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140字小説『Fly Me To The Moon』

少しでも月に近づきたくて、屋上へ上がった。
遠い存在。
後ろめたさを隠す夜をつくりだす。
「飛ぶつもり?」
月が囁く。
「あなたの傍へ行きたいの」
「無理よ。神様が見てる。許してくれない」

あなたが与えてくれる闇。
私はずっと愛していく。

いつか飛べたら。
あなたに思い切りキスするわ。

その時は。

抱いて。

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