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切先に触れる愛はいつでも _ 詩

制御して振り下ろす刀の切先に愛が触れる
僅か一分でもかほりや音色が弾け飛んでは
決め事や結んだ心が弛んでしまわぬように
瞳の黒さが淀み濁り纏ってしまわぬように
鞘に納めたそれを解き放つ時は覚悟を呟け
血潮一寸でも地獄とこの世が違わぬのなら
誰がために鐘は鳴り何のために命を燃やす
砂は波に戻れずに羽根は風に合流できずに
されど握り込んだ掌を緩めたりしないのは
あえて汚れた星屑を言葉の礫に散らすのは
清流は冷たく鋭くまるで獅子の様であるか
濁流は猛々しく低くまるで鯱の様であるか
誰でもない君にわかってもらいたいからか
伝えようとする自分にわからせたいからか

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