見出し画像

目標達成に健康経営戦略マップを取り入れよう!作り方のコツや活用方法を解説

生産性の向上において健康経営は鍵を握る経営手段です。しかしながら、健康経営における適切に課題をクリアしていかなければ、望む結果は得られません。

企業が持つ「課題」と「ゴール」とを明確にするために「健康経営戦略マップ」が役立ちます。今回は、実際に戦略マップを作る際のコツや、活用方法をお伝えいたします。


健康経営戦略マップとは?

まず、企業において「戦略マップ」とは、目標到達までの道筋を明確化したものになります。

どのような道筋を辿れば確実に目標達成できるのか、そのプロセスとなる計画を明確にしていきます。

その戦略すべき内容で健康経営に特化して作成するのが、健康経営戦略マップです。

健康経営戦略マップは健康経営を進めるための計画書

「健康経営戦略マップ」は「健康経営を実現するための計画書」です。


健康経営で失敗してしまう理由の1つとして「具体性がない」ことが挙げられます。

企業として健康経営を掲げてみたものの、具体的な数値目標や行動指針が提示されていないままでは、雲を掴むような状態で終わってしまいかねません。

あるいは逆に、実際には実現不可能な数値目標を急に掲げてしまうパターンもあります。極端な例ではありますが、いきなり「今日から健康経営のために喫煙スペースを撤去します!」と言われても、混乱を招くだけで生産性の向上にはつながりません。

健康経営戦略マップは、現状、改善すべき問題を確実にクリアにし、企業にとって必要なゴールを確実に仕留める緻密な計画書です。戦略マップによって可視化されたルートに沿って進めることで、健康経営を成功に導くことが可能となります。


健康経営戦略マップに入れるべき内容

では実際に、どういった内容を健康経営戦略マップに盛り込むべきかをみていきましょう。

まずは上記の健康経営戦略マップをご覧ください。



これはあくまでも健康経営戦略マップの一例です。

企業によって解決すべき優先の課題や、実施可能な施策は変わりますので、柔軟に作成してください。

健康経営戦略マップは、エクセルで作成したり、テンプレートを活用することもできます。

ちなみに、経済産業省の「健康投資管理会計ガイドライン概要説明資料」にもフォーマットの構成案がありますので、ぜひ参考にしてください。(経済産業省「健康投資管理会計ガイドライン概要説明資料」https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200612001/20200612001-1.pdf


それでは、1つずつ説明していきます。


経営課題

企業が直面している健康経営で改善できる経営課題を明確にします。


「とくにうちは困ってないな」とお考えでしょうか。


では、質問です。

御社は十分に人手が足りていますか?


一般社団法人日本能率協会が行った「日本企業の経営課題」(2022年版)では、日本企業が現在直面している課題が「売り上げの向上」、3年後は「人材の強化」が最多の回答となっています。

参考:日本能率協会「日本企業の経営課題(2022年)」

https://www.jma.or.jp/img/pdf-report/keieikadai_2022_report.pdf

これから先、さらなる少子高齢化を受け、今以上に人材の確保が難しくなってくることは目に見えています。人材不足から生産性が落ち、人的コストがかかる上に売り上げの伸び率が上がらない未来予想図は何としても避けたいところです。

今いる優秀な人材を長く確保することは、いずれの企業にとっても大きな課題でしょう。健康経営で職場環境が改善されることは、人手不足解消の手段と十分になり得ます。

今まさに健康経営で防げる課題は何かを浮き彫りにしましょう。


健康投資施策

直面する課題を解決するために、どういった取り組みを行うのかを明記します。

たとえば、各種健康関連セミナーの開催や健康診断の受診、ストレスチェックの実施などが該当します。


企業によっては「一駅歩くことを推奨」といった施策を掲げるところもあります。

個人の自発的行動を伴う施策は、楽しく取り組める内容を盛り込むことがコツです。無理な施策は反発を生んでしまうので設定には気をつけましょう。


健康投資効果指数

健康投資によって、どのような効果を期待できるのか、具体的な数字を持って記載します。

たとえば、上の健康経営戦略マップでみると、セミナーの参加者数や、精密検査の受診率といったものが該当します。


意識・行動の変化に関する指数

健康投資の施策を実施した結果として、どのような変化が数値として現れるのかを明記します。

たとえば、上の健康戦略マップでみると、セルフケア行動の向上や、組織内コミュニケーションの増加などがあげられます。

これは、健康投資で得られる波及効果の可視化であり、非常に重要な項目です。


最終的な目標指数

最終的にどれほどのパーセンテージで目標達成をするのかを明確にします。

このとき、実現可能な指数を設定してください。

たとえば、禁煙率100%が理想だとしても、体調不良での離職率0%が理想だとしても、現実問題として愛煙家はいますし、どれだけ気を付けていても病で離職せざるを得ない場合もあります。

まずは実現可能なパーセンテージを設定して、目標達成へとつなげていってください。


健康経営戦略マップのメリットと活用方法

健康戦略マップは現状の可視化とゴールへのプロセスを明確化するのにとても有効でメリットがたくさんあります。戦略マップを活用して健康経営を成功させましょう。


【メリット】現場の声を把握できる

健康経営の失敗談の1つとして、健康経営担当者と経営陣との間で起こる認識の「ズレ」があります。

たとえば、現場の声として「職場環境の改善」があがるとしましょう。担当者は作業効率をあげるために有料のクラウド管理やアプリの導入を求めたとしても、経営陣が不要と認識して改善がされない場合があります。

こういった現場の声と経営陣との間でズレが生じると目標達成が遠のいてしまいます。

健康経営戦略マップを作成することで、なぜ必要なのか、その施策はマップ上どこに位置付けられるのか、最終的なゴールに到達するのにどのような道筋を辿れるのかなど、具体的なすり合わせができます。

そして、健康経営担当者は現場の声だけを拾うのではなく、経営陣と一緒になって健康経営戦略マップを作成することも大切です。上層部を巻き込み、実効性のある戦略を立てていきましょう。


【活用方法1】可視化されたパーセンテージを元に課題の改善を

健康経営戦略マップで設定した指標を定期的にモニタリングすることで、具体的な改善案を提示することができます。

たとえば、メンタルヘルスセミナーの参加率が伸び悩んでいるのであれば、内容の見直し、時間帯の変更や参加しやすい環境作りなど、具体的な改善案を見出すことが可能です。


【活用方法2】指標間の相関関係を認識する

たとえば、定期健康診断で何らかの健康改善が指摘された従業員のうち、どれだけの率の人が健康セミナーに参加しているのかといった相関関係を分析することができます。

もちろん、数字だけが全てではありませんが、健康経営の取り組みを可視化する上で、指数間の相関関係を検証すると、さらに効果的な施策に取り組むことができるでしょう。


【活用方法3】検証結果を元に経営陣と職場環境改善をする

検証結果が出れば、具体的な施策を経営陣にプレゼンすることができます。

たとえば「ストレスチェックの結果をふまえて、休憩スペースの改善をしましょう」「メンタルヘルスセミナーを定期開催してセルフケア行動の向上を促しましょう」など、改善の具体案を提案できるようになるのです。

ただ「休憩スペース広くしましょう!」と説得するよりも、健康経営戦略マップの指数が強い説得力となりプレゼンができれば、健康経営の成功に期待が持てるようになります。


健康経営戦略マップを活用して目標達成を!

健康経営戦略マップは、健康経営を実現化させるロードマップとなります。

直面する課題から具体的な施策、最終目標までを可視化させることで、現状の改善に期待ができるのです。

健康経営戦略マップの最終的な目的は課題克服であり、健康経営はその手段です。無理のない施策や指数を掲げて、確実に課題克服へと取り組みましょう。

弊社には、健康経営エキスパートアドバイザーが在籍しています。

健康経営の取り組みや健康診断でのお悩みは、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。

お問い合せはこちらから