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『フラッシュカード』で生きづらさを無くす ⑧『俺なんかなにをやっても無理だ』という癖 ~失敗スキーマ~


「生きづらさ」を招く《10の性格の癖》


①あなたなしにはいられない
『見捨てられ/不安定スキーマ』

②いつも疑ってしまう
『不信/虐待スキーマ』

③心配性が抜けない
『損失や疫病に対する脆弱性スキーマ』

④何も一人ではできないと感じる
『依存/無能スキーマ』

⑤私は愛が足りない
『情緒的剥奪スキーマ』

⑥独りになりたがる
『社会的孤立/疎外スキーマ』

⑦人に対して仮面を被ってしまう
『欠陥/恥スキーマ』

⑧俺なんかなにをやっても無理だ
『失敗スキーマ』

⑨あなた達についていけば安心
『服従スキーマ』

⑩何事も完璧が一番
『厳格な基準/過度の批判スキーマ』

上記のような生きづらさの原因となる10の性格の癖があります

それは私たちが子どもの頃に家庭環境や社会環境から身を守るために身に着けてしまったもの(性格)です


根本的には愛着の問題で、愛情不足が原因です

例えば、親に虐待を受けて育ったとします

あなたならこの世界をどう感じてしまうでしょうか?


人は信用ならない
私が悪いから怒られる
もっと褒めて欲しい
またいつ殴られるのかが怖い
恐怖から逃れて独りになりたい
怒られないように完璧にしよう

怒鳴られないように自分の気持ちを出さないでおこう

わたしがもっと結果を出せば褒めてくれるし怒られないですむ


少し考えただけでも、これだけ思いつきます
こうした気持ちが10の性格の癖をつくりあげてしまいます

この10の性格の癖は以下の3つの防御方法から来ています


『服従する』(相手の機嫌を損なわないように、また愛情を繋ぎ止めるために従う)

『逃げる』(とにかくストレス源から離れる)

『逆らう』(自己否定感、劣等感から抜け出すための虚勢)


です


脳の扁桃体という場所が不安と恐怖を感じる器官です

少しの恐れでも反応するようにできている警報装置です

アレルギー物質がマスト細胞に付着すると発生するヒスタミンのような花粉症に似ています


世界を知らない子どもが怖い存在に対した時、『服従する』か『逃げる』か『逆らう』かしかできません

それを大人になっても続けていることによって「生きづらさ」が生まれます

ですが世界は怖い人、怖い状況ばかりではありません

服従、回避、反抗という方法で乗り切ろうとして、自分に良くしてくれる人から離れていってしまっています。



10の癖を持たされた人々はいつも不安、恐怖、怒りを感じながら生きているのです

怯える状況でないところでも...


世界は怖いという感覚が脳から離れないのです

そうした感覚を、認知、考え、行動によって自分に「大丈夫だよ」と根気よく言い聞かせることで、徐々に安心感を得るようになります

ですが「変わる」ことは並大抵のことではありません


まずは自分の現状を知る
そして原因を探る
認知、考え、行動で性格を変えていく


このステップが基本となります

その人、生来の気質ももちろんあるでしょう
引きこもりが悪いと言っているのではありません

「生きづらさ」を取り除くだけです

一人になり、創作をする機会もまた大事な才能です


でもそれは「生きづらさ」が無くてもできるはずです


10の性格の癖を無くせば、「自律」を獲得でき、「自主性」を重んじ、「自尊感情」が芽生え、人生を楽しむという「自己感覚」を取り戻すことができます

つまりは「自由」を得ることができます
選択できます

勇気をもって、人は変われるということを信じて欲しいです


いつもの不安が襲ってきた時、

この『フラッシュカード』を唱えてください。

自分でアレンジしてもいいです。

生きづらさから抜け出そう!


~参考文献『Reinventing Your Life 自分を変えれば人生が変わる』
著ジェフリー・ヤング~

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⑧『俺なんかなにをやっても無理だ』という癖



《フラッシュカード》

⑧『俺なんかなにをやっても無理だ』という癖



わたしはずっと劣等感を持って生きてきた
いつからだったか分からない

家が貧しく、恥ずかしかった
制服は汚れ、サイズが合っていなかった

片親で惨めだった
友達に親戚に近所にバカにされ、陰口が聴こえてくる

そんなネガティブな気持ちが自分の自信を無くさせていた
あらゆる方面に
人様とは違う
何をやってもだめだと刷り込まれていった
失敗、人前が恥ずかしかった


でも、


それは違うと分かった
自分で自分を催眠にかけていただけ

無理だ、できない、という根拠なんて無いと段々と分かってきた
励ましや褒められた経験が無いだけとも気づいた

わたしにも成功する機会はきっとある

うまくやって行ける自分を信じる
もうこんなばかげた癖にはいいかげんうんざりだ

わたしは変わらないといけない
わたしならできる。絶対に

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⑧『俺なんかなにをやっても無理だ』という癖とは?


《心の叫び》
「世の中は危険すぎる!」

《現象》
・人の成功や地位、職業を羨んでしまい、気落ちする

・自分の成功が実力だとは思えない

・人から評価してもらいたくて仕方がない

・いずれ劣った自分の本性が見破られるのではないかといつも恐れている
・この癖を持つ人は実際、成功していない人が多い

・実際の可能性より低い達成しかしておらず、失敗した自己イメージを持っている

・自分は負け犬だといつも感じていて、知識をつけたりキャリアを高めるための努力を怠っている

・「逃げる」ことでこの癖に対処することが多く、スキルを身につける、新しい課題に挑戦する、責任ある仕事をするといった成功に近づく行動を避ける

・「何のためにするのか?」といった態度を取り、どうせ失敗するのでやる意味はないとがんがえている

・物事を先延ばしにしたり、注意散漫に取り組んだり、不適切に物事をこなしたり、雑に取り組む

・出来事や状況を頻繁に歪め、ネガティブなことを過度に強調し、ポジティブなことを軽視する

・なりたかった自分になれていないと落ち込み、一生なれないだろうと悲観する

・⑤『わたしには愛が足りない癖』を伴う

・仕事で必要な技術を身につけたり、昇進のための努力を怠るようになる
・自分の可能性より低いレベルの仕事に就く

・他人のために働くのが我慢できない

・成功するのが難しい業種を選び、あきらめる決断ができない(芸能人、プロスポーツ選手など)

・積極的に動いたり自分で決断することに不安を感じ、責任のより重い立場を避けている

・自分はバカで無能だと感じ、他人を騙しているように感じる

・恋愛相手に成功した人に惹かれ、相手の成功の中に自分の成功を仮想する
・自分の長所を盾に、自分が成功しないことや仕事のスキルがないことの言い訳をする(外見、愛想の良さ、若さ、自己犠牲精神など)

・にもかかわらず社会的に成功することにいつも関心があり、この癖との葛藤が常にある

・「仕事で上手くいかない=人間として上手くいっていない」と感じる


《メリット》
・苦難に直面したときの一次避難

《デメリット》
・失敗の可能性から「逃げる」ことで実際の実力を損なわせる

・「逃げ癖」が負け犬だという思いを一層強めていく

・『自己充足的予言』(できないと思っていると、現実にできなくなる。思考の現実化)

・遅刻、先延ばし、低パフォーマンス、悪い態度で繰り返し解雇される

・「回避」から多くの業界を渡り歩き、専門知識や経験が得られず、進歩も少ない

《原因》
・親が批判的(学業やスポーツの出来に対して、とても批判的でバカ、能無し、間抜け、のろま、負け犬とののしられた)

・親に虐待された(『②いつも疑ってしまう癖』『⑦人に対して仮面を被ってしまう癖』を伴う)

・親が成功している人か、また親の要求が高すぎて、挑戦するのを止めた(『⑩何事も完璧が一番癖』を伴う)

・親が子どもの物事の出来具合いに関心を示さなかった

・親が子どもに競争心を持ったりして、成功させないように仕向けた(『④何も一人ではできないと感じる癖』『⑧俺なんかなにをやっても無理だ癖』を伴う)

・勉強やスポーツが不得手で、劣等感を感じ、恥をかかないように挑戦することを止めた(『⑥独りになりたがる癖』を伴う)

・家庭環境から劣等感が生まれた(両親が外国人、家が貧乏、家族に教養が無いといったことで同級生に劣っていると感じた)

・親のしつけが悪く、自己管理、自己責任を学べず落ち込んでいった

・小さい頃、自分に手助けや関心を持ってくれる人がいなかった

・物事を成し遂げる忍耐、我慢してやり遂げることで達成できることをしてこなかった

・劣等感が生まれ、自分自身を信じられなくなっている


《対策・癖が弱まる時》
・小さいことでもいいので、物事を達成することに直接向き合う必要がある

・⑧『俺なんかなにをやっても無理だ』癖の《逃げる》ことが現実的(生きづらい)かどうか調べてみる

・もちろん実際に「逃げて」いるのでできていないという事実に直面するが、それは「逃げている」せいだということを認識し、今の自分の位置ならばやらねばならないことを書き出してみて、それに直面することが大切

・劣等感を持つ自分の中の子どもに触れる

・劣等感を持ってしまった真の原因を突き止める(親や同級生の批判で比較され、責められ、恥をかかされた体験を思い出す)

・不公平に扱われてきたという視点を持ち、その子どもを手伝う

・子供の頃得意だったことや長所を思い出す(褒められたり指示されたり指導してもらったりしたこと)

・劣等感を感じさせた人たちに手紙や日記などで怒りを表出する(心の中の小さな子のために)

・現在の自分の素質、技術、能力、達成してきたことを認知する

・素質のある分野ではどのくらい成功していたのか思い出してみる

・人の可能性について何があるのか考えてみる(言語能力、数字に強い、整理やシステム化が得意、視覚・空間の認知力、音楽のリズム感、心理・健康・機械・コンピュータ等の知識、対人関係力など)

・全くなにも才能がない人は決していない

・多角形のグラフや柔らかい大きなゴムボールのように人の特徴には高い所も低い所もあるものだとイメージする

・どんな面倒なことでも、苦もなく自然にやる行動・遊び・趣味があるので、それをヒントに自分の特性を宝探ししていく

・物事をしっかりと身につけることを「避ける」根本的な態度を見直す(行動変容をおこなう)

・上手くいっていないとしたら、失敗のパターンを見つけ出し、変わる計画を立てる

・フラッシュカードを唱え、「逃げない」

・やりたいことを「怖い」というだけでやらないのは勿体無いことだと自分に言い聞かせる

・変えるべき行動をリスト化して、行動を変えるためのタイムラインを作る
・どんなことでもいいので夢や目標を立てて、長期目標、中期目標、短期目標に分け、スモールステップで実現する(短期目標、「今、ここ」の感覚は現実味を帯びる効果あり)

・過去・未来の不安や恐れを一度確認したら、もう振り返らない。(マインドフルネス「今、ここ」「いまを生きる」で現在に集中する)

・他人に頼ってみる(励ましや支持をお互いに得るWIN/WIN)

・④『何も一人ではできないと感じる癖』や⑦『人に対して仮面を被ってしまう癖』を伴っていることが多いので一緒に克服する


《心の変容を遂げようとするあなたへ》

進歩できたことにはしっかりと目を向けて自分を褒めてあげましょう。

時々、自分が歩んできた道を振り返り、どのくらい進歩したか確かめましょう。

この癖たちは子ども時代の自分を守るための鎧です。

ですが、大人になった今のあなたはその鎧は不必要で、重く身動きが取れなくなっています。

世界は自己のイメージの中にしかなく、それを通してしか世界は見えません。

だから、この癖たちのせいでとても苦労しているにも関わらず、懐かしみや心地よさすら感じてしまう...

子どもの頃は生き延びることが第一だったのです。

生き延びるために役立ってきたその癖たちですが、今はあなたを傷つけています。

今こそそれに気づき、なくす時ではないでしょうか?

自分を一番大切にしよう!

自分に嘘をついたり、自分を弱らせることから抜け出し、自分自身の変容を宣言するための長い旅を始める時なのです。


次回、

⑨『あなた達についていけば安心という癖』 に続きます。

お読みいただきありがとうございました。


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