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これは、完璧な外伝だ!『誰が勇者を殺したか 予言の章』感想

正直な話。

前作の完成度の高さから。

続編が出るということを聞いて。

めちゃくちゃ不安でした。

あれだけ、完成度の高い作品を出してきて。

続編……?

何か変な物語になるんじゃないだろうか、と。

そんな風に思っていました。

ですが、読んでみたら。

それは、杞憂であって。

物語として。

非常に面白く。

読み応えのある作品でしたね!


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、駄犬先生の『誰が勇者を殺したか 予言の章』(2024年8月刊行)です。

前作の、「誰が勇者を殺したか」(※)の続編となっております。


※このライトノベルの感想は、こちらから。


では、本日も行ってみましょう!



あらすじですが……

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます

非常に短いです。ご注意を!

魔王を倒してくれる勇者を求め、わたしは何度も世界をやり直していた

――世界編纂――
 死の原因である魔王を打倒するまで世界はわたしを特定の時間まで自動的に巻き戻す。幾度となく繰り返され精神的に疲弊する中、ある男に興味を抱いたわたしは彼を勇者に認定し行動を共にする。

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というわけで。

今回のテーマは、「もう一人の勇者」となっております。




前作のネタバレ有り

さて、この作品の解説を書いていくわけですが。

先に書いておきます。

この作品。

前作のネタバレ部分が非常に大きく扱われており。

正直な話。

一巻から読んでもらうことを激しく推奨させていただきます。

それを踏まえた上で。

話を進めていきますので。

ご注意ください。

以下、余白が空いた後に始まります。











では、解説していきます。

今回は、前作で出てきた予言者の話となっております。

時系列的には。

予言者が、様々な勇者候補を「勇者」として認めて。

魔王を退治させようとした時期となっております。

つまるところ。

まだ魔王が生きている時代背景ですね。

物語は、そんな予言者が、とある男の噂を耳にしたことにより始まります。

その男は冒険者であるにもかかわらず。

非常にお金に汚く。

本来の報酬の十倍をふっかけるという。

他人からは。

「金の亡者」と噂されるものでした。

ともかく。

本来の勇者像とは、かけ離れた存在だったのです。

しかし。

とあることをキッカケに。

その冒険者に興味を持った、予言者は。

彼の観察を始めることにして――。

というのが、話のあらましとなっております。



全体の感想として

この作品を読んで、まず私が感じたのは。

前回は、「誰が勇者を殺したのか」というミステリー調だったのですが。

今回は、出てくるキャラクター達が。

「勇者を見殺しにしてしまった」という。

重いバックグラウンドを持っていることでした。

そういった意味では。

今作は、前作とは違った解釈で。

新たな「勇者」像を描いているのだなと思いました。


また、そこからの葛藤を経て。

キャラクター達が、本来の勇者とは違う、「別の勇者」になっていくまでの過程を。

楽しめる物語にもなっておりました。


つまるところ。

全体の感想としては。

前作の流れを踏襲しつつ。

新しい角度で。

「勇者」の物語を再構築している作品ということです。



この話の面白い所について

やはり、それぞれのキャラクター達の葛藤と変化でしょうね。

金の亡者とされた冒険者にも。

「勇者」にまつわる過去があり。

また、どうして金をそんなにも集めるのかという理由も。

ちゃんとしたものがあって。

非常に納得のいくものがありました。

最初は意地汚く見えたキャラクターでしたが。

前作に登場した「勇者」とは違う。

別の意味での、「勇者」になろうとした。

これは、そんな男の物語でもあったなと。

そう思いました。


つまるところ、この話は。

そんな金にがめつい男が。

新しい解釈の「勇者」として成っていくという。

非常に面白い作品でしたね。




この話の残念なところについて

前作では、ミステリー調であった部分が。

今作ではなくなってしまったことです。

あくまでも、本作の位置的には。

前作の補完という部分であり。

いわば、外伝的な作品であるということですね。

そのため。

前作でのミステリー部分がほとんどなくなってしまっているのは。

個人的には、残念な所かなと思いました。



最後に

とはいうものの。

なにげに、前作のキャラクター達も登場し。

おまけに。

物語のクライマックスで起こる。

怒濤の展開には、心が躍りましたね!

そういった意味では。

これ以上に完璧な外伝作品はないのではと思い。

こうして筆を書いているのですが。

いかがであったでしょうか?


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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