【LGBTQ+】無知なので12冊読みました
読書をする時、頭の片隅に置いていることがあります。
別の著者が同じことを言っていればその業界のホットトピックであったり大前提であったりする。また、同じことであっても著者の立場が違えば別の切り口で知ることができる。
興味がある分野は3冊を目安に読んでいます。
宇宙やタイムマシンについての本や恐竜についてなど。
今回は、ジェンダーについて読みました。今まで無縁で、恥ずかしながら理解を深めたことのない世界だったからです。
大変興味深く、結果的に2週間で12冊読みました。
また、最後2冊の著者である杉山文野さんの講演を聞ける機会もあり勉強になりました。
【はじめに】
僕は、現時点ではシスジェンダー(心と体の性別が一致)でヘテロセクシュアル(異性愛者)です。
そして、セクシュアリティについて全く知識のない20代です。
この2週間だけ本を読んだだけであり理解は未熟です。
思いがけず不快感を与えてしまう言い回しがあるかもしれません。
ただ、初めて知識に触れた身として素直に感じたことを綴りたいと思います。
最後までお読みいただけたらとても嬉しいです。
【本を読んだ感想】
最近は「LGBT」という言葉自体は浸透してきています。
そのため、ネタにしてはいけないとか、人に言いふらしてはいけないなどの知識だけは持っていました。
ただ、実際にはLGBTの他にも沢山の区分があったり、それぞれがどういった違いがあったりするのかまで知らず大変勉強になりました。
①~もしもわが子が~
本を何冊か読んでみて良かったと感じたこともあります。読む前は、もし自分が当事者だったら。どういう時に何を感じるのだろう、そんな生きづらさだけを考えていました。
今回読んだ本には、当事者もいれば、その親や友人、教員視点の話もありました。
特に僕が心揺さぶられたトピックは、カミングアウトされた時の対応についてです。
果たして自分は相手を傷つけない対応ができるだろうか?
もしそれが友達だったら?
あるいは自分の子供だったら…?
僕は小学生の時から、子育てをしたいと考えていました。今でも変わりません。
自分の子供が性転換手術をしたいと言ってきたとき。僕は素直に受け入れることができるだろうか?
今回僕が読んだ本はどの本もわかりやすく理解が深まりました。
特に親目線で描かれる本は、途中で目頭が熱くなるような瞬間もありました(『カミングアウト・レターズ』『LGBTと家族のコトバ』)。
例えば、NHKドラマ「恋せぬ二人」などLGBTを題材にした作品でアリがちなシーンとして。親から「それなら異性を好きになって」と言われてしまうような場面があります。
作品を見ている側としては、主人公に感情移入しているのでむしろその親にわからずや!と言いたくなる部分もあります。
しかし、生まれる前から気になるのが性別。
男の子が欲しいとか、女の子ならこんな名前が良いとか。
実際、出産報告をすると名前よりも先に性別を聞かれることが多いのではないかと思います。
僕に子どもが生まれたら。
男の子なら(女性でもできる😅)成人したら一緒にお酒を飲みたいと思っていました。
女の子なら、成人式や結婚式で写真を撮るのが楽しみだ。でもお嫁に行く日が来ることを思うともう既に嫌だな、なんて。
そこから始まり育ててきたわが子が、性別を変えると言ってきたら。
生まれたときに夫婦で一緒に決めた名前を、変えたいと言われたら。
わが子の思いを尊重できるだろうか?
仮に最初から受け入れる必要はないとして、カミングアウトしてくれたその瞬間に、わが子の言葉を一度受け取ることができるだろうか?
そして、もし母には言わないで欲しいと言われたら。アウティング(勝手に暴露)をしないで自分一人で気持ちを整理できるだろうか。
幸い、まだ時間がある。僕は子どももいないし結婚もしていない。
自分の子であれば、生きてさえいてくれればそれで十分。
頭では、性転換しても名前を変えても受け入れて守る側、支える側に回りたいと思っている。もしそういうタイミングが来たとしたら。それまでに自分の気持ちに向き合っておける。
②~もしも自分が~
①で書いたようなことを、もしセクシュアリティで悩まれている方が読まれたら。家族にカミングアウトするのを躊躇わせてしまうかもしれない。
そう思いながらも綴りました。
反対に、本を読んでいると自分も心当たりがある感覚や、言ってしまっていたかもしれない傷つける言動もありました。
僕自身、高校時代に1年間タイに留学しており、セクシュアリティについての偏見は一切ないつもりでした。
「偏見がない」ということは、"一般的には"「偏見がある」と同義だと読んだ時、心にグサッと刺さるものがありました。
「もしお前が女だったら付き合いたかったな~」というセリフ。
親友同士の会話で良い意味で口から出る言葉かもしれません。
この言葉の裏には、「お前を男として見ている」という前提があります。
これらについて考えると、セクシュアリティだけに関する話ではありません。
例えば僕の場合、初対面でため口を使われるのはウゥッと思うことが多いです。ため口を使う=親しみを込めるというニュアンスがあるのはわかっていますが、見下してきているという感覚を持ってしまうためです。
ハラスメントについてもそうですが、人が嫌だと思うことを極力やらないということが大事なのだろうと思います。
その点、性別などが自分と違うカテゴリーの相手には、その相手なりの不快感があるので理解を深める重要性があります。
その意味で、心も体も女性の方のこともよく知る必要があるし、同様に男性のことも男性なりの苦労や思いへの理解を深める必要性も感じました。極論を言えば、自分が関わる一人一人がどのようなことに喜びを感じ、不快感を覚えるのか。見極めて接することが理想ではあります。
結論としてはありきたりな小学生でもわかることに繋がりました。。
一つ自分に当てはめて思ったこととして、僕は周囲から男性だと思われることに束縛されている節があります。
これに気づいたきっかけは、YouTuberでボイストレーナーのおしらさんが女性言葉を使う理由を聞かれた時に「逆に男性・女性の方が言葉遣いに縛られているのでは?」というようなニュアンスの解答をされていたからです。
僕の場合。
町中で、人が困っていた時。
外国人であれば年齢性別関係なく比較的話しかけられます。
日本人の男性でも、中学生以上であれば声を掛けます。
日本人の女性であれば、年配ではないと声をかけられません。
理由は、成人男性が小さい子・未成年女性に声をかけている姿を見られるとあらぬ疑いを持たれてしまう恐怖からです。
自分が社会的に男性であるという束縛に囚われすぎていて、息苦しさを感じています。僕にはそういう側面があるなと感じました。
同時に、noteなどのSNSをするにあたっても性別を明かすかは悩みました。
結果的に、noteでは顔は出さないまでも写真や一人称で男性であることは隠していません。
Twitterでは、明確にどちらかわかるような表現はしていません。イラストを投稿していますが、性別のフィルターに邪魔されずに描いたものを見ていただきたいと考えたためです。
もしTwitterやpixivからnoteに足を延ばしてくださった方がいればバレますが(^^;
こうやって改めて見ると、自分も履歴書などで性別を回答したくないと感じるようになりました。
今までは、「性別を答えない人=LGBTQ+」となり意味はないのでは?と思っていました。しかし事前に男性だとわざわざ知らせる必要があるのか、強いて言えば年齢でさえ知らせる必要があるのか。
例えば、事前に提出するものはいくつかの白紙の項目を用意して、本人が事前に伝えたい内容を埋めるという方式にしてみたり。
僕の場合は、年齢や性別よりも、
・読書好き
・絵を描くのが好き
・旅行に行くのが好き
こういったことを知ってもらい、共通の話題などができたら嬉しいです。
もちろん、適切な場合と、マッチングアプリなど年齢や性別が必要な場合などシチュエーションにはよります。
既にある社会の構造や仕組みを変えるには時間がかかりますが、まずは僕が。人に会ったり聞いたりする時はこういうところから実践したいと思います。
③〜だけど共感できないところ〜
どんなジャンルの本を読んでいても、これは違うのでは? と思ったり、共感できなかったり、もっとこうしたら良いのではないかと考えることがあります。
セクシュアリティについていえば、こうしていきたいという理想の社会という結論には大賛成です。でもその中の主義主張や過程には共感できない部分も正直あります。
誤解がないように伝えておくと、例えば世界平和の実現は大賛成です。
しかし、平和の実現のために人類を滅亡させるとか、世界中の国々が核兵器を持つことでの実現は共感できません。
また、仮に軍事兵器を作っている会社を倒産させたいから戦争のない平和な世界にしようという主張があればそれも納得できません。
このようにセクシュアリティについても、共感できる主張と、そこだけは共感できないなという部分がありました。
例えば、保健体育の教科書で「思春期になると異性への関心が高まる」
という文言をどうするかというもの。
教科書を読んだそうではない人が"自分は普通ではないのか?”と不安に陥ってしまうところはすごくよくわかります。
たった17文字ですが、ツッコミを入れようと思えば3つ。
・思春期になる前に高まったり思春期を過ぎてから高まる人もいる
・異性ではなく同性に関心が高まる人もいる
・そもそも異性にも同性にも関心のない人もいる
これを考慮すると、
「思春期や思春期に関わらず、異性や同性に関心が高まったり高まらなかったりする」
となります。
この文章を初めて教科書で読んだ時、結局何が言いたいのかわからないのではないか?とも思ってしまいます。
スポーツの男女別でもそうですが、じゃあどうやって解決するか?という話になると一筋縄ではいかないので難しい問題ですね。。。
保健体育のように学問にするならば、言葉と括りを決めて文字に起こさなければなりません。人類の○%は当てはまるが、○%はそうではなく…という注釈を一つ一つ入れていくことになるのかもしれません。
それは同時に、LGBTQ+とは何かを学ぶということと同義です。
その意味で、今の社会のように学ぶ機会のある社会に変えてきた方達の努力は心から素晴らしいと思います。
また、ネット上で知って少し嫌な気持ちになることとして。
CMで女性が配膳・料理をしているとすぐに炎上騒ぎが起きることです。
今流れているCMを見ると、圧倒的に男性が調理・配膳をし、女性は座って食べるだけとなっています。
僕がさっき見たCMだと、小栗旬さんや竹内涼真さん、ムロツヨシさんが料理・配膳をして、浜辺美波さんや杉咲花さんは座って食べているだけ。
CMは社会への影響力が高いからこそ、女性が調理・配膳をすべきという認識を植え付けないように批判する気持ちはわかります。
ただ、女性は調理・配膳をしてはいけないと履き違えているのではないかと感じる時もあります。
もしも片っ端から女性が家事をしているCMを排除していったら。
女性が家庭内で何もしてはいけないというある種前時代的な文化に戻る怖さもあるなと思いました。
というよりも、セクシュアリティに限らずネットの匿名で特定の人や企業を批判をする行為に好感を覚えませんのでこの問題に限ったことではありません。意見交換にとどめてほしいなと思います。
CM制作が、女性の手で行われ、女性が料理をしているシーンを入れていたとしても批判の対象になるのでしょうか?
男性の手で作られ、女性に一切家事をやらせずに座らせる演出をしたら批判がされないのでしょうか? 子どもが全く家事に参加しないという演出はどうなのでしょうか?
ドラマとは違い、CMではその人物が外で働いている人なのかや趣味で料理が好きなのかなどのパーソナリティが表現できません。企業がCMを制作する意図は、商品をよく見せることが目的のはず。
それでももし女性が料理をするCMを作るとしたら、注釈で「夫や子どもは身体的・精神的事情により料理ができないため妻が一人で料理をしています」などをつける必要が出てくる時代がくるのでしょうか。
多様性の時代には大賛成だし、そういう社会がもっと発展していけば良いなと思います。しかし、注釈だらけの世の中になるのは寂しいです。
④〜これからやると決めたこと〜
本を読んで、自分が実際に行動に移せそうだと感じたことを書いていきたいと思います。
1つ目は、先ほど少し触れましたが人へ質問をする時。
自分が相手の人を知りたい場合。年齢や性別は別にすぐ知りたいわけではありません。同じ年であれば接しやすいのも事実ですが、歳上でも歳下でもタメ口は使いません。
性別は、今の社会で法的に婚姻をするなどの場合に必要になります。ただ、知り合い・友達程度の関係性であれば自分には取り立てて重要な項目ではないと気付きました。
僕が聞きたいのは、自分の時間の過ごし方は聞いてみたいです。
理由は僕が趣味を充実させたいと思っているからです。
性別を聞いて、無回答という回答をもらうのと同様、趣味がないと答えてもらっても構いません。
年齢・性別よりも好きな漫画やアニメの話から仲良くなりたいです。
2つ目は、カミングアウトしてもらった時。
本を読むまでは、そんな状況で何を言えば良いのかがわかりませんでした。何を言っても傷つけてしまう気がしていたからです。
まずは「言ってくれてありがとう」と伝えようと決めました。
可能であれば、どうして打ち明けてくれた相手に自分を入れてくれたのか聞いてみたいです。
そして、今まで自分が不用意に発言していた言葉で傷つけていたことがあるかもしれないので謝りたいと思っています。
最後に、僕から誰かにカミングアウトについて他人に話すことはしないと約束したいです。
いずれも、本人の意向に沿うことを前提にしての提案です。
3つ目は、自分が思わず言ってしまっている言葉を治していきたいです。
世の中には男女を分けた言い方が溢れていて自分も口にしてしまいます。
「リケジョ(理系女子)」「料理男子」などもそうですし、
「彼氏いるの?⇨どんな人が好み?」
「女子力高いね⇨気遣い上手だね」
などと言い換えるようにしてみたいと思います。
ただ、自分がそう言い換えるだけで他人に押し付けることはしたくありません。少しずつ自分の中の意識を変えていけたらと思います。
【最後に】
ハラスメントという言葉が流行った時期から思っていました。何かの問題を取り上げていますが、それはいずれもどんな対人関係にも当てはまることであるということ。
相手が不快になるような言動、行動をしない(パワハラやセクハラ)などは当然です。
僕は男性ですが、電車やバスで女性から不必要に接触された時はセクハラ/痴漢だと感じ不快感を抱いたことがあります。
今回、本を読んでみて良かったことはどの本にも書いてある超当たり前のことがわかるようになったことです。
今までは「SOGI」という言葉を知りませんでした。
性的指向と性自認です。
そして性別を語る上で、
体の性、心の性(性自認)、性表現、性的指向、制度の性
など区分けができることも知りませんでした。
どの本も初心者の僕にも大変読みやすくわかりやすく理解を深めるきっかけになりました。現在の日本の現状やあるべき姿を示す方達が多くいらっしゃることに心から感謝致します。
【最後まで読んでいただきありがとうございます!】
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