点々の世界
点々だらけの世界
空を見上げればソーダ水
アワアワプツプツ
アワアワプツプツ
なんて、ユーミンちっくなワードを使って呟いてみたが、なんて言うこともない。
飛蚊症が酷い、という話である(笑)
先日、視界に黒いモヤモヤが現れて漂い始め、あっという間に世界が点々だらけになってしまった。
黒やグレー、泡のような粒が一面に広がり、まるで薄い膜越しに見ているよう。
特に、明るいところや白いところを見ると、ますます点々がはっきり見えて気持ち悪いぐらいである。
数年前、眼の内部で出血が起きて、同じような状況になった。
青空が黒い斑点だらけになり、ずっとこのままだったらどうしよう…と、ブルーな気分になったものだ。
もしかして、また…?
実は先月も、急に飛蚊症が酷くなり眼科に行ったばかりだった。
心配になり検査してもらったところ、出血や穴が開いたりはしていないので、このままでも大丈夫な飛蚊症とのこと。
ほっと安心したのも、つかの間。
またも、更に酷い点々だらけになってしまった。
こないだのは前触れだったのか…?
今度こそ、異常事態なのでは…?
再びの受診に、先生も「あら、増えちゃった?」と目を大きくして、前回よりも念入りな診察。
が、幸い今回も異常は発見されず、単なる飛蚊症との診断に落ち着いた。
やれやれ。
人騒がせな患者となってしまった。
それにしても、ただの飛蚊症がこんなに激しく出ることもあるのか…と、びっくりぽんである。
ひとまず安心したものの、治療しないということは、点々だらけのままということでもある。
だんだん薄くなっていくから、とは言われたけれど、しばらくは点々の世界で暮らさなくてはいけない。
本を読んでいても、TVを観ていても、点々が邪魔で仕方ない。
野菜を洗っていても、野菜の汚れなのか眼のモヤモヤなのか、いまいち判別できない。
お化粧していても、きちんとムラなく塗れているのか、よくわからない。
もう、生物としての能力がた落ちである。
結局、原因は老化によるものなんだろうけど。
なにせ調子が悪いのは目だけではない、という恐ろしい事実。
特に、ここ最近はなんだか次々とあちこち具合が悪くなって、どなたか私に黒魔術でもかけましたか?と言いたくなる日々であった。
謎の指や腕の関節痛
膝の違和感、からの鈍痛
外反母趾気味だった足が痛み出す
尾骨周りの痛み、
そして座るとお尻が痛くなる
去年まで大丈夫だった秋の花粉に反応、からの喉の炎症による痛み、咳
片耳だけドクドクと不規則な耳鳴り
そして、ダメ押しの飛蚊症
…と、まぁ一つ落ち着くと別の箇所が具合悪くなる…といった感じで、弱々の生命体と化している私なのである。
直接的な原因は、気温差についていけず自律神経が狂ってしまったり、寝不足で疲れが溜まっていたこと。
情緒不安定な受験生の、お相手をするストレス。
若い頃からの姿勢の悪さも、ここにきて影響してきているのも明らか。
それら全部引っくるめて、悲しいかな、老化のスピードが上がってきているということだ。
若さで誤魔化せていたものが、ままならなくなってきたわけである。
どんな新品も年月が経てば色は薄れ、ネジは緩み、サビがついたり、歪んだり、形を変えていくもの。
ヒトの肉体も同じことで、ちょっとづつ、ちょっとづつ使い古されてガタが出てくる。
病気まではいかないけれど、完ぺきではない。
そんな日が、だんだん当たり前になってしまった。
以前、ヨガ仲間だった方に
「50歳過ぎたら、もっといろいろ(不調が)出てくるわよ」
と言われたことを、今更思い出してしまう。
あの時の、意味深な笑み。
そういうことだったのか。
年を取るって、こういうことなのか。
なんて思ってしまう、今日この頃。
しかし、人生100年時代。
まだまだ、けっこう先は長い。
今はまだ、調整や修正が効いて、なんとか復旧できる50代。
まだまだ、できる。
やれば、できる。
ユーミンより、ティモンディ。
今の私に必要なのは、ミスター高岸だ。
飽きっぽい私ではあるけど、最近はマジメに朝ヨガに取り組み、筋力もつけるようにしている。
エア縄跳びと踵落としで、骨密度を少しでも上げようとし、ワンコの力も借りてウォーキング。
ふと鏡に写った自分を見てギョッとし、慌てて姿勢を正す。
頑張らないと、たちまち弱る50代。
もう、必死である。
必死で老化に抗っている。
幸い、この記事をのらりくらりと書いている何日かの間に、だんだんと点々は薄くなってきて、だいぶ量は減ってきている。
空は、炭酸のぬけたソーダ水になった。
しかし、大きめの黒点や塊は、ふわふわと相変わらず漂っているので、分かっていても、ふとした瞬間に「ん?虫?」と目で追ってしまう。
「飛蚊症」とはよく名付けたものだ。
と、感心している場合ではないが、上手いね、と思ってしまう私である。