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愛知県第一曹洞宗青年会主催【禅の集い】参加レポート・感想

【第52回「禅の集い」ヨーガ × マインドフルネス × 坐禅 〜深い呼吸で身体と心を調える〜 】

かつての“藤田一照仏教塾”以来の法友で、毎月の坐禅会でもいつもお世話になっている多賀宗恵和尚さまが住職としてお務めの宝珠院さんにて開催された「禅の集い」に参加してきました。

普段から坐禅会に通っているお寺で曹洞宗青年会さんの公式行事が開かれるのがとても光栄で、晴れがましい気持ちで嬉しくて、facebookでも情報をシェアしたり、他の坐禅会のお寺でもチラシを配ったりしたところ、それに反応して来てくださった方が何人もいらっしゃいました。ありがとうございました!


新開春樹先生の“原初のヨーガ”講座

会の冒頭に、青年会会長さんがお導師さまを務められての開講諷経で、一同で般若心経をおとなえした後、まだ新しくて木の香りが気持ち良い観音堂の地下のスペースに移動して、「アーナンダ・ヨーガ」主宰の新開春樹先生のヨーガクラスを受講しました。

新開春樹先生(写真左)と、会場となった宝珠院の多賀宗恵ご住職。

新開先生のヨーガクラスは、1年半ほど前に大阪・吹田市「常光円満寺」で参加して以来でした。その時はたっぷり4時間近くのクラスで体験した内容を、今日の持ち時間1時間余りでどうなるのかな…と思っていましたが、「呼吸」に焦点をしぼって、巧みにコンパクトにまとめられた内容でした。

新開先生による板書と、
当日の講座のレジュメ。

新開先生のヨーガクラスの特徴は、様々な呼吸のワークやアーサナ(ヨーガのポーズ)を実修する合間に、仰向けに寝る「シャバーサナ(屍のポーズ)」をこまめに入れて、各ワークを行った後の体感の変化を丁寧に感じ取るところにあると思います。

毎日自宅で少しずつ坐禅で坐ったり、毎週一回以上は市内のお寺で坐禅会に参禅したりするのが「習慣」になると、その習慣性に甘えてしまうのか、その都度都度の実践が雑になってしまうことがあるのに気づかされました。

様々なワークやアーサナと、その間に入れられるシャバーサナを繰り返すうちに、ヨーガで「プラーナ」と呼ばれるエネルギーの流れ(風力、氣)が身体の隅々まで風が吹き抜けるように通って、仰向けに寝る度毎に、微かな変化が少しずつ、しかし確実に感じられ、曹洞宗が説く“ただ坐る”的ないわゆる只管打坐の坐禅を行っているだけではなかなか感じられない快活な身体感覚と、呼吸・心の落ち着きを感じることができました。

新開先生のヨーガクラスのもう一つの特徴は、新開先生が大好きな音楽を効果的に活用すること。今日はなんと、アメリカのカントリー歌手エディ・アーノルドが歌う「想い出のグリーングラス」や「ラストダンスは私に」(下にYouTubeを貼りました)などを聴きながら瞑想!

こういうタイプの音楽に合わせた瞑想実践は初めてでしたが、すごくおしゃれで素敵で、なおかつ、エネルギーの流れを感じるというねらいにもすごく合っていたと感じました。

藤野正寛先生のマインドフルネス講座

再び本堂に移動しての後半は、生では初めてお会いした藤野正寛先生(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 リサーチスペシャリスト)のマインドフルネス講座を受講しました。

藤野正寛先生(写真右)。

マインドフルネスについて一照さんが語る言葉…

マインドフルネスは“船の漕ぎ方”を教えてくれるけれど、船をどの方向に向かって漕いでいくかは、また別の議論になる」

をベースに、

・現代におけるマインドフルネスの潮流
・そもそもマインドフルネスとは?
・どっちを向いてマインドフルネスするか?

にポイントを置いて解説してくださいました。

脳科学・認知科学の視点からのマインドフルネス研究・実験や、教育現場でのマインドフルネス実践教育の実装の状況などのお話も、マインドフルネスをめぐる知識としてとても興味深いものでしたが、京都にあるヴィパッサナー瞑想センターでの10日間コースに10回以上も参加された、藤野先生ご自身の瞑想実践と深い内的洞察のお話は、毎日コツコツの遅々とした亀の歩みのような私自身の実践の積み重ねからしても、大いに参考と励みになるものでした。

「“マインドフルネスが目指すべきところ”というお話では、一般向けの講座としてお話してよいのかどうかということも話すことになるかもしれないので、たくさんのお坊さんを前にしてドキドキしています」と話していた藤野先生は、最終的には、チベット仏教のお坊さんたちの修行を例示するかたちで、「解脱 (生まれ変わり死に変わりが終わる)」に関わるところにも言及されたことも、今日の講座では重要なポイントとなるところでした。宗派にかかわらず、現在の日本のお寺で解脱が語られるのを聴くことはほとんどないと思われるので…。

2つの講座が終わったあとには、少人数のスモールグループに分かれての感想のシェアリングの時間も設けられ、

名古屋のおいしいお茶と和菓子をマインドフルにいただきながらのシェアリング。

お寺の存在意義とは

曹洞宗青年会主催の年に一度の“禅フェス”的な祝祭的な雰囲気以上に、かつての一照塾のatmosphereをも思い出されるような、深い学びが共有された催しとなりました。

そして、お葬式やご法事の時でないとお寺に行ったりお坊さんに会ったりすることがない…というのが、日本で仏教に対するごく一般的な認識・認知だと思いますが、仏教の教えを学び、自ら実践する「行学二道」の仏道修行の道場としてのお寺、活きた仏教の場としてのお寺の存在意義をあらためて実感する、素晴らしい催しとなりました。

愛知県第一曹洞宗青年会の皆さま、会場となった宝珠院の宗恵和尚さん、ご一緒してくださった皆さん、ありがとうございました!

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