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やさしいナイトメア
Nightmare(悪夢)を見て起きる、まだ深夜。
外のサイレン音に反応して、犬が鳴いている。
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これは現実?
まだ夢の中?
現実だったら、わたしは逃げなきゃ。
現実になる前に、わたしが助けなきゃ。
不安になる。焦る。
部屋の電気をつけるのが怖い。
現実かどうかを確かめるのが怖い。
予知夢だったらどうしよう。
ベッドのマットレスをギューッと掴む。
手の感覚で肉体を呼び覚ます。
目を瞑ったまま両手を擦り合わせて、わたしの体温を確認する。
腕や肩を触って、今ここにいるわたしの肉体を意識する。
大丈夫。
この家の中は安全で、子どもも守られている。
落ち着こう。
何も起こってないし、何も起こらない、大丈夫。
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わたしには、このNightmare(悪夢)がサブスクリプション登録されています。
夢の内容はバリエーション豊富ですから、飽きることもありません。
怖いですよ、それはそれは。
ただ、ひたすらにリアルです。
体感、肌感、触感、香りもあります。声もリアルに聞こえるし、わたしも声を出していると思います。
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だから、自分の中で悪夢と現実の折り合いをつけるのがむつかしいんです。
こんな時は早めの対処をします。
・リラックスできる飲み物を飲む
・机の上を極限まで整える
・いつもより丁寧に家事をする
つまり、身体と空間を健やかにしていきます。
体内に飲み物を取り込んで臓器を動かします。
目の前のごちゃごちゃした状態を整理し、視界をクリアにします。
わたしが生活することは作業であると認識を戻します。
そして、『現実』に意識を戻していきます。
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それから、わたし自身がわたしに刺激を与えないように、所作に気をつけます。
ドタドタ歩いたり、バタンと扉を閉めたり、ガチャガチャと音を立てないようにするんです。もちろん無音は無理です。ただ、意識するだけです。
パソコンのキーボードを打つ音を激しくしない、という感覚です。それだけで気持ちが落ち着きますよね、そんな感じです。
一旦ステイで、大丈夫だから。
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そんな感じで、わたしは日々Nightmare(悪夢)に愛を向けています。
そうすると、助けてくれることがあるんです。
つい最近。
わたしが朝のウォーキングをしている時に、一旦わたしを追い抜かした人がバイクに乗って戻ってきて、わたしの目と口を塞いでお腹を殴った夢を見たんです。
強烈に咳き込んだので、目が覚めました。
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見覚えのある道でしたから、その朝のウォーキングはやめることにしました。
すると、いつもウォーキングの時間にはすやすや寝ている子どもが起きてきて、泣きながら胃痛を訴えてきました。
思い当たることがあったので、速やかに胃の内容物を外に吐き出しました。安心した子どもはすやすや再び眠りにつき、体力を回復したのです。
いつもではありませんが、ごく稀にこんなこともあります。
だからNightmare(悪夢)で怖い思いをした時こそ、思うんです。
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迷ったら、やさしい扉を選ぶ。
いろんな特性を抱えてNightmare(悪夢)と付き合うことがむつかしい人は世の中にたくさんいます。
もちろん、わたしものその1人です。
これは医学的根拠でも対処法でもありませんし、わたしは見えないものは何も見えません。
ただ、わたしの脳内が創り上げた世界はやさしいとわたしが信じています。
だから、あなたの脳内が創り上げた世界も、やさしい。だから安心して、良い週末を。
今日はすこしあったかいのかなぁ。
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