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『反特集』内容紹介

 2023年5月21日開催の文学フリマ東京にて、評論同人誌『反特集』を頒布します。第二展示場Fホール、き-27にてお待ちしております。


目次


内容紹介

1.フレームを飛び越えて ──京田知己試論── 佐藤智史

 『ラーゼフォン』(2002)から『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』(2021)に至るまでの作品における「フレーム」に注目し、京田知己という作家の特異性とそのキャラクター観・フィクション観を描出しようと試みる論考です。

2.もう見られないあの夢に、愛をこめて/ ハヌマーンに寄せる 松下

 山田亮一(元ハヌマーン ギター・ボーカル・作詞)はどのようにして「詩人」から「教師」へと自らを捏造して行ったのか。ハヌマーンというバンドのキャリア全体を通してその歌詞を丹念に分析する論考です。

3.東浩紀と大江健三郎のこと(ぼくがじき書く手紙のために) 広場沈

 これまで結び付けられることの無かった二人の作家を相互に読解し、東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』に大江健三郎『懐かしい年への手紙』からの影響を読み取って、「手紙を書く」ということについて分析した論考です。

4.地図をたどって──リョサ三作評 鯖

 ペルーの小説家マリオ・バルガス・リョサの作品『ケルト人の夢』『街と犬たち』『チボの狂宴』三作を読み、自分の中でのこの作家の位置を探
るために、そして認知症予防のために書評するエッセイです。

5.私と村上春樹と、そしてホテルとの曖昧な繋がりについて あかふし

 村上春樹の作品と、筆者の生活両方に憑りついている「ホテル」というイメージについて、『ねじまき鳥クロニクル』を読みながら「去る/留まる」ことと共に考えるエッセイです。

6.どもるマンガ──カムとウェブトゥーンのブランク・ページ kado

 新たなメディアに最適化され、それに伴って変わりつつあるマンガの読書体験を、カムやアガンベンを経由し、初期バンド・デシネからウェブトゥーンを通して分析した論考です。

7.ボボボーボ・ボーボボのラスボスは誰だったのだろうか──連載と打ち切りについて 幸村燕

 ゼロ年代のアフロキャラブームやボーボボシリーズのプロットについてまとめ、ボボボーボとラスボスはなぜ出会わないのか、連載作品にとって終わりとは何かについて分析した論考です。

8.00 年代生まれの読む『イリヤの空、UFO の夏』読書会

 2002~2003という、まさに『イリヤ』連載時に生まれた若者たちによって、これまでの語りから零れ落ちてきたものを拾い上げ、そして『イリヤ』を一つの小説として純粋に楽しもうという企画です。


表紙/イラスト 山中美容室


 
 どの文章も非常に力の入った、熱のこもったものになっています。どうか多くの人に届きますように。A5判/140p/800円で頒布致します。それでは、当日ブースでお待ちしております。

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