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『フラッシュカード』で生きづらさを無くす ⑦『人に対して仮面を被ってしまう』という癖~欠陥/恥スキーマ~



「生きづらさ」を招く《10の性格の癖》


①あなたなしにはいられない
『見捨てられ/不安定スキーマ』

②いつも疑ってしまう
『不信/虐待スキーマ』

③心配性が抜けない
『損失や疫病に対する脆弱性スキーマ』

④何も一人ではできないと感じる
『依存/無能スキーマ』

⑤私は愛が足りない
『情緒的剥奪スキーマ』

⑥独りになりたがる
『社会的孤立/疎外スキーマ』

⑦人に対して仮面を被ってしまう
『欠陥/恥スキーマ』

⑧俺なんかなにをやっても無理だ
『失敗スキーマ』

⑨あなた達についていけば安心
『服従スキーマ』

⑩何事も完璧が一番
『厳格な基準/過度の批判スキーマ』

上記のような生きづらさの原因となる10の性格の癖があります

それは私たちが子どもの頃に家庭環境や社会環境から身を守るために身に着けてしまったもの(性格)です


根本的には愛着の問題で、愛情不足が原因です

例えば、親に虐待を受けて育ったとします

あなたならこの世界をどう感じてしまうでしょうか?


人は信用ならない
私が悪いから怒られる
もっと褒めて欲しい
またいつ殴られるのかが怖い
恐怖から逃れて独りになりたい
怒られないように完璧にしよう

怒鳴られないように自分の気持ちを出さないでおこう

わたしがもっと結果を出せば褒めてくれるし怒られないですむ


少し考えただけでも、これだけ思いつきます
こうした気持ちが10の性格の癖をつくりあげてしまいます

この10の性格の癖は以下の3つの防御方法から来ています


『服従する』(相手の機嫌を損なわないように、また愛情を繋ぎ止めるために従う)

『逃げる』(とにかくストレス源から離れる)

『逆らう』(自己否定感、劣等感から抜け出すための虚勢)


です


脳の扁桃体という場所が不安と恐怖を感じる器官です

少しの恐れでも反応するようにできている警報装置です

アレルギー物質がマスト細胞に付着すると発生するヒスタミンのような花粉症に似ています


世界を知らない子どもが怖い存在に対した時、『服従する』か『逃げる』か『逆らう』かしかできません

それを大人になっても続けていることによって「生きづらさ」が生まれます

ですが世界は怖い人、怖い状況ばかりではありません

服従、回避、反抗という方法で乗り切ろうとして、自分に良くしてくれる人から離れていってしまっています。



10の癖を持たされた人々はいつも不安、恐怖、怒りを感じながら生きているのです

怯える状況でないところでも...


世界は怖いという感覚が脳から離れないのです

そうした感覚を、認知、考え、行動によって自分に「大丈夫だよ」と根気よく言い聞かせることで、徐々に安心感を得るようになります

ですが「変わる」ことは並大抵のことではありません


まずは自分の現状を知る
そして原因を探る
認知、考え、行動で性格を変えていく


このステップが基本となります

その人、生来の気質ももちろんあるでしょう
引きこもりが悪いと言っているのではありません

「生きづらさ」を取り除くだけです

一人になり、創作をする機会もまた大事な才能です


でもそれは「生きづらさ」が無くてもできるはずです


10の性格の癖を無くせば、「自律」を獲得でき、「自主性」を重んじ、「自尊感情」が芽生え、人生を楽しむという「自己感覚」を取り戻すことができます

つまりは「自由」を得ることができます
選択できます

勇気をもって、人は変われるということを信じて欲しいです


いつもの不安が襲ってきた時、

この『フラッシュカード』を唱えてください。

自分でアレンジしてもいいです。

生きづらさから抜け出そう!


~参考文献『Reinventing Your Life 自分を変えれば人生が変わる』
著ジェフリー・ヤング~

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⑦『人に対して仮面を被ってしまう』という癖


《フラッシュカード》

⑦『人に対して仮面を被ってしまう』という癖


いつしか人前に出ると自分を出せなくなっていた
批判が怖い、嘲笑が怖い、バカがバレる、家庭環境がバレる
何にでも隠そうとするようになった

頭の考えのほとんどをそれに費やし、言葉が出ない
一日の終りにはぐったりしている
そんな自分を肯定する気持ちなんかは皆無だ


でも、


思い起こせば、自分を出せば傷ついてきたんだと思う
何を言ってもお前はだめだとか言われた
陽気な時に受け入れてもらいたくて、言葉にしたら無視された
そして...何も言わないことが楽なことだと覚えてしまったんだ

これからずっとこんな人生を送らなければならないなんて、ゾッとする
自分を取り戻さないといけない
ピエロな人生にはうんざり

もう演じるのはやめよう!

うまくやって行ける自分を信じる。
もうこんなばかげた癖にはいいかげんうんざりだ

わたしは変わらないといけない

わたしならできる。絶対に

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⑦『人に対して仮面を被ってしまう』という癖とは?

《心の叫び》

「ポーカーフェイスでいれば、自分の正体を知られることはない!」


《現象》

・自分みたいな奴と一緒にいたいと思う人はいないと思う(劣等感)

・人前ではいつも自分を抑えている

・心の中に冷酷な怒りを持っている

・人との付き合いで距離を取るので相手はが繋がることが簡単ではない

・自分の本性を暴かれるのを恐れている

・この仮面癖の根底には「恥」があり、恥の感情を避けるためにはどんなことでもする

・自分は愛されるに値しないと思う(自己否定感)

・「独りになりたがる癖」は外見上の恥ずかしさだが、この仮面癖は内面上の恥ずかしさががある

・表面上は生きづらさを抱えているとは見えなにくい

・自分は異質で何かがおかしいと常に感じている

・自己批判が自己嫌悪につながり、自分と向き合うことが出来なくなっている

・自己否定感に対して「逆らう」対処をすると、ナルシストになり、唯我独尊的にふるまう傾向がある

・誰も自分を無視し、非難することは絶対に許さない

・ナルシストは「見捨てられるという恐怖」が強く、それが自身を変えようとする動機になる

・ナルシストは全てが壊れてしまう感覚を持ち、表向きの顔は簡単に崩れ、無価値な自分が突如現れる感覚がある

・恥の感情を及ぼす話題を避け、話をそらす

・日頃の自己無価値感から怒りっぽかったり、うつになりやすい

・罪悪感と恥から逃れるため、⑩「完璧癖」を伴い、過度な理想を掲げ、異常な努力をし、地位やお金、勉学などで称賛を得ようとする

・自分を守り、プライドを維持するために、考えや感情を隠す

・全く恋愛をしない

・もしくは短くて濃厚な恋愛を繰り返したり、同時に何人も付き合う

・批判的で相手を落ち込ませるような人に惹かれる

・身体的、感情的に虐待をする人に惹かれる

・自分に興味をあまり持ってくれない人に最も惹かれる

・叶わない恋でも、魅力的で理想的な人にしか惹かれない

・人のことを深く知ろうとしない相手と一緒にいることが一番気楽に感じる

・自分より下だったり、好きでもない相手に会ってばかりいる

・本気で付き合ってくれなかったり、定期的に会えない人(既婚者、外出が多い、遠距離に住んでいる人)に惹かれる

・傷つけたり、虐待したり、無視しても離れない相手と恋愛する

・いったん恋愛が成立すると恋愛感情は消え、相手を傷つけたり批判的な態度を取る

・自分のことを相手に知られないように本当の自分を隠す

・嫉妬心が深く、相手を所有したいと感じる(対等な関係を維持することができない)

・他人と自分を繰り返し悲観的に比較し、嫉妬したり自分が何かが欠如していると感じる

・相手が自分の価値を認めているか何度も確かめたくなる

・相手の前では自分自身の気持ちを抑える

・相手が自分を非難し落ち込ませ、ひどい扱いをするのを許してしまう

・適切な批判でさえ受け入れるのが難しく、防衛的になったり、敵意を感じる

・無意識に親の真似をして、自分の子どもを批判することが多い

・成功しても、自分は詐欺師であるかのように感じる

・仕事の失敗や人からの拒絶でとても落ち込む

・人前で話す時はとても緊張する

・評価・拒絶されない見下せる相手のほうが心地が良い

・非難することで相手の価値を下げ、他人を自分の視界から消して自分を守ろうとしている

・素の自分は受け入れてもらえず、偽のいい子を演じた自分だけが愛されると信じている

・妬みと嫉妬が他の人より色濃く出ている

・自己防衛から過度の言い訳や相手をこき下ろすことが多い

・この癖を働かせる相手に一番惹かれてしまい、愛をくれる人に対しては逆に飽きてしまうか興味を失ってしまう

・人前での仮面癖に疲れ、反動として独りの時には薬物やアルコールその他の依存対象に逃げ、自暴自棄になってしまう



《メリット》

・たまにしか発言しないので、その言葉を重く取られることがある

・ポーカーフェイスで不思議ちゃんを演じられる

・役者のように役柄を様変わりさせる



《デメリット》

・自発性、楽しみ、他人への信頼、人との親密な関係などを失い、自分を閉ざして守り、殻に閉じこもる

・「逃げる」ことでの対処なので、コミュニティから離れたままで何かが改善したり、癒やされることはない

・相手にひどく扱われ、それに耐えるような恋愛をしてしまう

・心を開かないことによって、自分は駄目な人間なんだという思いを強めてしまう

・成功して人を見返そうとするが、過度の理想で達成できないか、成功しても心は満たされることはない

・成功と地位はアドレナリンの中毒性が強く、いくら手に入れても満たされるとこはなく、自分のことを理解して愛してくれる人を見つける代わりにはならない



《原因》

・親からの愛情不足が根本原因

・親にさえ愛されないほど自分は何かがおかしい、欠けているという無価値感

・拒絶や批判はすべて自分のせいだと感じて、恥や悲しさを生んできた

・家族の誰かが批判的で厳しかった

・親の懲罰的な視点がやがて自分が自分にする責めとなっていった(懲罰的ペアレントモード)

・親から残念な子だと感じさせられた

・家族の誰かから虐待を受けていた

・虐待を受ける子どもは罪悪感と恥を心に刻んでいってしまう

・できないことに対していつも責められていた

・悪い子だ、価値がない子だと心に刷り込まされていた

・兄弟姉妹と比べられ、平等に愛されなかった

・年上の兄・姉はより強く、賢く、速く、強いので当然何でも自分よりは上手くできるが、比較されるとできない自分を低く評価してしまっていた

・片親が家を出たことで自分を責めた

・実際に欠点があるかどうかではなく、親や他の家族に自分自身について刷り込まれたことがこの癖の原因



《対策・癖が弱まる時》

・子供の頃に植え付けられた決定的な欠点と恥を思い返し、傷ついた「内なる子ども」を感じること

・誰がどのように自分を傷つけたのか、過去の苦しみをもう一度感じること

・休みの日や就寝前などストレスがない時間帯を利用して、子供時代を遡ってみる

・子供の頃に受けた感情と現在に活性化される感情が同質なものであることに気がつくこと

・傷ついた「小さな自分」を外在化してみて対話してみる



・癖に対しての「逃げる」「逆らう」方法で対処している行動を書き出してみる
批判に対して過度に反応していないか?
愛する人を低く見ていないか?
地位や成功への過度な努力や働き過ぎていないか?
他人にすごいと自分を思わせる言動をしていないか?
過度なアルコールや薬物摂取、食べ過ぎ、自傷行為をしていないか?
嫌いな人、良くない人にさえも仲良くなろうとしたり、許そうとしていないか?個人的なことを話さないことはないか?



・過去の付き合い、小説、映画、アニメ、ドラマなど何でもいいので自分が一番惹かれる相手と惹かれない相手を考えてみる

・恋を手に入れる後より、前の方が相手に惹かれていなかったか?自分を愛してくれる人に対してつまらなく感じなかったか?


・子どもの頃の長所と短所をたくさん書き出してみる(褒められたこと、誤りを指摘されたことなどの他人の評価も含む)

~長所(例)~
頭が良い
気遣いができる
人とうまく関われる
歌が上手
部長、委員、キャプテンを任された
作文で賞を取った
弟・妹に優しい
周りから好かれた

・長所より短所をより選択して強調していないか?長所を書くときイライラしないか?

・現在のそれぞれの短所の深刻度について考えてみる(人付き合いがどのくらい難しいかなど)

・自分の長所や短所を持つ人が他の人だったら、自分はどう感じるか考えてみる(それほど深刻でもないし、よくあるありふれた性格だと感じることができる)

・短所を変えるためにどうすればよいか考えてみる(考え方を変える、行動を変えるなど)

・短所が出てくるのはどの状況でも出てくるのでなく、特定の出来事に対して出てくるものもあることを確認する(より現実的に考える)

・批判的だった親に手紙を書く(渡さなくてよい)

・子供の頃にされたこととそれについて自分が感じたことをはっきりと浮かび上がらせる

・自分がひどい扱いをされなければならない理由は何一つなかったことを確認する

・親や周りのひどく扱ってきた人たちの同情的な立場にならない(重要な他者を守りたいという気持ちを抑える)



親への手紙(例)

親父へ

あんたは恐ろしい人だったよ。
あんたはガキの頃の俺を、無価値で、あんたの眼中にも入らないヤツだったみたいに思っていただろうな。

俺が感情を持ち、苦しみ傷ついたことは、あんたにとってはどうでもよかったんじゃないか?

一番傷ついたのは、兄さんと比べられていたことだった。
俺は無価値で、あんたは兄さんといるといつも幸せそうでテンションも高くて。


でも俺の前では意地悪でうざくて。
よくため息をしていたな。
大嫌いだったよ。
どんだけ俺にがっかりしてたんだよって思ったよ。


あんたは俺の全てを批判したな。
おかげで自分を全部隠すしかなくなったんだ。
俺が好きだったものだとか、あんたには一切言わなかった。
ガキの頃は、恥ずかしい思いでいっぱいだったよ。


それでもガキの頃には、俺にも良いところがあったんだ。
俺は賢かった。
十六歳の頃には、野球カードを使った商売もやってた。
俺にはあんたが全く気にもしなかった趣味があったんだ。
兄さんの趣味とも違っていた。


確かに俺は完璧じゃないけど、だからといってあんたの仕打ちは間違っていたよ。
あんたのしてきたことは最悪だ。

嫁は離婚しようとしてる。
子どもは可哀想だ。
俺は、最悪な気分で仕事漬けだよ。
俺はアル中になりかけだし、どうでもいい女に手を出したり、バカなことばっかやってきた。
自暴自棄になっていた。
自分に自信がないから、こんなことしかできなかったんだ。


あんたと家族が俺に対して意地悪だったことが原因だ。
あんたらはみんな俺を落ち込ませたよ。
あんたらがありのままの俺を非難したから、俺は殻にこもることにした。
俺が本当はどんな人間か、誰にも見せなかった。


今俺はもっと良い人生を歩めるように頑張っている。
あんたにはこれ以上俺をけなす権利はない。
もしあんたが俺と関わりたいなら、俺に対する関わり方を変えることだ。
もしできないなら、あんたとは一生会うつもりはない。


・フラッシュカードを書いて、持ち歩く

・フラッシュカードで批判的な親と傷ついた子どもを確認し、その2つの面の感情が現在の自分に「内在化」してしまっていることを知る

・フラッシュカードで癖の背景を知り、自分には価値があるということを言い聞かせ、癖を断ち切る武器としよう

・SNSに悩みを投稿して、返信された応援メッセージを繰り返し読む(自分への励まし。人への信頼を高める)

・素の自分でいるように意識する(思うほど嫌われないことを確認する。行動実験・暴露法)

・自分を守りながら生きていくのと同じくらいに、自分をさらけ出し、弱みを見せ、他人にサポートを受けながら生きることは恥でもなんでもなく、当然のことだと意識を変える

・人の愛を受けるために自分を完璧に見せる必要はなく、むしろ弱いからこそ繋がっていけるんだと言い聞かせる(秘密を分かち合おう)

・相手と親しくなり、相手が心から気にかけてくれていると感じ始めたら、もっと楽に自分をさらけ出せる。相手のペースに合わせ、相手が弱みを見せたら自分も弱みを見せていく。バランスを考えながら取り組む

・人は自分が思うほど、深刻には捉えず、一度話してみるとそれほど恥ずかしいものではないとわかる

・周囲から与えられる優しさ、愛情に慣れる(慣れることが自分には必要だと意識する)

・与えてくれる親切を同情や哀れみ、恥と感じて、防御や回避、攻撃する気持ちを抑える

・愛を受け入れることもまた勇気の要ることだと認識する

・自分にひどい扱いをする人を許さない(受容する人を選ぶ)

・優先順位の一番は常に自分。自分自身のために立ち上がり、権利を主張し、二度と不合理な批判に屈しない

・相手に対して攻撃的になってしまっているのならやめる(癖への「逆らう」方法だと意識する)

・相手を敬いすぎても、自分を大きく見せすぎても駄目。相手と自分は常に対等でしか人間関係は繋がることはない

・仮面を被り、尊大・服従・無関心な「従う・逃げる・逆らう」の対処はやめよう

・どうして仮面をつけなければならなかったのか?本来の自分を否定してしまっているからではないのか?仮面をつけなけらばならない相手なら付き合いをやめ、本来の自分を肯定して受け入れてくれる人を選びながら、自己の中に揺るぎない自分をつくろう


《心の変容を遂げようとするあなたへ》

進歩できたことにはしっかりと目を向けて自分を褒めてあげましょう。

時々、自分が歩んできた道を振り返り、どのくらい進歩したか確かめましょう。

この癖たちは子ども時代の自分を守るための鎧です。

ですが、大人になった今のあなたはその鎧は不必要で、重く身動きが取れなくなっています。

世界は自己のイメージの中にしかなく、それを通してしか世界は見えません。

だから、この癖たちのせいでとても苦労しているにも関わらず、懐かしみや心地よさすら感じてしまう...

子どもの頃は生き延びることが第一だったのです。

生き延びるために役立ってきたその癖たちですが、今はあなたを傷つけています。

今こそそれに気づき、なくす時ではないでしょうか?

自分を一番大切にしよう!

自分に嘘をついたり、自分を弱らせることから抜け出し、自分自身の変容を宣言するための長い旅を始める時なのです。


次回、

⑧『俺なんか、なにをやっても無理だという癖』 に続きます。

お読みいただきありがとうございました。

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