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罠にかかった「イノシシ」を捕獲、そして加工する
こんにちは。ボルネオ島の民芸品店を営んでおりますラヤンラヤンと申します。毎週金曜日にマレーシア・ボルネオ島に暮らす先住民ドゥスン人の村での暮らしを紹介させていただいております。今回は、村のイノシシ猟についてお話させていただきます。
※イノシシの写真が出てきますので、苦手な方はご注意ください。
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熱帯雨林に囲まれた山奥に暮らすドゥスンの人々は、焼畑で米や野菜を育て、川では淡水魚を取り、山では野生動物を狩り生活しています。昔は様々な野生動物を捕獲し食していましたが、今では森林保護区や狩猟禁止エリア、捕獲禁止の生物多様性、違法猟法があるので、狩猟できるのはそのほとんどがイノシシと淡水魚ぐらいです。シカやニシキヘビも今では禁止されているそうです。
熱帯林の山道を歩く
この日は村のおじさんが、「イノシシが罠にかかったけど、一人じゃ持てないから手伝ってくれ。」と他の村人に頼んでいたので、私もついて行くことにしました。罠を仕掛けると、3日置き程度にその場所を見に行くそうです。大きいイノシシは一人では運べないので、単独で狩りに行った時は、一旦村に帰ってから助っ人を呼びます。手伝ってくれた人にはイノシシのおすそ分けです。
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みんな集合して、熱帯林の奥へと入っていきます。私の森へ入る時の服装はいつも、長袖・長ズボンとゴム靴を履いて装備します。イノシシを保管している場所はそんなに深い森ではなかったので、この日は半袖・長ズボンとゴム靴にだけ履き替えて出発しました。村の方は、半袖・半ズボンにビーチサンダルで颯爽と山を歩いていました。
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登って登って・・・。木の根っこに足を引っかけて「よいしょっ」と。苔は滑るので注意です。
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ボルネオ島の森には、ヒルがたくさんいます。なんとなく違和感を感じたら、足にはヒルがくっついているなんてことがよくあります。私はいつも村の方に教えていただいたやり方ーー「葉っぱで掴んでポイっ」とするだけです。地面から上ってくるヒルは慣れますが、ボルネオ島には「タイガーリーチ」と呼ばれる、葉や枝から降ってくる種のヒルがいます。これは蜂に刺されたかのようにとても痛かったです。耳に入ると危険なので、村の方には気を付けるようによく言われます。
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登り下り、熱帯植物をかき分けながら進むと、その先には・・・
イノシシを解体、運ぶ
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イノシシの保管場所に到着しました。ワイヤーで作られた罠にかかったイノシシが横たわっていました。
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大きなイノシシはこのままでは重いので、鉈で頭、足、胴体とある程度その場で捌きます。村で使われる伝統的なラタン製の背負いかご「サギン(saging)」に入れて家まで運びます。
イノシシを捕獲したおじさんは、お母さんと二人暮らしだからとイノシシの足一本だけを持って帰り、残りは全部手伝ってくれた村人に分け与えていました。
猪肉の加工
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お家に着いたら猪肉を台所へ。台所には「炉」があるので、そこでイノシシを加工します。また、台所の床は竹でできているので、速乾で通気性がよく、汚れても水で流してすぐ乾きます。今回は、外で加工した写真があったのでそちらを紹介させていただきます。
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薪で火を起こして、木で支えを作っています。猪肉全体を火に炙って、毛を落としていきます。そして、ナイフやナタでこそぎ落とします。これを繰り返します。
肉はある程度小さくカットし、その場で炙って食べたり、頭部や骨はスープにします。残りは燻製や発酵させて保管したり、ご近所さんにおすそ分け。イノシシが獲れた日は、人が集まってきて宴会になっていることもあります。自然の恵みを村のみんなで共有しています。