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『フラッシュカード』で生きづらさを無くす 最終回『変わるということ』~10の癖から抜け出すために~
『変わるということ』
~10の癖から抜け出すために~
7つの前提
「変わる」ための前提が7つあります。
人とはこういった傾向があるというものです。
生まれる前から組み込まれている本能、プログラム、これが人であると言えるものです。
1.「私たちは誰でも、幸せや満たされることを望むのを欲している」
自己実現を目指しましょう。
長年の間無視されたり、冷たくされたり、非難されたりしてきたことで埋もれてしまった自分を変えて、健康的な自分を取り戻し、自分に希望を与えよう。
2.「満たされることによって、もっと幸せを感じられるような『中核的感情欲求がある」
①他人と繋がる欲求
②自律の欲求
③自主性の欲求
④認められ、自信を持ち、成功して、魅力的で、価値のある、つまり良い人でありたいという欲求
⑤人に対して感じることや人に望むことを表現する欲求
⑥心地よさ、楽しさ、想像性、例えば喜びを感じる興味や趣味、活動を追求する欲求
⑦人を手助けし、気遣いや愛情を示す欲求
これらの欲求はどんな人にもあるものです。
ゆえに他者との衝突や規範が生まれますが、このような欲求は消し去ることはできません。
消し去ろうと抵抗すると怒り、空虚感が起きてしまいます。
3.「人は根本から変われる」
親から受け継がれた気質、子供時代の家庭環境や友達関係の経験は、「変わる」ことを強力に邪魔をします。
でも変わることが不可能なほどには邪魔はしません。
変わるためには、継続的な努力と他の人の協力と助けを求める勇気が必要となります。
4.「私たちには変化することに大きく抵抗をする傾向がある」
私たちのほとんどは自動操縦のように日頃の物事をこなしています。
つまり習慣的な考え方や感じ方、人との関わり方など、今までの人生を通じて実践してきたことを踏まえて繰り返しをします。
これらのパターンは心地よく馴染み深いので、心に決めて計画的に継続しなければ、変わることは難しいです。
慣性の法則がくらしにもはたらいています。
なので過去の過ちや両親から受け継いだ悪癖は、意図的で継続的な努力なしでは変えられません。
5.「わたしたちには痛みを回避するという強い傾向がある」
回避してしまう理由は、私たちの多くは心地よさや満足を得るような経験に強く惹かれるからです。
成長につながるとしても、私たちは痛みを伴う感情や状況に向き合うことを避けようとします。
痛みから逃れたいという望みは、変わるための一番大きな壁となります。
変わるということは、「悲しみ、怒り、不安、罪悪感、恥、そして困惑」などの感情を苦みを掻き立てるような、痛みを伴う記憶に向き合う意思が必要となるからです。
6.「万人に有効な唯一の方法やアプローチはない」
人が自発的に変わる方法にはいくつかあります。
宗教、カウンセリング、人生相談などです。
とくに自分の力で変わることはできないというのが「病気」の定義だとすると、人の協力を得る方法がいいです。
医学的には薬物療法と心理療法あります。
その中でもこの「スキーマ療法」はあらゆる療法の統合的な療法です。
悪癖に導く「認知」を変える『認知療法』。
「行動」の習慣から考え方が変わっていく『行動療法』。
自分の中の取り残された子どもと対話していく『ゲシュタルト療法』。
その他、精神分析や音楽療法、読書セラピー。
また自分ひとりでもトレーニングできるワークブックが多彩にあります。
そしてとくに効果的なグループ療法です。
安心と共感、対人関係が現実社会より優しいグループに身を置き、これまでの悪癖を気づき直していくことができます。
生きづらさの重度によって選びましょう。
7.「自分の将来像を作ること」
変わるといっても、のちの姿(ゴール)をイメージできないといけません。
変わっていく過程で、戻ってこられなく前に、方向性を持つことはとても大事なことです。
満たされて、幸せで、自己実現に導いてくれるものは何か?
まずは自分の「生まれつきの傾向」を発見する必要があります。
「気質」と言われるものです。
不安定↔安定
不機嫌↔上機嫌
不安な↔穏やかな
没入した↔注意散漫な
受動的な↔攻撃的な
短気な↔朗らかな
内気な↔社交的な
など。
上のような気質は二項対立的に、片方がネガティブ要素が含まれるようですが、生きづらさという基準から見て、例えネガティブでも良い個性とも言えます。
(例:「注意散漫」は幅広く目を向けられるという良い面もあります。)
私たちは一人ひとりが固有の好みを持っており、人生の中で一番重要なのが、自らが欲することを見つけ出すことです。
これらを見つけ出すには安全な環境が必要です。
その温かな場所で私たちが感じる感情と体の感覚を直視できます。
体が満足し、喜びや楽しさを感じる経験をたくさんすることができます。
誤解を恐れずに言えば、私たちは社交的に教育され過ぎてきました。
他人が期待することをするという方向にばかり向かっていました。
(例えばお見合いなどは、人の人生を左右する重要なものであるにもかかわらず、社会の規範を強制し、個人の敷地に侵入するものだと思います。)
「変わる」ためには逆のプロセスを踏まなければなりません。
よく「幼稚園からやり直してこい!」と揶揄されますが、逆説的な「星の王子さま」的な意味で、機能性を脱いで、実存に立ち返るということだと思います。
自らの欲求を思い出す、見つけ出すということです。
変わるための4つのフィールド
1.「パートナー」について
なぜ人生のパートナーを見つけるのでしょう?
世間体やひとときの寂しさを補うものでなく、継続的な安心感をもたらしてくれるのが、真の人生のパートナーだと思います。
戦争がなかった江戸時代。数多くの優れた文化が咲き誇りました。
それは現在の安全と将来の道が見えていて、自分のやりたいことに目を向けることができたからです。
人とどう繋がりたいか、どんな親しい関係が欲しいか、これまでの経験を思い出しながら考えてみる。
安らぎ、同じ価値観、同じ人生の方向性を持つ人。
互いを補完しあえる人、より深い人生の世界を覗き込むためには、こういったパートナーが必要だと思います。
自分だけの視点でなく、より身近な相手の視点から物事を考える客観的な物事の考え方が得られます。
そして何より大切なことは、欲求を満たすためには人が必要なことです。
お互いがお互いのバッテリーであり、充電器です。
自分以外に自分を認めてくれる人こそがパートナーであって欲しいもんです。
2.「社会との関係」について
どんな職業に就きたいでしょうか。
どんな人と友達付き合いをしたいのでしょうか。
どんな社会貢献をしたいのでしょうか。
どのように自分は社会と関わりたいのかは自分の能力やこれまでの考え方、世界観を見つめ直すことで、方向性が決まると思います。
とことん自分を探ることだと思います。
その中で趣味が深くなったり、誰かを助けることができたり、楽しさを自分が味わい、またまわりの人にお裾分けすることができます。
3..「自律性」について
他人と自分の境界、敷地やバランスに関係しています。
「ちにはたらけば角が立つ 情にさおさせば流される とかくこの世は住みにくい」と「草枕」の中で漱石は記しています。
自律と自信、強い自己感覚は人が生きるためには必要不可欠な武器であり防具です。
まずは自分が満たされることです。
その中で人とのつながりを考えた時に、他人の「自律性」を配慮できるような大人になると、上手く他人と自分とのバランスを見つけることができます。
人と過ごす時間、一緒にいる空間という親密さの境界・距離感を柔軟に調節できるようになります。
「自律」は健康的な相手を受け入れ、不健康な相手と距離をおくためのコントローラーでもあります。
いつもこのコントローラーを握り、私が船を漕いでいるんだという感覚を失わないことが大事です。
他者に侵入されてはいけません。
とくに小さな土地に集団で生活をしてきた日本では規範意識、同調圧力、道徳ポリスが蔓延しています。
正義の仮面を被って侵入をしてきます。
「わたしが感じたことはすべて正しい」
このように考えると生きやすくなります。
一旦道徳は脇に置くのです。
この生で戦っているのはあなた自身なのです。
ならば、あなたに自分のことは自分が決定するという「自律」という武器がなければ、あなたは草刈り場なのです。
「自分はエゴイストにはなりたくない」という人が多くいます。
そういったことを言う人は決してエゴイストにはなれないので大丈夫だと思います。
そして決して社会から逸脱する行為はしないだろうという自分への信頼が大切です。
4.「自尊感情」について
自己肯定感とも言いかえられます。
恥、恐れ、不安、劣等感、罪悪感など、他人の感情の声があなたの外から内から聴こえてきた時、それを押し返すチカラとなります。
「自尊感情」はあなたに自由な状況を与えて、助けてくれるでしょう。
「自尊感情」を育てていくような生き方を選びましょう。
自分自身が好きに思えたり、自分を責めすぎたり自分を頼りにしなかったりせず、自分を受け入れるためにできることはどんなことでしょうか?
自分の長所は何で、それはどうやったら伸ばして行けるのでしょうか?
自分の短所は何で、それはどうやったら改善して行けるのでしょうか?
「私は自己肯定感が低い」とよく聞きます。
これは勝手に育つ雑草ではありません。
子どもの頃の親の愛情とそれから後の自分を守り、育てる愛情を自分が自分に向けてきたかがとても大切です。
あなたはいつも自分を一番に考えてきましたか?
5.「自己表現、自己主張」について
自分の望みや要求を表現して満たすこと、感情を表現することです。
これは生来の中核的基本欲求の一つです。
自分を肯定すること、承認してもらうこと、他の人と触れ合うことの大事な要素が詰め込まれています。
情熱や想像性、遊び心、楽しさは、つらい人生でもまんざらでもないという気持ちにさせてくれるものです。
仮に「自己主張、自己表現」がない世界ならどうでしょう。
それは重苦しいだけの人生ですし、何かに駆り立てられるだけのつらいものとなります。
そうした幾多の圧力や重しを跳ね除けるチカラが「自己主張、自己表現」だと思います。
それに加えて、これらのチカラは他者との境界、自分の敷地を決めるものです。
何も言わないということは、土足で他者の侵入を許すことなのです。
6.「他者への配慮」について
とても満足のある人生の一部として、人のために何かを差し出すということがあります。
時間、精神的エネルギー、金銭、行動など。
他者への共感力を人は皆、生来備えています。
他者の感情を自分のことのように置き換え、助けてあげることで満足感が生まれるしくみが備わっています。
人に適度に尽くすことは心地の良いことで、社会的貢献、慈善事業、子どもと接すること、友達の手助けをすることは本当にこちらの心も温まります。
これらは自分個人の世界よりも大きな世界との繋がり、「所属感」をもたらしてもくれます。
皆さんは社会科の教科書などの曼荼羅の絵を見たことがあるでしょうか?
個人の部屋らしきものが細胞のように全体の世界と繋がっています。
母親との肉体的精神的なあたたかな繋がりが、やがて社会全体を包み込むチカラへと成長する。
これは人の神秘な発展と言ってもいいでしょう。
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という名言を聞いたことがあると思います。
強制になってはいけませんが、自分が満たされると自然と他者を満たしたくなるのが人というものです。
このチカラもできれば活用して、実りのある人生にしたいものですね。
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矛盾しているようですが、紹介した6つのこれらチカラもまた、人との間で、または自分の中で対立することがあります。
人生の目的はおそらく世界共通で、それらは愛であり、自己表現であり、楽しさと心地よさであり、自由であり、スピリチュアルであり、他人に尽くすことでしょう。
これらは私たちの望むことだと思います。
しかしながら、これらの望みはよく衝突します。
情熱や刺激は安定性とぶつかり合いますし、「自律性」は距離感の関係で親密さとぶつかります。
「自己表現や自己主張」は他の人のそれや配慮とぶつかります。
そこで大切になるのが「優先順位」と「バランス」です。
「調整力」といってもいいです。
それをスキーマ療法では『ヘルシーアダルトモード』と呼びます。
親が自分への愛情と子どもへの愛情とのバランスを取るようにです。
『共感を持って自分に向き合おう!』
有史以来、これまで絶滅せずに生き残ってきた動植物は強かったからではありません。
環境に対する生きづらさに直面して「変わる」ことができたからです。
そして、これから変わろうとするあなたにはその変わるプロセスを楽しんでもらいたいです。
苦行の末の変容ではなく、自分への慈しみからの変容であって欲しいです。
「共感を持って自分に向き合う」とは、変わる努力を続ける時の健康的な態度を示すスローガンです。
自分を変えようと努力し続ける自分に対して「優しさ」を持ちましょう。
多くの人が十分に自分が変わることができないことで、厳しく自分を責め立てたりします。
そんな時こそ、自分の限界と欠点を優しさで持って、認めてあげる。
理由があって今の自分になっていることを思い出す。
子どもの頃の自分に対しても共感をしましょう。
それほど辛かったからこそ、こんな癖を身に着けてしまったんだと。
また同時に、変わることに対して責任を持つ。
自分は親の犠牲者のままの気持ちでいることは、自分を見放していることと同じことです。
あなたはいじめの傍観者であり続けるのではなく、自分の姿を外部化して、その子を助けてあげるという気持ちを持つことです。
優しい言葉をかけてあげて下さい。
変わるためには小さなステップから無理なく始め、達成を味わいながら自分の中の「ヘルシーアダルトモード」を大きくして行きましょう。
そうしていく内に、自尊感情が大きくなり、大きな状況でも変えていくチカラを得ることができます。
「戦いながら武器を拾え」です。
自分にとってマイナスな環境だと分かれば、自尊感情のよって、変化することの恐れよりも自分を大切にすることを選択するでしょう。
その大きな変化とは具体的には、親と離れたり、職場を変えたり、住む地域を変えるといった大きなステップだったりします。
『You’ll never walk alone.』
~他人の手助けを得る~
変わることは一人では難しいですが、人の手助けがあるとより簡単になります。
自分を気にかけてくれる人たち、友だちや家族に自分が取り組んでいることを話して協力を求めましょう。
良い手本や先生になってくれ、アドバイスをくれたり、手順や方法を教えてくれたり、やる気を高めてくれたりしてくれるでしょう。
知り合いの中で、苦難を乗り越え変わることができた人がいれば、目標到達の現実味を感じ、励みになります。
友だちや家族は、いい意味でも自分よりは自分に対して客観的に判断してくれます。
今、回避したねとか、強がってるよとか、言いなりになってるよとか教えてくれると思います。
その人は心地よい悪癖に惹かれる自分の手を取って、誘導してくれるでしょう。
もしも友だちや家族も自分の課題を抱えていて、手助けできない、あるいは逆にこちらに癖を刺激させるということも多くあることです。
そのような時には専門家に相談して下さい。
今自分はどうしていいか分からない、自傷、依存症、自殺企図が止められない人は必ずそうして下さい。
ネガティブ思考の悪循環に陥っている思考の今、自分では抜け出すことができないでしょう。
しかし、医療では変えられないと思うのは間違いです。
あなたに合った治療法は豊富にあります。
とりあえず、一時の安らぎだけでも得てみませんか?
フラッシュカードのチカラで何度でも自分に言い聞かせましょう!
それは「ヘルシーアダルトモード」の自分からのメッセージです。
お守り、ぬいぐるみ、ヒーロー、イマジナリーフレンド、理想の母親です。
近い未来にあなたの中に内在化する確かなココロです。
うまくやって行ける自分を信じる。
もうこんなばかげた癖にはいいかげんうんざりだ。
わたしは変わらないといけない。
わたしならできる。絶対に。
以下にスキーマ療法がめざす一つの満たされた形を提示しておきます。
ご参考になさってください。
1. 自分自身の信念、欲求、価値、感情に気づいている。
2. 内なる欲求や感情を「確かにこれは自分のものである」と感じられる。
これらを自らの「内的な出来事」として体験し、外部から与えられるものではないとわかっている。
3. 他者の前でも(その他者が力をもつ人であっても)、自らの価値、信念、感情、欲求を保つことができる。
4. 弁解がましくなったり、控えめになったり、尻込みしたりすることなく、内なる感情や信念や欲求を明確に言葉にすることができる。
5. いかなる状況においても、「私」「自己」の感覚がつねに内側にある。
自分が本当はどう感じ、何を求めているのかがわかっており、それについて混乱することはない。
6. 自分にとって意味のある目標を追求し、内なる欲求と価値に沿って生きている。
混沌とした人生、方向性のない人生ではない。
7. たとえストレスフルな状況であっても、「自分が自分の中心にいる」といった内的感覚を保つことができる。
8. 自己と他者の間に明確な境界がある。
他者とつながることができると同時に自律性を保つことができる。
9. 自分の内面から価値を生み出すことができる。
他者からの再保証がなくても自らの価値を認められる。
10. 大切なことに関してきちんと自己主張できる。
11. 自らの直感や感情を信頼することができる。
その一方で、育った環境のせいで自分が自分自身の直感や感情を割り引いて据えがちであることにも気づいている。
以上のような目指したい安定した心持ちは、必ずや「生きづらさ」を軽減してくれます。
別の見方で、これまでの「10の癖」(早期不適応的スキーマ)とは反対の癖(適応的スキーマ)を記してみます。
あくまでも、基準は自己である「私」が生きづらいかどうかです。
このような癖があろうとも生きづらさを感じなければ、立派なその人の個性です。
生きづらさから脱するためには「変わること」自己変容が不可欠です。
☆『安定したアタッチメントスキーマ』☆
・・・自分を見捨てずに必要な時にそばにいてくれる人を見つけ、そのような人との関係を維持することができる。
自分には十分に関わってくれる重要他者がおり、その人は何があっても自分のそばにいてくれるだろうという感覚を継続的に抱いている。
安定し、予測可能な愛着対象を選ぶ。
↔①あなたなしにはいられない『見捨てられ/不安定スキーマ』
☆『基本的信頼スキーマ』☆
・・・程々の警戒心を持ちながらも、他者の意図を信頼し、それらの意図を好意的に受け止めることができる。
自分が頼りにしている人たちは正直で信頼できるという感覚や、それらの人たちは自分のために最善を尽くして動いてくれるという感覚が持てる。
正直で、信頼でき、忠実であること。そしていじめや虐待を受けないこと。
隠し事なくオープンで丁寧な相手を選ぶこと。
自己開示が出来、健全に助けを求めることができること。
↔②いつも疑ってしまう『不信/虐待スキーマ』
☆『身体的安全/レジリアンススキーマ』☆
・・・身体の安全性やレジリアンス(困難や危機を乗り越え回復する力、精神的回復力)について現実的な感覚を持つ。身体的危機がない状況では、さまざまな状況に自由に入ってみる。ささいな身体症状には落ち着いて対処する。損害や疾病をもたらしうるリスクに対しては、自信を持って積極的に対処することができる
↔③心配性が抜けない『損失や疫病に対する脆弱性スキーマ』
☆『有能/自己信頼スキーマ』☆
・・・必要な時に誰かに助けを求めつつ、他者に頼りすぎずに日々の日課に取り組み、意思決定を行うことができる(他者とのつながりを保ちながらの自立)。
「自分は自分で自分のケアができる」「毎日の生活の中で自分は自分を頼りにできる」感覚を持てる。
他者からの多大な助けがなくても、日々の決断や問題解決を自分でできる。
取り組める段階にある課題を適切に選び、それに向き合い取り組めるよう、時間管理、整理整頓、優勢順位の決定、肯定的な反省と称賛を自分に与え続けること
↔④何も一人ではできないと感じる『依存/無能スキーマ』
☆『情緒的充足/親密スキーマ』☆
・・・重要他者と親密な関係を築き、その関係の中で互いの欲求、感情、思いを共有することができる。
愛する相手から自分も愛され、理解され、導かれ、守られているという感覚を持つ。
他者と何かを深く分かち合う、一緒に過ごす時間を大切にできる。
温かさや親愛の情に触れる、共感される、保護される、個人的体験を共有し合える。
あたたかさ、遊び心、優しい目線を受け、自分の中に「楽しげな子ども」を見つける
↔⑤私は愛が足りない『情緒的剥奪スキーマ』
☆『社会的包摂(一定の範囲の中に包み込むこと)/親密スキーマ』☆
・・・自らの興味関心や価値を共有できる社会的グループを見つけ、それとつながることができる。
他者との類似点や共通点を見つけることができる
世界や他者に対する帰属感やつながりを持てる。
計画や活動の仲間に入れてくれる友人がいる、他者といろいろな点で相通ずる
ものがあると感じる。
自分と同じ興味や価値観を有する人やコミュニティを探し、つながろうとする
↔⑥独りになりたがる『社会的孤立/疎外スキーマ』
☆『自己承認/自尊スキーマ』☆
・・・自己受容する。自分自身に対して思いやりを持つ。他者に対して偽ることなく正直に振る舞うことができる。
「自分は愛されている」「自分は自分のことが人として好きだ」という感覚を持てる。
自らの欠点を受け入れ、自分は注目され経緯を持たれるべき存在であると感じられる。
自分の容姿にもそれなりに満足できる。
↔⑦人に対して仮面を被ってしまう『欠陥/恥スキーマ』
☆『習熟/成功スキーマ』☆
・・・自分にとって意味のある領域(学業、仕事、趣味)において目標を達成しようとする。
「うまくいった、成功した」「自分は意味ある重要なことを成し遂げた」という感覚を持てる。
自分が選択したもの(学業、仕事、趣味など)において、サポートやガイドを得ながら、自分の能力を伸ばし、成功や達成ができる。
好きなことや情熱を傾けられることを見つけたり、伸ばしたりできる。
↔⑧俺なんかなにをやっても無理だ『失敗スキーマ』
☆『自己主張/自己表出スキーマ』☆
・・・重要他者と相容れない場合でも、対人関係において、自らの欲求、感情、願望を主張したり表現したりできる。必要であれば妥協できる。
自分の意見、欲求、感情といったものを親密な人間関係の中で自由に話したいという感覚を持てる。
罰を受けるとか拒絶されるといった気持ちは無い。
「受け入れて欲しい」「慰めて欲しい」という自分の感情を大事にできる。
↔⑨あなた達についていけば安心『服従スキーマ』
☆『現実的な基準/不完全さの受容スキーマ』☆
・・・能力や状況に応じて柔軟に対応する。失敗や不完全さを受け入れることができる。
目標に取り組むとき「これで充分だ」と受け入れる感覚を持てる。
能力や状況に応じて基準や目標を柔軟に変化させ、失敗や不完全を許容できる。
適度な基準と目標が設定でき、目標達成のための行為と他の欲求(健康、人との親密、リラックスなど)とのバランスが取れる。
ミスした時にもオープンに認めることができ、小さな過ちについても自己開示できる。
↔⑩何事も完璧が一番『厳格な基準/過度の批判スキーマ』
最後に、生き方の優先順位とバランスを記した、素晴らしい言葉を贈ります。
どうでもよいことは、流行に従い、
重大なことは道徳に従い、
芸術のことは自分に従う
映画監督 小津安二郎