業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社 その5.16 私の推したい会社 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
私の推したい会社は、業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社です。
その理由を一言で言えば、業務で使われる程最先端で信頼性が高い技術を民生用に昇華して日々の暮らしの中に活かせるからです。
今までの経緯
…………………………………………………………………………………………………………
具体的には例えばソニーさん。
その1.0では民生用の製品は皆さんの染みの少ない放送業務用制作機材に絞ってご紹介し、今後の期待感まで吐露させて頂きました。その辺りはこちらをお楽しみ下さい。
如何でしょうか。街で見かけるソニーさんの製品とは全くの異なるプロフェッショナル向けの機能美を感じる製品群って素敵ですよね。
このとんでもない高価な業務用製品向けの技術が民生用にもフィードバックされていると思うと、何かお得感を感じませんか?
というオチでした。
その1.1はソニー・インタラクティブエンタテインメントグループさん。研究所が手掛けた際物(きわもの)を民生用、しかもゲーム機という最も大衆ウケするプラットフォームにというお話でした。
その1.2は、ソニーさんとCBSソニー(ソニー・ミュージックスタジオ)さんの話です。ソニーさんの民生用製品を元に、ソニーさんとCBSソニーさん(ソニー・ミュージックスタジオ)さんが業務用製品を共同開発され、余りの好評のためにその業務用製品は、今ではまるで民生用製品の様に販売されているという珍しいお話でした。
その1.3は、業務用の可搬型テープレコーダーが、私的な演奏会や鉄道·自然等の生録音のニースに応える形で民生用製品に仕立てられ大ヒットしたというお話でした。その名はカセットデンスケ。
その2は、鉄道や機械等に用いられる業務用の電気モーターが、家電として掃除機、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの民生品の心臓部として転用されるというお話でした。
その3は、流体力学と誘導機技術(誘導電動機(モーター)・誘導発電機(発電機)ともに成り立つ技術)から始まり電力インフラやエレベーター等の業務用機器をしつつ、扇風機から始まりエアコン等の民生用機器へその技術を展開されているというお話でした。
その4は、造船業から始まり鉄道車両、航空宇宙、エネルギー・環境、精密機械・ロボット分野等でプロフェッショナル向けのソリューションを提供されていて、その技術を二輪車、ATV(四輪バギー車)、多用途四輪車、パーソナルウォータークラフト「JET SKI®」といった民生品に生かされいる会社のお話でした。
その5.00から連作で時計メーカーさんを推したく、その前フリとして時計の歴史をご紹介しました。
その5.01は、時間軸は明治少し前辺り以降、地理的には日本に絞り今日的な時計の価値についてその背景を共有させて頂きました。
その5.02は、鉄道網の発達と時計について振り返ってみました。
その5.03は、義務教育の普及と時計について振り返ってみました。当たり前過ぎて意識しなくなっている程陳腐な内容ですが、網羅性という意味で抑えて執筆しました。赤面する程基本的な内容も恣意的に含まさせて頂きました。
その5.11は商社として輸入時計の販売と時計修理を開業し、業務用製品と民生用製品をしたたかに糾(あざな)いながら時計の分野で世界的な地位を築いたセイコーグループさんにまつわる私的なエピソードのご紹介でした。
その5.12は、セイコーグループさんの業務用製品と民生用製品を逆境をも成長の機会としてしたたかに糾(あざな)ってきた歴史を第二次世界大戦直後頃まで振り返ってみました。
その5.130も、その5.12に引き続きセイコーグループさんの業務用製品と民生用製品を逆境をも成長の機会としてしたたかに糾(あざな)ってきた歴史を1960年代後半頃まで振り返ってみました。
その5.131では、その5.130でご紹介したグランドセイコーというある意味で日本の時計産業のフラッグシップの製品とも言えるラインナップについてのエピソードをご紹介しました。
その製造工房を見学する機会を得て感動…
その5.14では、水晶時計。所謂クオーツ時計。電子化についての激動期のお話でした。
その5.15は、読者の皆様も馴染みがある1990年代からの軌跡でした。
業務用の技術と民生用の技術を上手くつむぎながら世界最高まで上り詰め、結局GPSソーラークオーツ時計と、機械式自動巻時計が時計分野での双璧のなったかと。
…………………………………………………………………………………………………………
今回は大好きなセイコーさんの業務用の極みたる鉄道時計スペシャル。
その5.02に鉄道時計に関しての全体像はご紹介させて頂きました。鉄道時計の不正確さが引き起こした悲劇、大事故からの学習。再掲しますのでその辺りはこちらをご覧になって下さい。
この様な背景で、鉄道の先頭車両にある運転台には鉄道時計用の穴が用意されています。そしてそこには乗務員の方が乗務前に時刻合わせをした鉄道時計が常に鎮座しています。
その鉄道用の時計は業務用時計の1つのカテゴリとして独自の成長を遂げます。民生用の時計と相互に呼応する形で機械式時計からクオーツ時計へと…
この辺りは裾野の広い鉄道ファンの方々が資料を豊富に公開されて居ますのでそちらに詳細は譲ります。
今回の事前調査で目を通した資料の中では此方が良くまとまっていましてので取り敢えず1資料だけご紹介しますね。
そして驚くことに最新の電子化された鉄道車輌に乗務される場合でも、車輌に具備された時計とは独立に鉄道時計を必ず携帯して運転台に設置し運転をされています。
例えば、山手線、横須賀線、総武快速線、総武本線等で良く見かけるJR東日本さんのE235系電車。
最新鋭鉄道車輌の1つであるJR東日本E235系電車の運転台です。
乗務員さんの手元真正面の最も視認性の高い位置に時計はセットされます。黒い文字や針。白地の文字盤が黄色く照明されて一際視認性が高く設計されています。黄色と黒は工場現場等でも採用されている色のペア。
鉄道時計は液晶表示ながらアナログ表示のブレーキの圧力計や速度計と並んで、運転台左から真正面までの領域に同じアナログ表示で時刻を表示しています。
一方運転台の右側は多機能ディスプレイになって居るのとは対照的。勿論左側のディスプレイも従来のアナログの圧力計や速度計をデジタル表示で再現しているのですが…
この様な業務用の極みである鉄道時計もシンプルにして最高の機能、そのデザインの秀逸なのは正に芸術品。
そのSVBR003という最新の鉄道時計が何と30,800 円(税込)で楽しめるという夢のような世界…
これはこの連続シリーズ(業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社)の、その1.2でご紹介した同じくソニーとソニー・ミュージックスタジオさんが共同開発した業務用のモニターヘッドフォンMDR-CD900STに“シンプルにして最高の機能、そのデザインの秀逸なのは正に芸術品”という意味で酷似していると思っています。
そのヘッドフォンの件も一応再掲しますね。
このMDR-CD900STも19,800円 (税込)で購入できるのですから、まるで夢のような世界…
ということで、業務用製品と民生用製品をしたたかに糾(あざな)いながら時計の分野で世界的な地位を築いたセイコーグループさんは私の推したい会社なのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?