「エンパシー」の重要性
いつもお読みいただきありがとうございます。
「エンパシー」という言葉、ご存じでしょうか?
2019年に、「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(ブレイディみかこ著)が話題になりましたよね。その書籍にも、この言葉は登場します。
エンパシーという言葉の辞書的定義を調べますと、
「感情移入。人の気持ちを思いやること。」(出典:デジタル大辞泉(小学館))
というようになっています。
なぜ、エンパシー?
なぜこのことについて書こうと考えたかと言いますと、「7つの習慣」という本を読んでいるためです。
この本は、『成功を目指すのなら、その土台となる「人格」を作る必要があると説いています。7つの習慣は、その人格を形成するために必要な習慣です。
また、自立することで、成長することで、「私的成功」が達成される。
自立した個人が、健全な形で相互依存をし、個で得られる以上のことに「公的成功」が存在する』
と説いている。
この本の途中に、『第5の習慣 「まず理解に徹し、そして理解される」』というものがでてきます。
第5の習慣が、エンパシーと共通している?
この章が、エンパシーの考えに該当するのではないかと考えました。
第5の習慣は、上述した通り、相手を理解することで、自分を理解してもらうということです。
「え、そんなことできるの?ちょっと回りくどくない?」
こんな風に思われた方も多いと思います。僕もそうでした!(笑)
以下の例を見てみましょう。
こども「お母さん、私学校に行きたくない。」
おかあさん「どうしてそんなこというの?」
こども「今やっていることが将来役に立つはずないんだもん」
おかあさん「そんなはずないじゃない! おかあさんだって、学校でやってたことが大切だったって、すごい思ってるんだから! そんな事言わずに、早く宿題しなさい!」
こんな風な会話が多いと思います。(めっちゃ言われてたなぁ(笑))
こどもは、こう考えていることでしょう。
こども (またお母さんの自分のことを言われて、突き放された...。)→心情
上の会話では、おかあさんは、1回目の返答で「探る」という行動をしています。つまり、自分の視点から質問をしているのです。
2回目の返答では、「評価する(=同意するか、反対する)」と、「助言する(=自分の経験から助言する)」ことをしています。
このほかにも、「解釈する(=自分の動機や行動を基に、相手の行動や動機を説明する)」ということもあるかもしれません。
このように、お母さんは、自分の経験則から、こどもにアドバイスをしていますよね。
これでは、エンパシーと第5の習慣が達成できているということはできません。
第5の習慣と、エンパシーとを当てはめて、親子の会話を考察
では、お母さんのパラダイム(見方)を、少し変化させてみましょう。
こども「お母さん、私学校に行きたくない。」
おかあさん「学校に何か不満があるみたいだね。話してみて。」
こども「今やっていることが将来役に立つはずないんだもん」(そうだよ。そう考えているんだ。)
おかあさん「学校には価値がない、っていうこと?」
こども「きっとそうだよ、友達もバイトで稼いでる人も多いし。」(私って、本当にそう思ってるのかな...。)
おかあさん「その子は、正しい道を選択したって考えてるんだね。」
こども (うーん。どうなんだろう...。)
こども「たぶん、そうだと思う。でも、もしかしたらその子も後悔しちゃうかもしれない。」
おかあさん「その子は、間違っていたということ?」
こども「そうかもしれない。その子が投げ出してしまったものって、大きなものだと思う。ちゃんと勉強しないと、大学にも行けないし、就職も危ないし...。」
おかあさん「そうだね。教育は大切だっていうことだね。」
1つ目の例との違いが見えたでしょうか?
おかあさんは、こどもの言葉に耳を傾けています。
つまり、経験則からすぐに主張するのではなく、子どもの発した言葉を自分の中で置き換えているのです。
こうすることで、こどもに現状抱えている気持ちや不安から、気づきを与えることができるということですね。
まとめ
この考え方が、難しい時期のこどもたちとの接し方から、ビジネスにおける場面まで、様々な場面で当てはまるのではないのかと考えました。
難しい時期のこどもたちとの接し方に関して、
彼ら・彼女らが、自身の心に秘めている言葉や考え方を聞いてほしいと考えているためです。
ビジネスに関しては、win-winの関係を築けるためです。
まず、相手の理解に徹して、相手のニーズを引き出す。
そして、こちら側の要求も相手に理解してもらい、はじめて良い取引が成立するからです。
ある意味、近江商人の「三方よし」の考え方に近いともいえるでしょう。
自分、相手、社会が、より良い相互依存関係になることで、ほんとうの成功をつかみ取ることができるに違いありません。
本日も、一読いただきありがとうございます。
あなたの一日が、より良いものでありますように!
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