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時が再会を望むまで _ 詩

スーツケースの荷を解いて
落ち着いていく心臓に腹は立つけど
結局飛び出した思い出に囲まれ
私という地図は滅茶苦茶で
階段を降りたすぐの窓際に
大きな蝶が羽根を畳んで微睡んで
それもそうだよな、と呟いて
実感という箱が蓋を開いて
くたびれたのは言葉じゃなくて笑顔
追いかけたのは心じゃなくて気持ち
悪びれたのは本心じゃなくて気紛れ
言いかけたのはあなたじゃなくて私
時々振り返ったりすると思うけど
さよならしよう、時が再会を望むまで


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