ステキなおそばやさんと彼のそば
先日、行ってきた兵庫県豊岡市の出石(いずし)にあるお蕎麦やさんがとてもステキだったので、勝手にご紹介します。
お店の構えも、いかにもお蕎麦やさんという雰囲気で、
お蕎麦を食べにきた、というワクワク感が上がります。
お店の前には、鯉がたくさん泳いでいます。
余計なお世話ですが、
人の姿を見るとこうやって積極的に水面に集まって、エサが投げ込まれることを期待する鯉ですが、カラスやネコが来ても同じ事をしていたら、エサをもらうどころか、エサになっちゃわないのかしら。
玄関を開ければ、待ち合いの土間スペース。
待つ間も、足下で泳ぐ金魚を眺めることも、
飾られた植物や建具などを眺めることもできます。
先に来られてお蕎麦を食べている方の姿は感じますが、
目は合いにくく、御簾や建具や植物でなんとなく区切られています。
どこにいてもお客さんに快適にすごしていただきたいと
店主さんが指示されたとか。
待合の椅子の置き方にも絶妙な店主さんの配慮を感じます。
また、
案内をしてくれる女性が、120%の笑顔と穏やかな声で、
決してマニュアルではない、
その人その人に合わせた内容の声かけをしてくださいます。
真ん中通路を抜けると中庭があり、向こうにも座席が。
店主さんが、座席数よりも、お客さんがどこに座ってもどこからでも緑が見えるようにと、設計時に注文されたそうです。
ここは豊岡、出石(いずし)そばのお店なので、
皿に少しずつ盛られた皿そばでお蕎麦が提供されます。
まずはお塩をつけて食べて、というお店もありますが、
こちらはお塩というトッピングはないようです。
私はお塩バージョンは不要なので、問題なし。
お蕎麦はお刺身っぽく味わうのではなく、お出汁につけて、すすって食べたいタイプです。
出石そばは何カ所かでいただいたことがありますが、
正直、場所代かな~と思うお店もあったりしました。
私の経験の範囲では、一番おいしいお蕎麦だと思います。
私は7皿、彼は13皿。
私は満腹になりましたが、
彼はまだまだ食べられる、まだまだ食べたい!と言っていました。
このお店のおもてなしの気持ちはお皿にも。
一枚一枚、いろんなメッセージがあって、
おいしいだけじゃなく、食べ進めるのも楽しいです。
彼がお会計をしてくれている間に、トイレに行きましたが、
期待通りの清潔さでした。
トイレから戻ってきたら、
お店の方2人と盛り上がってしゃべっている彼。
彼は、まったく人見知りしないタイプ。
どこに行っても、そこにいる人の個人的なお話まで聞き出して、
いろんなエピソードやおまけなどをゲットしているようです。
またもや
お店のエピソードをいろいろと聞き出していたようです。
この日の朝、道の駅で販売員さんの出身地まで聞き出して、
遙か遠い地のおすすめポイントを聞いていました。
どこへ行っても、振り向くとすぐ誰かと話しています。
彼を調査員にすると、いい仕事をすると思います。
今回、noteでこのお店の紹介をしていますが、
ほとんど彼のリサーチによる情報です。
警戒されない彼のキャラクターにはいつも感心します。
駐車場を確保するよりも、
緑が美しい庭を少しでも確保したいという、
店主さんのお考えもステキ。
お値段もこの地域の他のお店と比べて同じ。
早く食べて出て行ってという空気を感じることなく、
おもてなしの庭、建物、給仕さんの親切な対応と笑顔と方言。
外食という、いつもとは違う体験に彩りをくれる、
飲食店はこうあって欲しいと思いました。
ここのそばもいいし、彼もそばもいいんです。