、問題文でわからないところはある?」「ない」「じゃぁ全部わからないわけじゃないじゃん。答えで求めなきゃいけないものは何?」「〜〜の個数」「いいね。じゃぁその個数を求めるために計算が必要になるわけだけど、とりあえず問題文のどの数を使えば計算に取り掛かれそう?」「人数と、グループの数」「いいじゃん!人数とグループの数を使って計算してる形跡があるよね、それで何が求められた?」「……1人当たりの個数?」「最高!そこまでわかってるじゃん!それで、そこで詰まっちゃったんだね。ってことは、きみは問題文は理解できてて、求めるべきものもわかってて、使うべき数もわかってて、第一段階として〜〜の計算はできたんだけど、その先の進め方がわからないって話だね? 全部わからないわけじゃない! 」
こんな感じ。
他にも、30分かけて作文が一行と少ししか書けない子でも、よくよく話してみると、「これとこれは書かなきゃって思ったけど、どうやってまとめればいいのかわからなくて」などと言ってくれたりします。紙面上で、それがテストだったらもしかしたら0点なのかもしれないけれど、わたしはそれを0点だとは思いません。本人にとっては「できる・できた」とは思えていない、でも確実に「できている」ところを、ちゃんと明らかにして、できてるよと言ってあげたい。だから、ワークシートの振り返り欄では課題点より先に「よかったところ」の欄を作っています。
大事なのは、「できた」も「できなかった」もクリアにすることです。クリアになれば、対処法を考える段階に進めます。たとえば日常でも、「漠然と不安だ」と思っているときは、気を紛らわせることはできても、不安は根本的には解消しませんよね。ですが、「友達と気まずい感じになったからもやもやしてるんだ」「来週の試験が上手くいくか心配なんだ」などとクリアにできれば、「友達に一言謝る?いったん様子を見る?」「試験については何より英語だ、今から英語の勉強するなら…」などと、次の具体的なアクションを考える段階に進めるわけです。これは、「なんかイライラする!」でも、「なんかうまくプレーできない」でも、「なんかうまく作れない」でも、全部一緒です。
そんな風に、個々人のできた・できなかったにとことん、根本から寄り添うのは、既存の学校や学習塾では難しいと思います。学校であれ学習塾であれ、ここまで寄り添うことは個別指導でなければ実現不可能ですし、個別指導の学習塾でも、多くの塾ではカリキュラムがかっちり決まっていて、1授業で進むべきノルマがあったりして、目先のテストで点数を取らせることが目的化します。
大学生のころ個別指導の学習塾で働いていたことがあったのですが、そこに分数の計算でつまずいている中学生の子がいました。大学で小学校の分数の計算から始める数学の授業をしているところさえあるので、中学生で分数の計算ができないことは何も珍しいことではありません。ですが、目下その子が「こなさなければならない」のは『一次関数』です。分数の計算は当然出てきますが、そこから丁寧に教えてしまうと、おそらく一次関数のテストが終わってもまだかかりそうです。「目先のテストのために」「カリキュラムの都合上」、泣く泣く一次関数の小手先の計算の仕方を教えるしかありませんでした。あのとき、教育にやたらアツい思いのあるバイト仲間が何人かいて、仕事終わりの真夜中にお酒を飲みながら、「あの子、どうやって教えればいいかなぁ」と語り合ってなんとか策を練ろうとしたものです。結局、あのとき答えは出せなかった。
だからわたしは本当にこの塾をやりたいんです。
Loohcs中等部の、もっと言えばLoohcsの教育の良さは、「余白」があるところです。カリキュラム自体はあるけれど、「カリキュラムを進めること」が目的なのではなく、「わかること・できること・納得すること」の方を大事にしています。すぐに理解できればサクッとさらうだけにして、理解できなければとことん向き合います。
ただ一言断っておきたいのは、既存の学校や学習塾を完全否定したいわけではない、ということです。Loohcs高等学院には定期テストがないのですが、「テストって復習を促す装置として優秀すぎる……」としみじみ思いますし、現実的に受験が迫っている時期には小手先のテクニックも、黙々とやる演習だって必要です。また別の観点で言うと、いくら理解や納得を重視すると言っても、同じ内容から半年進まなければ、おそらくやる気を失くします。「カリキュラムをこなせている」という感覚も、一方では必要なものだと思います。
Loohcs中等部ではできないこともあります。合わない子も、必要ない子もいるでしょう。でも、「こんな塾があってもいいじゃない」とは思うんです。
あのとき分数の計算ができなかった中学生の子は、別に分数の計算ができなかったからって、どこかでそれなりに楽しく生きているんじゃないかと思います(そうであってほしい)。正直なところ、分数の計算ができないから人生で困ることはあんまりないかもしれません。であれば、「分数の計算ができた」からと言って、あの子の人生はさして変わらなかったかもしれない。でも、「できないと思っていたことができた」という経験は、もしかしたらあの子を変えるきっかけになったかもしれない。
何が人を変えるかは誰にもわかりませんし、変わって「よかった」のかも本人の捉え方次第です。だからわたしは教育はほぼ祈りだと思っています。なにか、これが、いい風にあなたに届いてくれたらと願いながら、いい風になってくれそうなものを捧げ続ける。
Loohcs中等部は、「型=ものの考え方」が「いい風になってくれそうなもの」だと信じているので、それを届けます。何が刺さるかわからないから、何でも準備します。少なくともちょっと届いたなと思えるまでは、言葉を尽くすし、試行錯誤もし続けます。Loohcsは「教育を問い直し続ける」会社なので。
「人生を豊かにする学び」をもっと身近に、もっと手軽に、もっとあなたのために
Loohcs社は「すべての人を主人公に。」という壮大なビジョンを掲げていて、今のところはとてもじゃありませんが「すべての人」には教育を届けられていません。実際のところ、教育格差は所得の格差や地方格差などさまざまな問題をはらんでいますし、公教育でもない一企業には現実的な壁しかありません。でも、ひとつずつ、少しずつ、実現していきたい。
Loohcs中等部は、「中等部」という名は冠していますが、その授業を必要としている子どもがいるのであれば、小学生にも、高校生も、門戸を開きたいと思っています。ですので、中学生でない方もお気軽に問い合わせてくれればと思います。また、トライアルで体験授業を受けてくださったいくつかのご家庭では、保護者の方もかなり盛り上がっていたので、大人にも需要のある学びなのだと思います。現状は大人の方向けの通常授業は受け付けておりませんが、親子で受講できる特別講座などは企画したいと思っていますし、ゆくゆくは生涯教育の領域にも……?と野望は持っておりますので、大人の方もご興味のある方はしばらくゆるやかに注目していてくれれば嬉しいです。
「新しい教育」とされるものは、往々にしてちょっと手が出しづらかったりします。たとえばLoohcs高等学院をいいなと思ってくださった方も、「普通じゃない高校に行く」という進路選択をとるのはハードルが高いかもしれません。なので、週に1、2回時間を作って、学生さんにとっては「おしゃべりに行く」くらいの感覚の「塾」として、身近に、手軽に、あなたのそばにあるものになりたいと思っています。
公式ホームページにも掲載されている講師のインタビューで、「(Loohcs中等部の学びは)人生を豊かにする学び」という言葉がでてきました。そんな言葉が講師から出てきてくれるのは運営としてとても喜ばしいです。「テスト」や「受験」の枠にとどまらない、「人生」のための学びが、ここにはあります。
ここまで全部読んでくださった方がいるのか、というほど長い文章になりましたが、最後にやっと宣伝です。
Loohcs中等部の公式ホームページ、できたてほやほやです。まずは覗くだけでも。
少しでも興味を持ってくださった方は、お気軽に無料相談・体験授業にお申し込みください。体験授業はもちろん無料ですし、入塾される場合も、現在(2024/5/16)は立ち上がったばかりなので、トライアル入塾生として、通常価格よりもお手軽に受講することができます。ぜひご検討くださいませ。
長文にお付き合いいただきましてありがとうございました!
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◇ルークスとは?
今足りていない教育を問い直し、補完し続けるような存在。
「新しい方式の入試対策(AO推薦入試・総合型選抜)」や「探究学習」など“OECD Education 2030”を先取りしながら、高い難関大学合格実績を誇る、教育サービスを運営中です。
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