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自分と向き合う時間は決して無駄ではない:休職中に勉強した心理療法の変遷をまとめたスライドを発見して思った事

 こんにちは、すぱ郎です。

 最近リワークに通っていた頃の資料を少しずつ読み返して出典元の資料を読み返したりしているのですが、下のようなスライド画像を休職中に作っていたのを思い出し、目にしてから当時の自分の心情の変化などを色々と思い出しましたので、回顧録的に当時の事を思い出しながら記事を投稿してみる事にしました。今回は方法論や考え方などセルフケアの手法についてやそれぞれのアプローチの内容には特に触れない一人語りの内容になりますので、ご了承ください。

リワーク時代に作ったスライド

 人によってたどる経過は様々ですが、私の場合はこの図が示すような順番で(途中でいったりきたりはしましたが)心理療法またはセルフケアの考え方や手法について勉強していました。5、6辺りで自分にとってパラダイムシフトとも言える大きな変化があったのですが、それはまた別の機会に改めて言語化できればと思います。
 それぞれの勉強を始めたきっかけはリワークで教えてもらったものであったり、自分で図書館や本屋で偶然手に取ったものなど様々です。

 私は今復職して半年以上経過して、まだまだ油断することは出来ない時期の渦中にいます。それでも、一番苦悩に心が埋め尽くされていた時期の自分と今とではそれなりに変化があって、自分なりの日々のストレスに対処と行動を繰り返しながら過ごしています。何もかもが思い描いた通りの充たされた状態とは言えませんが、自分と周りの人達をそれなりに労り愛おしく感じ価値に生きることのできる日々に、割と素直な気持ちで感謝ができている毎日です。
 そして上記スライドで学んだ経験のどれか一つが欠けても、今の自分の状態にはなっていなかったのかもしれないと今は思っています。

 今回の記事は、今苦悩に心も体も支配されていて一番しんどい時期の人に向けて書いているのかもしれません。
 私は2度の休職を経験して、心底絶望や虚無の日々を過ごして、ギリギリの所で踏みとどまって、その後に色々な幸運が重なって今この記事を書いています。私より大変な状況の人はいくらでもいると思いますが、当時の自分にとっては本当に苦しい日々でした。

 はじめはどうにか自分を変えたくて、文字通り「今までと違う(同じ失敗を繰り返さない)別の人間」になりたくて、認知行動療法だけではダメだと藁にも縋る気持ちでスキーマ療法を独習で取り組み始めました。しかしワークが進むにつれて「結局自分の根っこが変わるわけでは無いのかもしれない」という事に気付いた事実を受け入れ切れず、とはいえ何かのせいにも出来なくて、閉塞感から八つ当たりのようにリワークで不安や不満をぶちまけていた時に、ACTを紹介されました。それを勧めてくれた先生の言葉は、何故か心の芯に響くものが多かった事もありそのままACTも学んでみる事にしましたが、「結局『受容』って『諦めろ』って事じゃないか。自分が求めているのはそういうものじゃない!」と、ある段階まで勉強を進めてからそう感じ始めて一度投げ出しかけてしまいました。
 そんな時にたまたま目にしたV.E.フランクル氏の本が妙に気になって、興味を持って「夜と霧」を読んでから半ば衝動的にロゴセラピーについて学んでみる事にしました。その中で「実存的空虚」や「良心」といった今の自分につながる力強い言葉を沢山学ぶことが出来ました。
 そして価値についての重要性も学び直してから、もう一度ACTを勉強し直して取り組んでみようと思い、その中で自分の中の価値や苦悩の根っこにあるものの輪郭を徐々に捉えることが出来るようになり、「自分を変える」から「自分を受け入れる」段階に進むための大きな変化が起きる基礎になっていきました。その後リワークで習ったレジリエンスや、他のリワーク参加者が紹介していたセルフコンパッションを学びつつ「今までの自分は大変だったんだな」という理解と共に、「自分を労わり、大切にする」考え方を学び、最終的にいつの間にか自分の中に起きた変化として、空っぽになっていた「自尊感情」を少しずつ取り戻すことが出来たように思います。その状態に差し掛かったタイミングで、復職を具体的な目標に据えて行動を起こすことが出来ました。

 以上があくまで私の経験談になります。

 この記事を通じて、特に沢山心理療法を学んだ方が良いなどと言うつもりはありません。
 
 ただ実体験として思う事はいくつもあって、1つは「回復にはいくつかの段階があって、一足飛びに良くなるわけではない」という事。
 そしてもう1つは「『良くなる=元の自分に戻るわけでは無いという事を受け入れる』には、それなりに時間がかかる場合がある」という事です。私は1年かかりました。それだけ時間をかけられたのも、自分にとっての幸運だったと今は思っています。
 そして振り返ると、「人に頼る(相談する)」という事も、自分にとっては大きな転機になるきっかけだったなぁという事です。休職する経験をすると対人関係にも変化をきたしやすいですが、誰かとつながる事で変わる部分はあるように思います。

 タイトルにも書きましたが、私は休職中にかなりの時間を自己分析や心理療法の独習に費やしてきました。その全てに意味があったとまでは言いませんが、少なくとも自分と向き合うことに専念してきた時間は決して無駄ではなかったと、自分自身では思っています。その向き合い方は人によって色々ですが、休職中だからこそできたそういった経験を人生の糧として、自分と向き合ったこの記録をこれからの人生のお守りにしていけたらいいなと、今は思っています。
 
 今でも心の中のメモ帳に「ニーバーの祈り」の一節は常に頭の片隅に置いています。そうして観察してようやく見えてきた自分と、これからも上手く折り合いをつけて生きていければと思います。
 以上です。特に何かの役に立つような記事ではありませんが、自分の来歴を振り返ることが出来たのでこの記事を書きあげられて良かったと思いました。
 最後まで読んで頂きありがとうございました。

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